こんにちは、モッチです!
いつも遊びに来て下さりありがとうございます。
今日は「死神と少女」(Vita版)のフルコンプ感想を、作品紹介→共通 & 個別ルート感想→個人的レビュー→総評→まとめの順に書いていきたいと思います。
ネタバレを含む部分は、「続きを読む」ボタンでワンクッション置かせて頂きます。
それでは、本日もよろしくお願い致します。
目次
作品紹介
死神と少女、めちゃくちゃ面白かったです…!
ただどう面白かったかを言葉にしようとすると非常に難しい作品でした…(笑
個人的には驚きがあり、少しずつ謎が明らかになるストーリーに強く惹かれました。
正直うまくまとめられる自信がありませんが、感想を書いてみたいと思います。
死神と少女とは?
「死神と少女」は2011年にTAKUYOさんから発売された、PSP用女性向け恋愛ゲーム。
2019年7月25日にPSVita移植版が発売されました。
PSPからの変更点としては、グラフィックの美麗化・タッチ操作の追加・トロフィーの追加です。
私自身も「PSPだから」という理由で、何となく手をつけられずにいた作品なので、Vitaでプレイできて嬉しかったです(*´ω`)
ストーリー概要
ここではない世界のどこか遠い遠い東の国に、一人の美しい少女がおりました。
少女には作家の兄がおり、いつも新作のお話を聞かせてもらうことを楽しみにしていました。
「今度の物語は、孤独の死神を主人公にしようと思っているんだ」
兄が語った今はまだ読むことが叶わぬ物語。
それは、死神と少女が蒼色の空の下で出会い、世界で一番美しい言葉を探す旅に出るというもの。
少女は、いつかその物語が完成することを楽しみに願っていました。
そんなある日のことでした。
蒼色の空の下、時が止まったままの時計塔を見上げている少女に、一人の青年が声をかけてきたのです。
振り向く少女の眸に映るのは、薄い金の髪、そして空と同じ色をした眸。
不思議な容貌をした青年は、記憶を失っていました。
青年がただ一つ覚えていること、それは自分が『死神』であるということ——
これは、死神と少女の物語。
引用元:http://www.takuyo.co.jp/products/shinigami/
↑ 9月14日時点ではAmazonさんにてかなりお求め安い価格になっています。但し到着までに時間がかかりそうなので要注意。
タイトルから既にネタバレを含むレビューがあるので、未プレイ・これからプレイされる予定の方はレビューを見ない方が良いかと思います。
ヒロイン紹介
主人公:遠野 紗夜(CV:植田 佳奈さん)
まるで、絵本の中に出てくるお姫様のように美しい少女。
同世代と比べると大分落ち着いており思慮深いが、内面は感情派である。
現在は兄と2人で暮らしており、兄妹仲は良すぎると言っても過言ではないほど。
蒼が現れてから、次々と起こる不思議な出来事に巻き込まれていく。
引用元:http://www.takuyo.co.jp/products/shinigami/
屋敷を出て兄と2人で暮らしをする大人びた少女。
一応ボイス有りですが、フルボイスではなく序章やラスト付近など一部に限られます。
周りから容姿を褒められる描写が非常に多いですが、お姫様のように美しいという設定なので納得でした。
攻略キャラクターとおすすめ攻略順
公式スタッフブログさんのおすすめ通り、以下の順を推奨します。
1 日生光
2 桐島七葵
3 遠野十夜
4 蒼
本作は章構成で、一本の共通ルートがあり、条件を満たすことで4章以降にキャラルートと共通ルートが分岐します。
イメージ的には、シュタインズゲートや古書店街の橋姫の分岐方法が近いかなと感じました。
ネタバレになるので詳しくは語りませんが、実際にプレイしてみて私は、絶対上記攻略順通りに攻略された方が良いと感じました。
日生 光 |
CV:鈴木 達央さん |
桐島 七葵 |
CV:千葉 進歩さん |
遠野 十夜 |
CV:川島 得愛さん |
蒼 |
CV:神奈 延年さん |
共通ルート感想 (ネタバレON/OFFボタンあり)
共通ルートをプレイして思ったことや、感想などを書き綴っていきます。
一章
続きを読む
時計塔の前で「高校2年生の1年分のみ記憶を失った」太宰ともゑという女性と出会います。
紗夜ちゃんに親しげに接するともゑですが、徐々に記憶を取り戻し、時々不安定な様子を見せる。
