こんにちは、モッチです!
いつも遊びに来て下さりありがとうございます。
本日は「SWEET CLOWN ~午前三時のオカシな道化師~」の感想を、作品紹介 → 個別ルート感想 → 個人的レビュー → 総評 → まとめの順に書いていきたいと思います。
・ネタバレを含む部分は、「続きを読む」ボタンでワンクッション置かせて頂きます。
本日もよろしくお願い致します。
目次
作品紹介
SWEET CLOWNとは?
森の奥に佇む不思議なお城が本作の舞台。
ファンタジーな世界観の中に重くまとわりつくような雰囲気があり、とにかく鬱々とお話が進みます。
主人公含めた登場人物達は全員心に闇を抱えており、一癖も二癖もあるため間違いなく人を選びますが、好きな人はどこまでもハマりそうな闇深い作品です。
2015年7月16日にTAKUYOさんから発売された恋愛アドベンチャーゲームです。
機種はPSVitaとSwitch版が発売しています。
仄暗いストーリーが好きな方におすすめ
ストーリーとしては、謎の城で開かれる午前3時のお茶会に招かれたメンバー達が、城からの脱出を目指しつつ自分達の過去や心の闇と向き合うダークファンタジーです。
正直乙女ゲーム初心者さんにはおすすめできませんが、病みゲーが好きな方・少し変わった作品がプレイしてみたい方・闇のTAKUYOさんゲーが好きな方には全力でプレイして頂きたいです。
※ 闇のTAKUYOさんゲーとは … 月影の鎖、死神と少女、SweetClownの3作。
仄暗い内容を含む同社の作品を筆者が勝手にそう呼んでいます。
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ストーリー概要
貴方は見知らぬ人物から送られてきた手紙を頼りに、薄昏い森の中を歩いていました。
差出人の名は≪スイートクラウン≫。
それはある城で開かれる≪午前三時のお茶会≫への招待状でした。
しかし元来慎重で、ある日を境に何事にも興味を持てなくなった貴方が、
何故か怪しさしか感じられないその手紙に誘われるように行動を起こしている。
それこそが、そもそもおかしな話だったのです。
気が付けば貴方は城に閉じ込められ、外へ出ることが叶わなくなってしまいます。
更にスイートクラウンは自らを≪願いを叶える悪魔≫だと告げ、貴方に≪後継者≫となるよう求めてきます。
できることなら拒否をしたいのですが、貴方にはそれを引き受けざるを得ない事情がありましたー
引用元: http://www.takuyo.co.jp/products/sweetclown/index.html
現在高騰しており中古でも結構なお値段がしますね(´・ω・`)
定価ですがPlaystationStoreでダウンロード版を購入できるので、プレイ検討中の方はダウンロード版を検討されるのもアリかなと思います。
ヒロイン紹介
主人公:樫野 柘榴
物語の主人公。
“ごく普通のどこにでもいるような少女”を心がけている。突拍子もない行動や発言はほぼせず、常に空気を読んで、それなりな存在感、という役どころに徹している。
笑顔にどこか陰のある少女。
引用元: http://www.takuyo.co.jp/products/sweetclown/index.html
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個性が無いところが逆に個性的に思える、ちょっと難儀な子でした。
初代スイクラ様は柘榴ちゃんと一つになろうと目論み、彼女の中に入ることには成功しますが、柘榴ちゃんには「欲」が足りなかったため、完全なスイートクラウンになることはできませんでした。
しかも予期せぬ形で柘榴ちゃんの『元の世界に戻らず閉じこもっていたい』『明日なんて来なければいい』という願いが叶ってしまったことで、全員が夜に閉ざされた屋敷から外へ出られなくなってしまいます。
柘榴ちゃんがスイートクラウンになれば願いを叶えられ、皆を出してあげることができます。
そこでオフレンダ達に柘榴ちゃんの欲を高める手伝いをしてもらう、というのが物語の目的です。
攻略キャラクターとおすすめ攻略順
