本記事ではNintendoSwitch版『BARステラアビス』のフルコンプ感想およびレビューをまとめています。
・どんな作品なのか、恋愛要素はあるのか?
・面白かった点、いまいちだと感じた点
・キャラクターや声優の情報
・会話のネタバレ感想
・個人的な評価を☆1~5で判定
・ネタバレを含む部分は、「続きを読む」ボタンでワンクッション置かせて頂きます。
「どんな作品か気になるけどネタバレは踏みたくない!」「他の人の感想を読んでみたい!」という方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
それでは、本日もよろしくお願い致します!
- キャラクターとの会話が楽しい
- BGM&雰囲気が最高で癒される
- 初見殺し的なボス戦が多め
- 戦闘に時間がかかる
『BARステラアビス』作品紹介
大人の雰囲気漂うバーで美味しそうなお酒に癒やされたい全ての人へ
『BAR ステラアビス』は、2024年2月29日に日本一ソフトウェアから発売されたNintendoSwitch/PS4/PS5向け完全新作シミュレーションRPG。
サマヨイと名付けられた主人公は、奪われた顔と手を取り戻すため、不思議な「ヨイの世界」を冒険することとなります。
個人的な感想を簡潔にまとめると、
「雰囲気最高!」
「キャラクター最高!」
「音楽最高!」
「難易度高すぎ!」
でした。
全体的にとても良かったのですが、いかんせん敵が強すぎて気軽にプレイするのは厳しく、コツコツ装備を集めたり好感度を高めたりしながら少しずつ進める感じ。
周回が苦にならない方には大いにおすすめな作品です。
少なくとも私は撮影したスクリーンショットが200枚を超えるほどハマりました。
メインストーリークリアまでにかかった時間は35時間ほど。クリア後は高難度ダンジョンなどやりこみ要素が用意されており、まだまだ長く遊べそうです。
日本一ソフトウェアが送る新作ローグライク✕シミュレーションRPG
内容はシミュレーションRPGにローグライクをミックスしたようなシステムで、フィールドを徘徊する敵にぶつかるとバトルが始まります。
勝利すると稀にステラ(能力)を入手でき、攻撃手段を手に入れたり、すでに持っている能力をより強力に育てていくことが可能。
攻撃手段が増えると幅広い立ち回りが可能となりますが、MP消費が増えるなどデメリットもあり、取捨選択が悩ましいです。
ステラの種類はバリエーションに富んでおり、一見使い道がなさそうな能力でも組み合わせ次第で化けます。
たとえば「次のスキルを2回発動」 → 「与ダメージ分のバリアを得る」コンボなどは分かりやすく強力ですし、
「地形変化」→「特殊地形にいる時ダメージアップ」など、限られた攻撃手段のなかから、うまく作用しそうな組み合わせを探してやりくりするのが面白かったです。
ヨイの世界は数十階構成の広大なダンジョンとなっており、あちこちに「宝箱」や「ショップ」、「休憩所」などが配置されています。
システムは『風来のシレン』に近く、うろうろしていると「エナジー」を消費し、0になると徐々にHPが減っていくため要注意。
また、同じフロアに長くとどまっていると、死神的なモンスターが現れて瞬殺されるため、「敵の弱いところにとどまってずっとレベルを上げる」などはできません。
サマヨイが倒れるとゲームオーバーとなり、手に入れたアイテムを全て失ってしまう仕様も、冒険の緊張感を高めていました。
全滅しても装備中のアイテムと所持金は無くならないから、負けても少しずつ確実に強くなれるよ!
レベルとステラは挑戦するたびにリセットされて1からのスタートになるので、毎回新鮮な気持ちで楽しめるんだ。
ヨイの世界にはバーで出会った仲間たちが現れ、冒険に誘うことで最大3人パーティを組むことができます。
出現するキャラは基本的にランダムですが、最後に相席した人物とは出会いやすい仕様。
どのキャラも魅力的ですが、お気に入りと出会えると嬉しく、深く知らないキャラも冒険をきっかけに興味や愛着が持てる作りが良かったです。
主人公の目的は謎の人物に奪われた顔と手を取り戻すことですが、どうやら敵には協力者がいる模様。
まずはバーを訪れる人間のなかから協力者をあぶり出すこととなるわけですが、仲間の中に裏切り者がいる的な展開……ちょっとワクワクしますよね。
過去ステラアビスで起きた事件、消えた家族を追ってヨイの世界に潜る少女など、さまざまな謎が絡み合い、進めるほどにストーリーが面白くなっていきました。
闇深い人々と交流を深める相席会話が楽しい
バーでは店を訪れる人々に話しかけて相席を申し込むことで、一緒にお酒を飲みながら会話を楽しむことができます。
サマヨイは喋らないため、相手が振ってくる話題に対し「肯・笑・否・疑」いずれかの感情で返事をします。
うまく反応できれば画面下のバーが増加し、相手にとって好ましくない反応だと下がることに。
1つの話題が終わるまでに、バーを最大(特定の話題では最小)付近にできれば会話が発展。第2、第3ラウンド的に会話が続いていきます。
無事最後まで話し続けられたら会話成功。相手との仲が深まる仕組みです。
乾杯から会話が始まるの、すごくいいね!
