こんにちは、モッチです!
『OU』をプレイした感想を、作品紹介 → 個人的レビュー → ざっくり感想 → 総評 → まとめの順に書いて行きたいと思います。
・ネタバレを含む部分は、「続きを読む」ボタンでワンクッション置かせて頂きます。
それでは、本日もよろしくお願い致します。
作品紹介
『OU』とは?
『OU』は、2023年8月31日にG-MODEから発売されたNintendoSwitch向けアドベンチャーゲーム「の形をした何か」。
ダウンロード専売タイトルで、絵本のような独特のグラフィックに惹かれて発売を楽しみにしていた作品でした。
干上がった川辺で目を覚ました記憶喪失の少年「OU」は、尻尾に火が灯る不思議なオポッサム(ネズミのような生き物)「サリー」に導かれ、自らのルーツを辿る旅へ。
クリア時間は5~6時間ほど。謎めいたストーリーと独特の世界観が魅力的で、グッと惹きつけられた作品でした。
是非ネタバレを入れずにプレイして頂きたい作品です。
G-MODEは携帯向けゲームやダウンロードソフトを多く開発してきた会社さんだね!
ガラケー時代は『フライハイトクラウディア』『mystia』シリーズとか好きだったなー!
絵本の中のような世界を探索する横スクロール型アドベンチャー
マップではOU少年を操作して探索が楽しめます。
カバンには「ふせん」が入っており、気になるものに貼りつけて説明文を表示したり、投げて仕掛けを発動させたりすることが可能。
1つ1つのマップは短いものの、隠されたメッセージを探したり、ちょっとした会話を楽しんだりと、細かなイベントを見つけるのが面白い。ちなみに基本的に一本道なので迷うことなく進められます。
雪の降り積もる図書館、乾いた街など、どこか幻想的で退廃的マップを次々に移動していくことになりますが、絶対的なルールとしてマップからマップを移動する際は必ず「水に飛び込む」ことになります。
そのため水がないマップではちょっとしたギミックを解いて水を出現させ、先に進めるようにするなど工夫を求められる場面もありました。
行ったり来たりすることや、ちょっとした謎解き要素もありますが、攻略に頼らずクリアできる易しい難易度かなと思います。
それにしても砂漠にいたかと思えば海辺へ、農村らしき場所にいたかと思えば湿っぽい倉庫へと……登場するマップは次々に姿を変え、あまりにも統一感がありません。一体この世界はどういう場所なんだろうと好奇心をくすぐられます。
ノスタルジックを感じさせるギターのBGMがとてもいい雰囲気で、じっくり聴き入ってしまう素敵な魅力にあふれていました。
「大分むぎ焼酎 二階堂」のCMソングみたいな哀愁漂う雰囲気がいいよね!
誰にも伝わらないたとえやめて!
個人的レビュー
グラフィックが美しすぎる。手描き風の温かみのあるいタッチはもはや動くアート……
ゲームというよりは文学作品に近い雰囲気。そして「ストーリーが面白い」「ゲーム性が素晴らしい」というより、自分の中の視野が1つ広がりそうな深みのある作品でした。
ゲームの感想なのになんじゃそりゃと思われるかもしれませんが、クリアしたあと1冊の本を読み終えた後のような気分になったんですよね……
ストーリーは基本穏やかに進みますが、「サウダージゴースト」と呼ばれる化け物に追われてちょっとドキドキする場面も。
怖い描写は全くないのですが、虫が苦手な方はちょっとキツイかも?と思うような場面もちょこちょこありました。
哲学的な言い回しと摩訶不思議な世界観に、若干「?」となりながらも雰囲気の良さに癒されます。そして進めれば進めるほど謎が増していく……
美しい背景と音楽、先の読めない展開へのワクワク感が「先を進めたい!」という原動力をかきたててくれる作品でした。
ストーリー概要
「なにかと だれかの あいだで。」
あなたは主人公「OU」として、ゲームの形をした「何か」を体験する。
どこか遠い日々に見た、おぼろげな景色のような世界・ウクロニア。
干上がった河原で、記憶を失くした状態で目覚めた少年「OU」。
尻尾に火をつけたオポッサム「サリー」に誘われ、自身の物語を追う旅に出かける。
彼を追う「サウダージゴースト」。
主人公と瓜二つの「ジェミニ」。
悲劇に誘う「泣き女」。
様々な存在と出会いながら、物語とその結末は変化していく。
懐かしい児童書の挿絵のような柔らかなペンで描かれた世界。
どこか郷愁感のある、ギターをはじめとした楽器の演奏による音楽。
そこで展開するのは「だれかのための物語」
ミヒャエル・エンデ作品のように現実との接点を持ち、アドベンチャーゲームの形をした「何か」。
「OU」はゲームに対する一つの挑戦でもあります。
引用元:https://store-jp.nintendo.com/list/software/70010000066765.html
作品情報 | |
---|---|
タイトル: | OU |