公式さん推奨攻略順は【密原→久瀬→日之世→古橋】です。
少しずつお話の真相を目指したい方はこの順がおすすめです。
4人攻略後、【真相ルート】がオープンします。
密原 誠丞 | CV:豊永 利行さん |
久瀬 蒼馬 | CV:内田 雄馬さん |
日之世 武尊 | CV:柿原 徹也さん |
古橋 旺一郎 | CV:高橋 広樹さん |
4つのエンディング
本作には「好感度」「欲望度」というパラメータがあり、選択肢で上下します。
好感度を上げていけば攻略キャラとの幸せな結末「深愛エンド」に辿り着きますが、「欲望度」を上げていくと堕落の先にある「歪愛エンド」を迎えます。
個人的にはTHE狂気の果てといった内容の歪愛エンドに目が釘付けでした。
それぞれにグッド・バッドエンドが存在し、1キャラにつき4種類のエンディングが存在します。
個別ルート感想 (ネタバレON/OFFボタンあり)
密原 誠丞 CV:豊永 利行さん
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実は本作をプレイするのは2回目でして、前回プレイした際は初回密原君に突撃したのですが、色々衝撃的でした。
密原君が初回推奨という点にも驚いた記憶です。
今回は本性が分かった状態でのプレイなので、他のルートでも悪意を隠そうともしない姿勢がいっそ清々しかったです。
共通部分は久瀬君と同じ内容で進みます。
合間合間のやりとりが密原君になっている感じですね。
外には出たいけれど柘榴ちゃんのことが心配だ、君は優しいから…と気遣う言葉をくれつつ、自分で良かったら付き合って欲しいと甘い言葉で告白してくれる密原君。
しかし本当は外に出たいだけで、柘榴ちゃんのことを好きな訳でもない。むしろ自分に落ちない彼女を「面倒くさい女」位に嫌っていました。
女慣れしている様子の密原君。
甘い言葉やお姫様扱いは柘榴ちゃんの心に全く響かず、いざお付き合いすることになってもいっこうに欲は育たない。
柘榴ちゃんもこれではいけないと、自分なりにどうしたら彼を好きになれるか考え、スイクラ様のアドバイスを元に密原君の行動を真似て、「自分は彼を好きなんだ」と自己暗示をかける作戦に出ます。
しかしそれが裏目に出て、密原君に『実は柘榴ちゃん俺のこと好きなんじゃね?』と勘違いさせてしまうんですね。
一気に関係を進めようとしたところをネージュから嘲笑われ、プライドをズタズタにされた密原君の本性が明らかになるシーンは痛々しくて、鬼気迫る声優さんの演技も相待って辛い気持ちになりましたね。
しかしそのことがきっかけで柘榴ちゃんは、今まで彼のことを全く知らなかった、知ろうとしなかったことに気付き、ようやくスタートラインに立ちます。
密原君の本音は『自分の容姿やスペックを活かして、外に出て女の子達にチヤホヤされる生活に戻りたい』みたいな酷いものでしたが、柘榴ちゃんは密原君と本音で語り合えることを”楽しい”と思えるようになります。
しかし密原君がそういった性格になったのも、死んだ双子の弟ばかりを美化して求める両親へのコンプレックスからで、人から求められたい気持ちが強く、完璧に見られるようずっと努力してきたという可哀想な背景がありました。
密原君ルートでは、お互いの頭おかしさを実感した途端に恋に落ちるというぶっ飛んだ展開で、2人とも普通ではありませんが、その普通じゃない感じがとても面白かったんです。
ありのままの自分を受け入れてくれる相手って素晴らしいですよね。
恋愛過程はとても丁寧で、紆余曲折を経て2人が城を出てからの未来の話まで出来る様になるシーンでは感慨深いというか、心温まるものがありました。
しかし歪愛の方は歪みまくっていて、特にバッドエンドではどこまで信じたら良いんだ…と今更ながら密原君のことを信用できなくなり、深愛エンドの感動が吹き飛んで行きました。
久瀬 蒼馬 CV:内田 雄馬さん
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直球で尊大な口調の久瀬君。
一歩引いた柘榴ちゃんにもぐいぐい踏み込んできてくれます。