深追いするかしないかを選べますが、千代からも頼まれ、彼女の過去を調べることに。
卒業アルバムをきっかけに、司書から明らかになるともゑの過去。
彼女は高校2年の時、担任の教師と恋人関係にありましたが、教師には婚約者があり、周囲からも反対され、駆け落ちしようとしていたことが分かります。
しかし約束の時間、約束の時計塔に彼は現れず、ともゑは自殺を図り、記憶喪失になったでした。
ともゑは教師に裏切られたのだと思い込み、紗夜を婚約者と重ね憎悪から刺そうしますが、本当は教師は約束を守ろうとしており、約束の場所に向かう途中事故に遭い、亡くなっていたのだと判ります。
彼は愛してくれていたけれど自分は彼の愛を信じきれなかった。
辛い事実に耐えきれず「記憶を取り戻さなければ良かった」と叫ぶ、ともゑの姿を見るのは辛いものがありました。
「籠の鳥」の童話はともゑと教師の境遇とマッチしており、続きはどうであったのか気になります。
真実を知ったともゑは嘆き悲しみましたが、外へ出た鳥も出なければ良かったと思ったのかな?
それにしても、婚約者がいたのだと分かった瞬間、ともゑに対する同情を一切捨て、嫌悪感をむき出しにする紗夜には驚きました。
自分の望んだような美しい話ではなかったので手のひらを返したのか…?と思ってしまいましたが、後に紗夜の過去のトラウマが関係していることが分かります。
もう一つ気になるのが、ともゑを愛しているらしいともゑ姉の存在。
本当は姉なんていなかったと最後に爆弾を落とされ、一体誰だったんだ…と謎が残りました。
彼女については、後に結末2を読むことで正体が分かるようになっています。
復讐なのか、本当に愛してしまったのか、予想するしかありませんが、私は後者かな?と思います。復讐を考える内に歪んだ愛情が芽生えたのかなと。
まだ終わっていなかった物語は思わぬ方向へ進んだんだなと、不思議な気持ちになりました。
二章
続きを読む
ある日「ユメミルセカイ」という本の作者を探す青年「ルイス」と出会います。
ルイスは浮世離れした外見で、自分のことを「ユメミルセカイ」の世界から飛び出してきた主人公だと主張します。
物語の結末を変えてもらうために作者に会いたいとのことですが、いよいよ現実離れしてきました。
そして紗夜の兄である十矢を探すことになるのですが、なかなか見つからず、タイムリミットである18時が近づいてきます。
その間誰1人として「結末をどう変えたいのか?」に触れないし、茶番だと思いながらも付き合うので、何とも不思議な気分で物語を読み進めていました。
結局ルイスは物語から飛び出してきた主人公などではなく「ルイスになりたかった男」でした。
特別な存在、他に変えのきかない「主人公」になりたかった彼の気持ちを紗夜は理解できず、
「人は誰しも自分の物語の主人公」「自分の物語が面白くないのは自分の責任」といった言葉を口にするのですが、本物の主人公から言われるのは何とも皮肉ですね…w
私が読んだ二章で、ルイスになろうと行動した貴方は間違いなく主人公だったよ!と言ってあげたい。
結末を変えられたら自分の人生も変えられるかもしれない…と願をかけていたルイスは、目標を達成できなかったことで、再び日常へと帰って行きます。
最後に本の中のルイスと、友人の猟師の話が語られますが、猟師から見たルイスは物語の主人公。
主人公ルイスを羨ましいと思いながらも、現実を捨てられなかった猟師は、三章のルイスになりたかった男と同じだなと思いました。
三章
続きを読む
日生先輩・桐島先輩・夏帆と4人で弁当を食べていた時のこと。
桐島先輩と夏帆がお互いの弁当のどちらが素晴らしいかで言い争いを始め、なぜか皆で手作り弁当を食べ比べようという話になります。
料理がからっきしの紗夜まで巻き込まれたのは、完全に日生先輩の陰謀なのですが、果たして彼は紗夜をどう思っているのか大変気になりますw
千代と蒼にも協力してもらい、弁当の内容作りに励みます。
三章に童話は無いのかな?と思っていたら、ニャンコ達が料理をするえらく可愛らしい内容で、これを本当にお兄さんが書いたのか…!?となりました(笑
童話の内容を要約すると、悲しそうな黒ニャンコのために白ニャンコがテリヤキを作り、最後は一緒に食べることで仲直り、幸せな気持ちになりました。
…でも何で黒ニャンコは悲しそうだったんだろう?