大人な雰囲気だね~!
チュートリアル時点では難しそうに感じましたが、割と直感で会話が盛り上がるのが嬉しいところ。
「この返事でいいのかな!?」とドキドキするのも醍醐味かもしれません。
序盤は困ったら「肯」など、好意的な反応を返しておくとうまくいきやすかったです。うちのサマヨイさんは頷いてばかりの聞き上手と化していました(笑
ただ中盤以降は「疑」や「否」をうまく使う必要があり、なかなか難しいです。本音に踏み込むためにはいい顔するばかりでなく、ダメなことはダメとはっきり言う必要があるんですね。
仲が深まるとその人の内面に触れるお話を聞けるようになります。が、ステラアビスを訪れる客はどこか「欠けた人間」ばかり。
どいつもこいつもとんでもない地雷を抱えている関係上、進めば進むほど衝撃展開の嵐。
あまりのヤバさに笑いが込み上げてくるレベルでした。
また、会話の合間合間に注文したお酒を飲むことで、さまざまな特殊効果を得られます。
反応を求められている時に飲むと「聞いてる?」などと咎められることがあるため、相手が話している時にチビチビ飲むのが吉。
ただ度数の高い酒を一度にたくさん飲むと酔い潰れて会話失敗となってしまうため要注意。
相手の会話はきっちり聞きつつ、適切なペースでお酒を飲み切る必要がある……意外に会話中は忙しいのです。
プラス効果を得られるお酒を飲んだあと、眠りにつきヨイの世界へと旅立つのが基本的なゲームの流れ。カウンターで1人で飲んでもいいし、誰かと会話しながら飲んでもOKです。
恋愛要素はある?
恋愛要素はありませんが、基本的に皆主人公のことが大好きなので、信頼萌えが楽しめます。
性別不詳な主人公のことを、積極的に口説いてくるキャラ(病み気味)もいます。
好きなキャラクターと会話・冒険を通じて好感度を上げ、親しくなった相手は最終的に本名を教えてくれます。
キャラ同士のカップリングなどはありませんが、男性キャラの1人から「気になる女の子がいる」的な発言があるため、苦手な方はご注意下さい。
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ジンガ→レオナ(脈なし)
ストーリー&声優情報
ストーリー概要
都会の片隅にひっそりと佇む、隠れ家のようなバー“ステラアビス”。
日々に疲れきっていた主人公は、風に舞うチラシに導かれてその扉を開きます。
「どうやらひどくお疲れのご様子。
さっそく何かお作りしましょうか。」
マスターに勧められるまま注文したカクテルに酔い、主人公は眠りに落ちてしまいました。
二日酔いの頭に響く聞き慣れない声で目を覚ますと、
視界には宙に浮く不思議な生き物と、花が咲き乱れる幻想的な光景が広がっていました。
そこは酒に酔った人間の見る夢――“ヨイの世界”。
主人公は顔と腕を奪われ、この夢の世界に囚われてしまったのでした。
引用元:公式サイト
作品情報 | |
---|---|
タイトル: | BARステラアビス |
プラットフォーム: | Nintendo Switch、PS4、PS5 |
対象年齢: | 12歳以上対象 |
価格: | 7,920円 |
主人公紹介
主人公:サマヨイ
ステラアビスを訪れるヤバい人々の相談事を一心に引き受ける主人公。性別不詳。モチーフはおそらく山羊座。
素顔はゲーム開始直後のムービーで確認でき、髪の長さや服装、華奢な脚から女性的な印象を受けますが、青年と言われても違和感ない雰囲気です。
サマヨイの素顔(プロローグより)
仮面?に描かれた目が、ニコッとしたりしょぼんとしたり、感情に合わせて変化するのがかわいいです。
ちなみに顔と腕が奪われたというのはサマヨイやティプシィの認識であり、マスターや常連客たちからは普通の人間の姿に見えている……らしい。
一見不気味な姿に見えるかもですが、ちょっとした仕草がかわいくて癒やされました。圧倒的光属性。
登場キャラクター&声優紹介
キャラクター | キャスト |
---|---|
サマヨイ | CV:森なな子さん |
マスター | CV:清水彩香さん |
ティプシィ | CV:村瀬迪与さん |
レオナ | CV:黒木ほの香さん |
ジンガ | CV:岩中睦樹さん |
キャス | CV:小山百代さん |
バラン | CV:峯田大夢さん |