知り合ったばかりの相手に迷惑はかけられないという柘榴ちゃんに対し、「なら俺がお前の弟になってやろう、肉親なら遠慮は無用だ」と斜め上の反応をするのでした。
けれど柘榴ちゃんにとって「弟」は特別な存在。
久瀬君に感謝しつつ、絶対に弟とは思えないことを密かに心の中で詫びるのでした。
柘榴ちゃんがスイートクラウンになるかならないかの意見交換を繰り返す日々ですが、なかなか結論が出ません。
皆を出すためには・・と頭では分かっていても、死んでしまうかもしれない恐怖からなかなか決意できない柘榴ちゃん。
密原君・久瀬君共通ルートでは、とにかくこの悩んでいる期間が長くて、正直ウダウダしないで結論出そうぜとモヤモヤしてしまったのですが(爆)、後に柘榴ちゃんが自喰で「正常な判断力」を失っていたために、話がまとまらなかったのだと語られ、納得できたような気がしました。
久瀬君はちょっとズレているものの、柘榴ちゃんに対し「弟」として、どこまでも親切に味方になってくれます。
どうしてここまで…という位尽くしてくれるのですが、実は久瀬君はスイクラ様が柘榴ちゃんをもてなすために作った”弟”役の菓子人形だったんですね。
弟を失った柘榴ちゃんに他の弟をあてがおうなんて、全くもって悪趣味だなと思ってしまいました。
久瀬君が気に入らず、柘榴ちゃんを奪ってやろうと密原君が暗躍しますが、実は久瀬君と密原君は双子。
久瀬君は生まれる前に自分を犠牲にして密原君とお母さんを助けた、双子の弟でした。
極端にぶつかり合うのも双子ゆえだったんですね。
密原君は両親からずっと、生まれてもいない双子の弟と比べられ続け、大きなコンプレックスを抱いていました。
そのことで最後は城のマリス(悪意)に取り憑かれ暴走しかけるのですが、久瀬君と心ゆくまで兄弟喧嘩をしたことで現実を受け入れることができたのでした。
深愛の方では柘榴ちゃんが自喰することで願いを叶え、無事城から脱出し久瀬君と暮らせるようになりますが、代償として「正常な睡眠」を失ってしまいます。
いつ何処で何をしていても眠くなってしまう困った状態ですが、久瀬君が傍にいてくれるから大丈夫、といった内容でした。
時々密原君にラブラブメールを送りつけて煙たがられたり(笑)、両親との関係改善も前向きに考えられるようになり、幸せな未来が見えてきそうな…良い終わりでしたね。
反面、狂愛の方は狂った世界に2人きりといったぶっ飛んだ終わりでした。邪魔者は菓子にして喰べてしまったり、欲望のままに生きる2人が実に生き生きとしていて、悪魔的で良かったです。
日之世 武尊 CV:柿原 徹也さん
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初対面で絞殺について意見を求められたり、独特の語り口調(イヒヒ・・)からできればお近づきになりたくない雰囲気の日之世君。
日之世君のルートでは柘榴ちゃんがスイートクラウンになることに前向きで、全員に協力してもらってその方法を探ることになりますが、欲のない彼女にどうやって欲を持たせるかが課題になってきます。
「1人専属のオフレンダを決める」という密原君の提案が採用されますが、沢山尽くしているのにあまりにも柘榴ちゃんの心が動かず、提案した本人は早々にリタイア。
そんな中、柘榴ちゃんは日之世君の「心を開かなければ誰も心を開いてはくれない」という言葉を思い出し、彼を専属に選ぶのでした。
しかし柘榴ちゃんの「カラーヒヨコ一家がわりのいい仕事に手を出して滅亡する話」は色々酷くて、何度読んでも笑ってしまいますw
専属に選んだものの日之世君は全く協力してくれる気がないので、柘榴ちゃんはとりあえず彼と親睦を深めるべく会話を試みます。
彼のことを理解しようと拷問器具まで使ってみますが、返ってくるのは嘲るような反応ばかり。
しまいには「感情の薄い貴女にはまともな恋なんてできない」的に馬鹿にされ、さすがにカチンときた柘榴ちゃんは貴方にだけは言われたくない。必ず恋をしてみせると宣言するのでした。
しかも相手は優しい真井さんでも久瀬君でもなく、日之世君です。
どうなることやらですね…
しかし一緒に居るうちに彼のことを徐々に好きになっていき、「傍にいて欲しい」という願いを自喰を使って叶えてしまいます。