これからも悲しい時はテリヤキを作れば大丈夫だよね!という内容でした。
明るいですが、根本が全く解決していない辺りに闇を感じます…w
この章ではクラスメイトの夏目に焦点が当たりますが、紗夜を嫌う理由が思った以上に根深くドロドロしたもので辛い気持ちになりました。
夏目と猫の着ぐるみヴィルヘルム、紗夜と夏帆。
三章は「友達」がテーマなのかなと思いました。
最後にヴィルヘルム視点での物語が語られるのですが、めちゃくちゃいい子でもう涙腺崩壊しました。・(ノД`)・。
紗夜視点だと親の話なのに責められて可哀想…と思ってしまいましたが、夏目・ヴィルヘルム視点だと全然違って見えるなと。
視点によって感じ方が全く異なるのは物語ならではだな、と思いました。
ヴィルヘルムに責められる紗夜を夏帆が庇うシーンでは、いい子だな…ブワッ( ;∀;)となりました。
四章
続きを読む
四章はいきなり日生先輩のあれこれから話が始まるので、先に攻略しておいて良かった…と思いました。
共通も個別ルートと同じ話を辿るとは思わなかったので、むしろ先に攻略必須レベルだなと私は感じました。
ある日、桐島先輩・紗夜・千代の前に本物の日生先輩が現れ、偽物が偽物である証拠を掴むための協力を頼まれます。
翌日から偽日生先輩の監視を始めるのですが…本物だと思っていたものと、偽物とを見分ける術などなく、調査は難航するのでした。
それにしても十夜の新作の話には驚きました。嘘つきな盗賊と高い塔の姫のお話。
まんま日生先輩ルートのお話ですが、蒼から感想を聞けるのが面白かったです。
十夜は何者なんだ…この世界は全て十夜が紗夜のために書いたお話なのかな?と思ってしまいますね。
結局、紗夜達と接触してきた本物の日生先輩=偽日生先輩だったことが分かり、つまり四章で登場した日生先輩は1人だったのですが、何故偽物(自分)がいるという事実を伝えたのか、この時は謎でした。
でも最後に仕事仲間の口から語られた過去を思うに、「紗夜を愛していたから」が答えかな?と思います。
「君は魔法にかかっているお姫様だ。僕はその解除の方法を知ってる」
「だけど、お姫様、その言葉は君を壊してしまうかもしれない」
「言葉に気をつけて。僕のように全ての言葉が真実かどうか分からない」
「嘘吐きはすぐ傍にいる」
偽日生先輩は、今後もとんでもない鍵を残していってくれることになるのですが、全て分かった上で紗夜を愛していた愛情の大きさにグッと来るものがあります。
五章
続きを読む
兄の十夜や蒼と過ごしながら、桐島先輩・千代ルートの話を辿る5章。
十夜は自分のことを紗夜のものだと言いますが、紗夜にとってはそうではないのだと言います。
これまで他の人のルートに入ると十夜が出てこなくなったことと関係あるのでしょうか?