プラットフォーム: | Nintendo Switch、Steam |
Nintendo Switch: | https://store-jp.nintendo.com/list/software/70010000066765.html |
Steam: | https://store.steampowered.com/app/1633430/OU/ |
IARC: | 3歳以上対象 |
価格: | 2,400円 |
クリア感想 (ネタバレON/OFFボタンあり)
ネタバレを含むので、これからプレイされる予定の方はご注意下さい。
続きを読む
前情報を全く調べずプレイした本作。まず驚いたのが「周回プレイ前提」の作品であったことです。
1周目・2周目を乗り越えた後の3周目で全ての真実が明らかになる仕組みになっています。
1周目はひたすら雰囲気や音楽に感動しながら進められます。しかし何度も移動を繰り返すと、どれだけ素晴らしいものでもやはり飽きがきてしまう……
しかも核心に迫るような内容がなかなか明らかにならないため、「??」ばかりが積み重なり、だんだん音楽と風景だけでは厳しくなってくる……そして迎えるエンディングも幸せとは程遠いもので「んん?」となります。
2周目が始まった時は正直「マジか……」と思ってしまったのも事実。
この時には再び始まるマップ移動が若干面倒くさいものと化していました。本当に申し訳ありません。
しかし若干の単調さを乗り越えてでも先が知りたくなる不思議な魅力があるんですよね……
1周目は宝物のような世界を壊して回る驚きを、2周目はOU少年の秘められた過去が明らかになるのではという期待を、3周目は驚愕の真実を得られます。
結論から言うと、ウクロニアは作品を読んだ人の記憶や印象が集まる実体を持たない世界で、物語の数だけ存在する……というテーマがすごく好きでした。
本作はウクロニアに迷い込んだ「私」がウクロニアのことを知る物語かなぁと解釈。
だから登場する場面がバラバラなのかぁとか、人々の記憶や印象が薄れたら消えてしまう=サウダージに食われるとか、知るとなるほどなと思えることが満載でした。
OUにはジェミニという姉がいて、繋がりや境遇を予想しつつ、あれこれドラマチックな物語が展開されるのでは!?みたいな妄想を繰り広げたのはきっと私だけじゃないはず。もしやこれも「OU」という作品と読み手(私)が作り出した印象で、ウクロニアにあるのでは…!?(1ミリも伝わらない感想
たとえば他の話を読んでいる時に「このお話のウクロニアはどんな感じかな」と、ふとした瞬間に思い出しそうな素敵な話でした。
どんなゲームですか?と聞かれたら、思わず「概念です」と答えてしまいたくなる本作。好きです。
「なにかと だれかの あいだで」今日もウクロニアは存在するのでしょう。
好きなところと物申したいところ
『OU』の好きなところ
哀愁漂うBGM
どこか切ない、ノスタルジックという言葉がピッタリなギターのBGMにとにかく癒されます。
主題歌「おまじないのように」も素敵でずっと聴いていたくなりました。サントラの購入を検討中。
魅力的な世界観
手描き風の背景が素敵です。「イェニース」、「セメリオーディス」といった本作独自の単語もオシャレな響きでカッコいいなぁと思いました。由来があるなら是非知りたいです。
『OU』に物申したいところ
やや単調
ひたすらマップを移動を繰り返す時間が長いので、やや単調になりがち。
マップ移動が多い=ロード回数が多いので、特に中盤ややだれました。
総評
ストーリー : (3.5 / 5)
グラフィック : (5 / 5)
音楽 : (4.5 / 5)
システム : (3.5 / 5)
ボリューム : (3 / 5)
総合評価 : A
最初に書いた通り「めちゃくちゃ面白いか?」と聞かれると回答に悩む作品ですが、自分の中の視野が1つ広がりそうな深みのある作品です。
セリフの1つ1つもどこか文学的で、たくさんの物語に触れてきた賢い方が書かれたんだろうなという印象を受けました(頭悪い奴の感想
興味があればぜひチェックしてみて下さい。
まとめ
・文学作品が好きな人
・温かみのあるグラフィックに惹かれた人
・やや作業感のある内容が苦にならない人
余談ですがプレイ中にふと「ウクロニアとユークロニアって響きが似てるけど同じものなのかな?」(←『泡沫のユークロニア』から連想した)と気になり調べてみました。
「ウクロニア」はおそらく本作オリジナルの言葉なのでヒットせず。「ユークロニア」はユートピア+クロノ「時間のない国」「時間の止まった楽園」を意味するのだそう。
関係あるのか分かりませんが作中のウクロニアとは、イメージ的にピッタリだななんて思いました。
長くなりましたが、本日もお付き合い下さりありがとうございました!
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