その結果、日之世君の姿が視覚的にはいつでも近く見えるものの、実際の距離感を失ってしまいます。
結果的に両思いになれたものの、自喰の願いが招いた結果かもしれないから、一度リセットして「自分のことを嫌いになってもらおう」とするシーンではナ、ナンダッテーとなりましたw
しかし自喰は失敗。柘榴ちゃんの本当の願いは「日之世君に好きになって欲しい」だったので、嫌いになってもらう願いは叶わなかったのでした。
スイクラ様の力の元は城に集まるマリス。
日之世君は城のマリスを浄化すればスイクラ様は消えるのでは?と考えます。
マリスを消し去ることで、作られた存在であるネージュやクラン・ラズも消えてしまうのには悲しくなりましたが、協力してくれた彼らとのやりとりはホロリとくるものがありました。
日之世君は言動はアレですが、意外と柘榴ちゃんに好意的だというのが後々回想で分かるようになっているのが微笑ましい反面、難しい子だなと思いました。
回想を見る限り割と早い段階で惹かれていたのかな?とは思いますが分かり難すぎる…w
しかし柘榴ちゃんが「生に執着できるよう」彼なりの方法で尽くしてくれていたのでした。
全編通して1番恋愛している感があったルートだなと思います。
後は何と言ってもネージュですね。
プレイしていた当時、まさか日之世君の双子の妹だとは予想もできず驚き…相変わらず暴走した立ち絵は怖いのですが(笑)最終的に柘榴ちゃんに懐いていたのが可愛かったです。
古橋 旺一郎 CV:高橋 広樹さん
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最初から分かりやすく冷たいので怖い人だなぁという印象でした。
柘榴ちゃんの取り繕うような笑顔や自分の無さを見ているとイライラするようです。
しかしそれは柘榴ちゃんの「プライドが高くて1人で抱え込む割に、力不足から何もできずドツボにはまる」という性格?を見抜いた同属嫌悪から来るもので、決して嫌いな訳ではなかったのです。
進めていくと、人付き合いが苦手な不器用な人なのかな?という印象に変わります。
ホットチョコレートを作ってくれたり、ナデナデしてくれたり、優しさにホッとしました。
さて古橋さんのルートはスイートクラウンとは、この城は何なのか?根本の部分について語られるので、かなり真相に近い部分でした。
実は古橋さんは元々スイートクラウン城に住んでいた王族で、出来の良い双子の弟と比べられながら生活していました。
そんな彼を慰めたのが「匣」(はこ)に詰まったマリス達。しかしある時古橋さんを唆して匣から溢れ出し、取り憑かれた王族達を次々殺してしまいます。
古橋さんはマリスに適合したため生き残り、数世紀も生きてきたのでした。
マリスの副作用で血を好むようになり、王として赤いドレスの女王様のように振る舞っていた時期もあったようですね。
しかしその時に生き残ったもう1人、古橋さんの双子の弟がスイクラ様だったというのが驚きでした。
ケイファさん達スイクラ様のオフレンダは、「万一柘榴ちゃんが古橋さんを選ぶことがあれば、方法は問わないから徹底的に痛めつけろ」と指示を受けており、実行に移してきます。
劇と称して操られたオフレンダ達が色々仕掛けてくるので、劇を終わらせる術を探すなか、最終的に古橋さんが柘榴ちゃんの中のスイクラ様(ロッサ)と対話することに成功し、本音を聞くことができました。
ロッサも可哀想な人でしたね・・
人を楽しませようと城から出たのに、気付いたら周りの人間を全て菓子にしてしまい、更にそれらを美味しそうと感じてしまった絶望感、孤独感。
全てを滅茶苦茶にした古橋さんを憎んでいたのは確かですが、同時に孤独を分かち合えるただ1人として、生きていてくれたことを嬉しくも思っていました。
ロッサの本当の想いを知った柘榴ちゃんは彼を受け入れ、完全に1つになることでロッサは孤独から解放されました。
柘榴ちゃんがスイートクラウンとして覚醒することもなく、なぜか不完全な状態で城も残り、後日皆がまた城で再会するという大団円的終わりが良かったですね。
ラストの古橋さんの語りが、プロローグのロッサの語りと真逆の意味合いになっておりグッと来ました…!