何となく十夜と蒼の意味深な台詞が増えてきて、予想したり想像したりと頭の中が忙しいです/(^o^)\(笑
桐島先輩ルートとは逆で、ある日紗夜は千代の姿を見えなくなってしまいます。
日生先輩、千代…と自分の前から知人が消えていき、夏帆も自分だけの存在ではないと気付いた時、近くにあったガラスが割れ、紗夜は倒れてしまいます。
この時過去の母親とのやりとりが霞めた辺り、きっと自分の側から人が去ることにトラウマがあるんですね(´・ω・)
目が冷めた時、再び千代の姿が見えるようになっていましたが、彼はもう消える寸前でした。
最後に2人で街を歩きながら、お互いの幸せを願いあい、物語が終了します。
終わりとは何なのか?という紗夜の問いに対する「何もないこと」という蒼の答えがどこか寂しい終わり方でした。
紗夜にいずれ訪れる「終わり」と向き合うための章だったのかなと思います。
六章
続きを読む
紗夜が学校に来なくなってから1週間。
皆漠然とした不安を抱いていました。
桐島先輩はなぜ紗夜が「消える」ことに恐怖を抱いているのか疑問に思っていました。
でも蒼は「消える」のではなく、「終わる」のが怖いのだと指摘します。
死神=終わり
紗夜が終わりを恐れるから個別ルートに入ると蒼が出てこなくなったのかな?
そして全ての根底にある紗夜の過去編が始まります。童話は白雪姫。
紗夜の父と、その妻白雪のお話。
結婚するまでは幸せだったものの、結婚した途端家に寄り付かない仕事人間になった父。
そこにある日赤ん坊(紗夜)を抱いた美しい女性椿姫が現れ、この赤ん坊は自分と父の子供だと暴露します。
父は白雪に冷たくしながらも外では愛人を作っていたのです。最低ですね(´・ω・)
椿姫は財産と引き換えに紗夜を置いて去りますが、残された紗夜を白雪は大層可愛がりました。
しかし歳を重ねるごとに美しくなる紗夜と、美しくない自分。
紗夜を愛している白雪ですが、心の奥底では段々と黒い感情に苛まれていきました。
パーティで人が言う台詞とボイスが真逆の演出がリアルでゾッとしました。
白雪はいつしか紗夜を避けるようになり、覗き込んだ鏡に映った自身の醜い姿に耐えきれず、割れた破片で自ら命を絶ってしまったのでした。
紗夜は母親がいなくなったのは自分のせいで、自分こそ悪い魔女だったのだと語ります。
記憶の中で小さな紗夜と語る相手は、十夜でした。
十夜は紗夜が生み出した存在なのかな?
1つ明らかなのは紗夜に兄はいないという点でした。
個別ルート感想 (ネタバレON/OFFボタンあり)
日生 光 CV:鈴木 達央さん
続きを読む
入学当時、困っていた紗夜を助けて以来、何かと気にかけてくれる先輩。
フランクだけどどこか壁がある。
第一印象でチャラチャラした方なのかな?と思っていたので、一見好意的に見えて冷たくも見えるようなギャップに驚きました。
何を考えているのか分からなくてドキドキしましたね。
それでも口では紗夜のことが好きだというので、何だか不思議な印象でした。
四章に入ると、先輩から告白されます。
先輩は、父親から縁談を言い渡された紗夜ちゃんの姿を見ていて、逃げようか?と声をかけてくれます。この時は未遂に終わりますが、後日告白に応えると日生先輩のルートへ。
先輩の両親は既に他界しており、厳格な祖母と2人暮らし。
対応する童話はラプンツェル。祖母にバレないよう秘密の逢瀬を繰り返します。
付き合い始めたことを昼食のメンバーに報告する場面では、日生先輩本当に性格悪いなぁと…w
塩クッキー食べさせられて、夏帆に淡々と復讐するところとかヒェッとなりました(笑
この時はそういうところ好きだなぁ・・位にぼんやり思っていたのですが、ここで先輩がなぜ怒ったのかは後の四章の伏線だったなぁと思います。(味覚障害だとバレるから)
紗夜が日生先輩のことを好きになったタイミングは、自身の出自を知りながら認めてくれた時?