マイア | CV:杉山里穂さん |
カジ | CV:渡辺紘さん |
キルカ | CV:佐々木未来さん |
サオトメ | CV:大泊貴揮さん |
仲間との会話感想
レオナ
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聞き上手で人当たりが良い女子大生。
現実で何かしらの問題を抱えているようで、バーに入り浸りヨイの世界でモンスターを倒すのが癒しになっている模様。
「現実の嫌な奴も倒せればいいのに」的な言葉や、学部の飲み会を避けている様子から、人間関係がうまくいってないのかな?と感じました。
会うたびに「サマヨイさん!」と慕ってくれる姿がかわいらしく、敬語で礼儀正しい子ですが、話が進むにつれ病んだ一面が見えてきて怖い。
悪人に体の一部を奪われたサマヨイさんを可哀想に思い、親身になってくれるのですが、どうも同情より「悪人を倒す」方に重きをおいているような……正直サマヨイさんを助けるのは口実のように感じてしまいましたYO。
・正義感の暴走
ある時、バーで盗みを働いた人物を見たレオナは、犯人の写真をSNSにアップして炎上させようとします。(スリは現行犯じゃないと逮捕されないから警察は動いてくれない→私がやらなきゃ!な精神)
同意を求められて否定すると「私の考えを否定する奴はスリと同罪」的なことを言われてしまい軽蔑されまくります。
心から蔑むような視線と声。「反省して下さいね、サマヨイさん」みたいに別れたものの、この状態でヨイの世界で一緒に戦ってくれるのか……?気まずくない??(一応一緒に戦ってくれました
歪んだ正義を押し付けてくる\(^o^)/タスケテ……
もうなんというか。「自分は間違っていない、間違ってるのはあなたの方」という絶対的な自信が怖い。
遂には「弱者に手を差し伸べるのは当然」だとか「恩知らず」とまで言われますし、ナチュラルに見下されている。
そしてボロクソ言われても自分を曲げないサマヨイさんのメンタルが強すぎる。これはもう会話じゃない、戦闘です。
行き過ぎた正義は現代のSNSでもたびたび問題となりますが、やる側はこういう心境なのかなぁ。
でも本当はレオナちゃん自身もこんな方法正しくないと気づいているんです。しかし他の方法が分からないから振り上げた手を下ろせない。攻撃し続けることでしか自分を満たせない空っぽの人間だったのです。
サマヨイさんに怒られた時の戸惑いっぷりと、一瞬でへなへなと崩れ去る様が不憫で儚く見えました。
仲直りして以降、本音を話せるようになったレオナちゃんとサマヨイさんは以前よりずっと良い関係を築けるようになりました。
レオナちゃんにとってサマヨイさんは自分を偽らず話せる唯一の友なので、ストレスの吐口としていいように使われているような気もしないでもありませんが(笑)
「こんなダメな私にした責任とって下さいね♪」的にサマヨイLoveがあふれてるのが可愛かったです。
すっかり牙が抜けて涙もろくなったレオナちゃんもかわいいですが、ゴミを見るような目で見下されるのも良かったな(オイ
ジンガ
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明るく元気な元サッカー部の大学生ボーイ。
ウェーイ!なノリの若者らしい若者という印象です。今まで付き合ってきた恋人にことごとく振られてきたようで、新しい恋をしたいのだそう。
出会って間もないサマヨイさんに「どうしたらモテるかなぁ!?」などと聞いてしまうあたり、微笑ましくてつい笑顔になります。
常連の中ではレオナちゃんが気になっている様子。ただ、料理できそうとか、優しくしてくれそうとか、理想の女子への願望が見え隠れするのが失礼ながらちょっと気持ち悪い(オイ
ですが、サマヨイさんにこっそりレオナちゃんのことを聞いたり、清楚な女の子サイコー!と夢を膨らませたりと、恋に恋する男の子な感じがかわいかったです。
そんなジンガくん、サッカー部に所属していたものの、膝を壊してプロの夢を諦めることとなったのだそう。
サッカーだけやってきた人間が就職して普通に働けるのか、将来に不安があるようです。
小さい頃からずっとサッカーと一緒に歩んできて、自然とプロを目指して。その道がいきなり断たれたら……なんて考えたら、絶望しかありませんね。