古橋さんとの恋愛面は、まだまだスタート地点といった感じで微笑ましかったです。
ケイファさんとガートさん、クランやラズの背景も分かり、愛着が沸きましたね。
反面歪愛エンドは容赦なさすぎてぐああ…(胃痛)となりました。
柘榴ちゃんが自分と同じ姿の菓子人形を作り、毎日餌として古橋さんに与え続ける辺りの描写が1番辛かったです…
それらを古橋さんが強い意思で食べていなかったというのもまた。
真相ルート
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真相ルートは真井さんのお話です。
同じ懐中時計を持っていたこと、話しているとなぜか落ち着くこと。
ダメだと思いつつどうしても真井さんと弟を重ねてしまう柘榴ちゃん。
スイクラ様からも唆され、「もしかしたら弟では・・?」という思いはどんどん膨らみます。
真井さんが記憶喪失であること、5年前に森で倒れていたこと、更に懐中時計に刻まれていた弟「知也」の名前で、やがてその思いは確信に変わります。
真井さんはやや強引な理由づけに戸惑いつつも、柘榴ちゃんの欲が満たされるなら…と城にいる間だけでも弟でいてくれることになります。
ですが、「柘榴ちゃんが好きだ」という気持ちが芽生え始めていた真井さんに、兄妹になれというのは残酷な仕打ちでした。
「知己」のままでは弟でないことに失望され、「知也」として生きても恋愛的に受け入れてもらえない。
どちらにせよ受け入れてもらえないという絶望感が半端なかったです・・
しかし柘榴ちゃんは周りからの「本当は弟ではないのでは?」という指摘は受け入れたくなくて、自喰で「私のことを思い出してほしい」と願ってしまいます。
その効果で真井さんは記憶を取り戻し始めますが、徐々に知也が持つ狂気に悩まされるようになります。
・・実際のところ真井さんの正体は弟の知也で間違いありませんでした。
知也は柘榴ちゃんを1人の女性として愛しており、昔スイクラ様にクッキーにされて食べられたものの、柘榴ちゃんへの強すぎる愛が毒としてスイクラ様に作用し、吐き出されてしまいます。
その時森に捨てられた残りの部分が真井さんとなり、齧られた部分は知也の記憶としてスイクラ様の中に留まっていました。
スイクラ様が柘榴ちゃんに執着するのは、知也の記憶があるからだったんですね。
蝕む程の歪んだ思いとは知也恐るべしです…w
中盤は真井さんの優しさと、柘榴ちゃんの悪意のない「知也」コールがもうしんどかったですね…
唯一の救いは他のオフレンダの皆が何度も「お前はそれでいいのか?」と真井さんを気遣ってくれる点でした。
柘榴ちゃんはある時、様子がおかしい真井さんを見て、ようやく「これまで自分が真井知己を否定し続けてきたこと」に気付き、元の状態に正そうとしますが時既に遅く。
真井さんは知也として覚醒。
柘榴ちゃん以外はいらないと皆をお菓子に変えてしまうのでした。
知也が柘榴ちゃんに歪んだ愛情を向けるようになったのは、幼い頃から「自分には知也だけ」といった言葉をかけ続けたせい。
それなのに知也の気持ちは受け入れず、告白されたショックから記憶を都合良いように改竄し、思い出を綺麗なものにしていたというのが何だかもう胸糞でしたね…
柘榴ちゃんヤベェというのが正直な感想でした。
最後柘榴ちゃんから拒絶された知也は、自分の心臓を貫くことでスイートクラウンを消し去ろうとします。
…中盤以降の狂気溢れる真井さんはずっと「知也」だとばかり思っていたのですが、ここでの様子を見る限り、ずっと真井さんであり、知也でもあったのだろうなと思います。
ともあれ彼の命が尽きる間際に柘榴ちゃんのスイートクラウンとしての力が覚醒し、「真井知己が幸せになれる世界」を願いました。