急に先輩を好きになった…というより依存し始めて驚きました。
あんなに蒼にべったりだったのに、先輩を好きになった途端、眼中から消えたことにも恐怖。
実は紗夜ちゃんに来ていた縁談の相手は、日生先輩だったことも分かり、表向きは両家の関係も良好にお付き合いは順調に進みますが、どことなく幸せな未来が見えません。
不穏な気配はあったものの、信じていたものが足元から崩れ落ちる、後半の展開は「な、なんだってー!」と言いたくなるような内容で、どう反応して良いのか非常に悩みました(
紗夜が一緒に過ごしてきた日生先輩は「偽物」で、本物の「日生光」とは2度しか会ったことがないというのです。
1度目は父親と縁談の話をした喫茶店、2度目は祖母と話をした日にすれ違った男。
本物の日生光が帰ってきたのはごく最近。
気付いたら自分の場所は知らない他人に奪われていて、誰も自分に気付かない状況に絶望しながら、存在を隠すようにひっそりと生活してきました。
すぐに真実を告げても良かったのですが、偽物とを本物とを見分ける術がなく、もし自分が選ばれなかったらと思うと耐えられない…。
そのため証拠を探していたんですね。
ちょうどこの辺りをプレイしていて外出の時間を迎えたので「どどどどうなるの(´・ω・`)」と1日考えました(笑
偽物の日生先輩は、本物から奪った財産を手に港にいました。
これまでのことは全て嘘で、紗夜に近づいたのも「遠野」を手に入れるためだったのだと語ります。
それでも紗夜は「本物の王子様じゃなくてもいい」と偽物の日生先輩を選びます。
お姫様を助け出した王子のように、実際には嘘つきの男と逃げた少女ですが、物語を続けることを決めたのです。
最初は何ともハッピーエンドとは言い難い終わりに見えたのですが、嘘を受け入れて尚も愛してくれる人、全てを知っていても受け入れてくれる人同士、幸せなら嘘でも良いじゃない!と前向きに考えました(笑
偽物だったから三章のルイスのこともすぐに見抜けたのかな?とか色々考えてしまいます。
それにしてもすごい展開で一気に惹きこまれました…恐るべし日生先輩。
↑個人的に日生先輩の真顔の立ち絵がとても好きです。
ちょくちょく登場する女性の正体が気になったのですが、後に進めた共通四章で明らかになりました。まさか男性だったとは思いませんでしたが、彼も良いキャラでした。
桐島 七葵 CV:千葉 進歩さん
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THE真面目といった感じの桐島先輩と、緩い幽霊千代との息のあったやりとりは、見ていて微笑ましいです。
桐島先輩の紗夜に対する評価が「気が強い・プライド高い・強情」とか意外と手厳しくて笑ってしまいましたw
大体合っていますし、これらが実は褒め言葉というのもまた不器用で…(*´ω`)笑
ある時、千代と喧嘩したことをきっかけに、これまで見えていた幻想が、一切見えなくなってしまった桐島先輩。
千代は1人ぼっちになるのが辛くて大層悲しみますが、先輩には伝わらないのが何とも切なかったです(´・ω・)
そんな2人を紗夜が懸命に繋げようとします。
しかしそもそも2人が喧嘩したのは、紗夜が原因でした。
初めて会った時から紗夜に惹かれていた千代。
しかし2人は生きている人間と幽霊。人前で話しかけては紗夜の迷惑になると、度々先輩に窘められていました。
そしていつしか千代は、桐島先輩も紗夜に惹かれていることに気付きます。
再度窘められた際、千代は嫉妬心から「七葵君はいいよね!」と暴言を吐いてしまいます。
見えない存在と話をする紗夜を見て周りがどう思うか、彼女のためを思うなら近づき過ぎるな、と先輩はどこまでも正しいのですが、千代には残酷な言葉ですね(´・ω・`)
それ以来桐島先輩は千代が見えなくなってしまったのですが、見えないのが正しい在り方だと言い切ったことで見えなくなったのかな?と思いました。
3人で出会った場所、思い出の場所を巡り、最後に秋桜の咲く丘で、自分の正体を思い出した千代は消えてしまいます。
千代の正体は秋桜(コスモス)の花が人の形をとったもの。秋の桜だからこそ、絶対目にすることのない春の桜に焦がれていました。
最後に紗夜ちゃんに言った、「貴方は俺にとって春の桜だった」という台詞が綺麗でブワッ(´;ω;`)と涙がこみあげました。
恋愛部分は最後にちょこっと、駆け足ですが千代が2人をいつまでも見守っていてくれてるんだな、と分かる良い終わり方でしたね。
選択肢によって桐島先輩or千代エンドに分岐します。
千代エンドの方では、紗夜と千代の恋愛が描かれるほか、桐島先輩が千代のことを大切に思っていたことを語ってくれます。
千代の優しさと親しみがこもった「七葵君」の言い方がとても好きでした…
遠野 十夜 CV:川島 得愛さん
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六章から「黒の章」へ分岐すると十夜のルートへ。
時々兄妹?と言いたくなる程、距離の近い2人です(笑
千代が消えてしまって以降、学校を休んでいた紗夜が戻ってきました。
喜ぶ皆とのやりとりが微笑ましいですが、どことなく違和感を覚えます。
何かが終わりそうな気配を感じますが、その度に十夜が紗夜を引き戻します。
紗夜が幻想を見るようになって以降は、どこまでが夢で現実なのか境目が難しかったです。
徐々に紗夜の体調が悪くなり、実家に連れ戻されそうになり、居場所も無くなります。
十夜と2人で旅に出ることになった時には、もう紗夜の死期は近付いていました。
実は十夜は紗夜が生み出した存在で、紗夜のためだけに存在する幻想でした。
幼い頃、死神と少女を読んでいた紗夜は、死の間際に1人の死神と出会います。
その死神と紗夜は本と同じ問答をし、死神は美しい言葉を見つけるまでの間、紗夜の時間を止める幻想をかけます。
そして少女と死神が旅をした国が十であったことにちなんで、死神に「十夜」と名付けたのでした。
紗夜と接する内に人間らしくなり、「死神のお兄さん」と呼ばれ続けたことで、いつしか本当の兄になっていた十夜。
紗夜のためだけに存在し、彼女の想いが他の人に向けば消える存在であるにも関わらず、ただ紗夜の望むことだけをし続ける覚悟と献身がもう、愛情深すぎておおお(´;ω;`)となりました。
最後紗夜は十夜を選び、命の終わりを迎えますが、エンディングでは2人で幸せに過ごす様子が見られます。
紗夜が死後、幻想になることで結ばれたのかな?等々、正直私の頭が限界でしたが、2人の愛の深さはよく伝わりました。
最後の桐島先輩の語りまで息を呑んで見守りました。
最後の取ってつけたようなハッピーエンドだけは気になりましたがw
蒼のいう「死神と少女」の結末が恐らくこうだったのかなと予想しますε-(´∀`; )
途中夏帆との友情にホロリと来ました。本当に良い友達ですね(´;ω;`)
蒼 CV:神奈 延年さん
続きを読む
黒の章での蒼の言動の意味が分からないの極みだったので、若干不安になりながら「蒼の章」を開始しました(笑
日生先輩の残した本がきっかけで全てを思い出した紗夜は、十夜を失わないために蒼を避けるようになります。
それは蒼が好きだと認めてしまえば、十夜が消えてしまうからでした。
十夜は自分ではなく、紗夜が蒼を求めていることに気付いていて、蒼に紗夜を救って欲しいと頼みます。