結果全員が幸せな日常に戻った描写が見られますが、真井さんと柘榴ちゃんはお互いの記憶を亡くし、柘榴ちゃんが失った「何か」を探し続けるというのが真相グッドエンドでした。
前回プレイしてこのエンドを見た時、柘榴ちゃんと真井さんは幸せになれないのか…と胸にぽっかり穴が空いたような空虚な気持ちになったものですが、2回目の今回は冷静な気持ちで迎えることができました。
失礼ながら2人は出会わない方が幸せかもしれない・・とすら思ってしまいました(酷
個人的レビュー
独特の雰囲気が癖になる
最初に書いた通り、正直好みの分かれそうな作品ですが、独特の暗鬱とした雰囲気が個人的には心地良かったです。ただ合わない方にはとことん合わないかなと・・
サブキャラも魅力的かつ掘り下げも良い感じで、気付いたらハマっているような不思議な魅力があります。
プレイされた方の「スイクラ城から戻れなくなった」「オフレンダになりたい」「いっそお菓子になりたい」といったお声を定期的に耳にします(笑
長すぎず短すぎないボリューム
1キャラクター攻略するのにかかる時間は、大体3~4時間程度でした。
共通ルート終了後、密原・久瀬 or 日之世・古橋の2名ずつで更に共通ルートが分岐します。
そのため2名のどちらか片方を終えた後はスキップできる箇所が増え、更にサクサク周回が可能でした。
ボリュームたっぷりですが長すぎず、短すぎずでキャラクターの掘り下げが丁寧でした。
システム面が快適
次の選択肢へのジャンプ機能あり。
右スティックの4方向に好きな動作を割り振ることができ、システム面は超快適でした。
周回する際は設定から好感度演出(バラがキラキラッと出るやつ)をOFFにしておくと、選択肢後すぐにジャンプできるのでおすすめですよ。
病み・流血・恐怖耐性が必要
多少耐性が無いと厳しいかな?と思うような描写が多々あるので、思いつく範囲でピックアップしてみます。
病み耐性 ・・・ エンドによっては「ずっと2人だけでいられればいいよね」的な、病みまくり歪みまくりの展開を迎えるので苦手な方は要注意です。
流血描写 ・・・ 多少あります。画面に血飛沫がピピッと飛んで画面が真っ赤になることがあります。
恐怖耐性 ・・・ 狂った時のキャラの立ち絵が怖い。個人的には某サブキャラの目がめちゃくちゃ怖かったです。振り返った時にいきなりその立ち絵になっているとギョッとしますね。
総評
ストーリー : (4.5 / 5)
グラフィック : (4 / 5)
音楽 : (4 / 5)
システム : (4.5 / 5)
ボリューム : (4.5 / 5)
総合評価 : (4.3 / 5)
まとめ
最後に
プレイした当時からずっと心に残っていたスイクラ。
再プレイしたいなと思いつつ、真相エンドへのトラウマと某キャラの某立ち絵への恐怖からなかなか踏み出せなかったのですが、やはりとても面白かったです・・!
全てにおいて独特な作品ですが、病んだ雰囲気の作品が好きな方・気になっている方は是非プレイして頂きたいです。
最後に、ヤンデレ好きさんにおすすめか?と聞かれると何だか少し違うような気もしています。
個人的にはあくまで「病んだ雰囲気の作品が好きな方」におすすめかな。
本日もお付き合い下さりありがとうございました!
闇のTAKUYOさんのススメ
同じメーカーさん、TAKUYOさんの乙女ゲーム「月影の鎖」もおすすめです。
閉鎖的な島を舞台に、少しずつ取り巻く環境が悪くなる中、店を守るために懸命に生きる少女のお話。
はっきり言って鬱ゲーですが、スイクラ同様不思議と惹きつけられる、独特な雰囲気が素敵です。
ただ島民達に罵倒されまくるので、心が元気な時にプレイした方が良いです(爆
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