蒼は死神になりたい普通の少年でした。
そんな彼に魔法使いが語った願いを叶える方法、それは「本物の死神を殺せば死神に成りかわることができる」というものでした。
しかし普通の方法では死神を殺せません。
考えつつも、死神を探す蒼。
本編が始まる少し前の話。
ある時東の国を訪れた蒼は、偶然紗夜と十夜の姿を目にし、十夜が死神であることを一目で見抜きます。
そして紗夜の幻想であることも。
そして十夜を殺すには、幻想の元=紗夜を殺せばいいのだと考えます。
十夜は幻想であるため、蒼を殺すことはできませんでしたが、紗夜を守るために蒼から記憶を奪い去りました。
全てを知った紗夜は悩み抜いた末に、蒼を愛しているのだと十夜に伝えます。
十夜の存在を否定し、消滅させることで自分にかけられた幻想を解くシーンは辛かったですね(´;ω;`)
全てを受け入れている十夜と、紗夜の泣く声でこちらまで悲しくなりました。
最後に愛の言葉を伝え、蒼が自分には何もないわけではなかったのだと気付くシーンが良かったですね。
蒼のルートは死神から人間に。
十夜のルートとは正反対だなと感じました。
幻想に生き幻想に死ぬか、幻想を壊し現実を生きるか、どちらも美しい終わり方だと感じますが、個人的には十夜ルートの終わり方が幻想物語感があって好きです。
ラストは「紗夜の死で蒼は人間になった」という終わりで良かった気がして、最後はやはりご都合主義のように見えてしまいましたが、この後解放されるあとがきを読んで色々納得でした。
あとがき
続きを読む
臥待さんから語られる真実。
何となく予想できますが、作家「遠野十夜」の正体は臥待さんでした。
そもそも「死神と少女」は紗夜をモデルに臥待さんが執筆し、読んで聞かせた作品。
紗夜は幼い頃、大好きな作品「死神と少女」の少女を自分と重ねていました。
そして死に瀕した際、幻想から死神を作り出し約束をします。
「美しい言葉を見つけるまで命を奪わない」という死神の言葉は「生きたい」という紗夜自身への暗示でした。
更に臥待さんは紗夜の心を壊さないために「遠野十夜」という作家になり、彼を実在の存在にします。
そして臥待さんは実在する蒼に、紗夜の持つ十夜という幻想を壊し、彼女にとっての本当の死神になって欲しかったのだと語ります。
どちらにせよ死神になりたい蒼には「少女」が必要で、紗夜には「死神」が必要だったので、2人の出会いは必然だったんですね。
やり方はなかなか強引ですが、どんな結末でも紗夜に幸せになって欲しかったんですね。
それにしても桐島先輩が最初から最後まで読み手だったというのが驚きでした。
だから桐島先輩の五章には対応する童話がなかった(イレギュラーな存在だから)のかなとか、後から考えると色々納得ですが、私達と同じ存在だったと考えていいのかな。
放っておけなくてあちら側に行ってしまったのかなと。
そういえば自分が小さい頃に、物語の中に自分のキャラクターを登場させて、本来の登場人物と仲良くなったり、助けようとしたIFストーリーを頭の中で思い描いたなと懐かしくなりましたw 今思うと黒歴史…w
先輩が最後にまとめてくれますが、本作の内容は「孤独な死神と孤独な少女が出会い、幸せな終わりを迎える美しい幻想物語」これに尽きますね。
余談ですが、「美しい幻想物語、主人公はお前だ」という言葉から察するに、タイトル画面からスタートした時、語りかけてくる人物は桐島先輩なのかな、と思いました。
個人的レビュー
死神と少女の良いところ
小説的で幻想的なストーリー
良いところに書きましたが、ストーリーはかなり好みが分かれると思います。
1章から3章までは短編小説のような物語が続き、恋愛要素は皆無です。
しかも1・2章はどことなくモヤモヤが残る内容な上、長いためダレる方はダレるかもしれません。
しかし4章からは本格的に各キャラクターの背景に迫っていく話になり、3章までの内容もリンクして格段に面白くなりました。
考察が好きな方には超おすすめです。
音楽が良い
場面にあった曲の数々が素敵でした。
タイトル画面の「死神と少女」やそのアレンジ曲がお気に入りです。
美しくも切ないピアノ曲のメロディに、何度も涙腺崩壊しました( ;∀;)
システム面が快適
次の選択肢へのジャンプがあり大変快適でした。しかし最後まで早送りの方法が分からなかったw
設定画面からタッチパネルや右スティック(4方向)に好きな操作を設定することが可能です。
TAKUYOさんゲーは快適ですね。
死神と少女の悪いところ
恋愛要素は薄め
恋愛を描いた話ではあるのですが、一般的な乙女ゲームのように「恋愛過程を経て結ばれる」といった描写はそこまでありません。
幸せなエンドを目指すことは間違いないのですが、個人的には精神面で支え合うような印象でした。
兄と紗夜の近すぎる関係
兄である十夜と紗夜の、恋人のような触れ合い方は確実に好みが分かれるかなと思います。
共通ルートというより話の冒頭からMAXなので、かくいう私も最初はoh..となったのですが、最後までプレイすると見方も変わってくるかなと思うので、是非プレイして頂きたいです…!
総評
ストーリー : (4.5 / 5)
グラフィック : (4.5 / 5)
音楽 : (4.5 / 5)
システム : (5 / 5)
ボリューム : (4 / 5)
総合評価 : (4.5 / 5)
一通り終えた後、乙女ゲームをプレイしていたというより、大作小説を読みきったような気持ちで一杯でしたが大満足です!
おすすめポイントを語りたいのに、語れるポイントがあまりにも少ない!(驚愕
購入を迷われている方は是非実際にプレイして頂きたいです。そして終わった後、ここはどういうことだったんだ・・と悩みながら考察沼へダイブして頂きたい(鬼畜
まとめ
ストーリー重視の方におすすめしたい
基本的には切なく、どこか考えさせられるストーリー。
一見関わりがないように見えて、後のストーリーにしっかり関わってきます。
甘い恋愛に癒されたいという方には間違いなく向きません。
ストーリー重視な方に是非おすすめしたい作品でした。
最後に
とても一言では語りつくせない物語ですが、面白かった?と聞かれたら、間違いなく「面白かった!(人は選びそうだけど)」と答えられる作品です。
実際クリアしても頭の中をぐるぐる回っています(笑
全て分かった上でもう一周プレイしてみると、また違った発見があって楽しめるのではないかな?と思いました。
とりとめのない感想ですが、また一つ深く印象に残る作品に出会えたことを感謝しつつ、本日もお付き合い下さりありがとうございました!
シナリオ重視の方におすすめの作品
死神と少女が楽しかった!という方には、同じシナリオライターさん(藤文さん)がシナリオを担当されている作品『大正×対称アリス』も超おすすめです。
こちらも謎めいた世界観で徐々に真相が明らかになる作品です。全て分かった時、そうだったのか・・!となること間違いなしですが、ヒロインが超個性的な点は好みが分かれそうですね。
『軍靴をはいた猫』も最近Vitaに移植されました。
人類が滅びた後、人間が神として崇められている世界を舞台に猫達が繰り広げるお話で、こちらも真相が気になる系です。
↓ネタバレを伏せた感想を書いておりますので、宜しければ参考にして頂ければ幸いです。
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