ジンガくんは日に日に元気をなくしていき、だんだんと自分を取り繕えなくなります。
弱い自分じゃ皆に顔向けできない、と無理に明るく振る舞いながら酒に溺れる姿が痛々しい。
サマヨイさんの「そのままでいい」という言葉に救われたジンガくん。
ありのままの自分でよかったんだよな
ツライならツライって言って、素直に助けを求めればよかったんだ
という言葉にジーンと来てしまいました。
本当はずっと誰かにそう言ってほしくて、ボロボロになってもステラアビスに通い続けていたんですもんね。サマヨイさんに出会えて本当に良かったねと思います。
今の自分には何もなくてまっさらな状態だけど、その分新しいことをなんでも始めていける。
そんな様子がクリア後のエンドロールでチラリと垣間見えるのもまた良しでした。
キャス
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いまをときめく?動画配信者。
終始ナンジャモみたいなノリの女の子。正直何を言っているのか分からない時もありますが、「カスポギ」というアニメが大好きで熱く語ってくれる様子がかわいいです。
キャスは配信者なので、考察ができないと視聴者から「分かってない」と言われてしまうそう。
でもキャス的には考察とかどうでもよくて、好きなものはゆるゆると楽しみたいという考え方、すごく共感できました。
私は頭プーなので、思ったことをつらつら綴るくらいしかできませんが、考察だとか深掘りだとかできる方はすごいなぁといつも憧れます。
奥深い考察や愛であふれた感想を読んだ後、浅く広くサラーッと楽しんでる自分なんかが書いた感想なんて……と卑屈になる時もありますが、その人の感想はその人だけのもの。
スタイルなんか気にせず、書きたいことを自由に書けばいいと思うんですよね。楽しみ方は人それぞれ。
賢い子だと思うのですが、生き方はずいぶん刹那的。大学を休学してアニメチェック&配信する日々。いまはそれで稼げていても、今後もずっと……とはいきませんよね。
キャスもその辺りは不安を感じているようで「キャスたん配信に疲れてない?」と心配になりました。よく聞こえるという幽霊の声って絶対ストレスからくる幻聴ですよね……
・心の病 Part2
やはりというか、その後どんどん病んでいき、ついには誰もいないテーブルで「うるさい!!」と叫び出す状態にまでなってしまった時は、ひたすら心配でした。
父親と同じ、心の病気にかかっていることを認められずにいたキャスですが、家族やサマヨイに助けられ、少しずつ元の生活に戻れるよう踏み出していきます。
1人だと塞ぎ込みがちですが、周りには支えてくれる人がたくさんいる。キャスの病気の告白に翌日駆けつけた家族のエピソードと、母手作りの肉じゃがに泣いてしまった話など、ほっこり温かさを感じられる良きストーリーでした。
ぬぼーっとリラックスする時間も大切だよねという言葉に全力で同意。
キャスたん、自分とは全くタイプが違うのに不思議と「分かる〜」と共感できるお話が多くて面白かったです。
やはり陰キャ根暗オタクは根っこの部分で繋がっているのかもしれない(謎の理解やめろ
マイア
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仕事や住まい、年齢などすべてが謎に包まれたお姉さん。
言動の端々からどことなく古くからステラアビスにいる的なマウントを感じる(←お前の性格が悪いだけや
お酒との付き合い方、度数の高い酒を勧められた時の注意点など、色々とアドバイスしてくれる良き姐御でもありました。
マイア自身、昔酒を飲まされて痛い目を見た経験があるようですが……?
仕事について尋ねてものらりくらり。なかなか自分のことを話してくれません。なんとなく探偵かな、と予想してみたり。
「ん?」と思ったのが、手品と称してサマヨイさんの1万円札を消して見せる会話。
マイアさんは失敗してお札を消してしまいますが、普通に怪しい……他の人もお金を貸して戻ってこないとのメモを見てからは「もしや詐欺師なのでは?」に変わりました。
某人との会話で話に出た財布ももしや……
他の人との会話では、隠している一面が明らかになるにつれて「辛かったね、よしよし……」って気持ちになるんですが、マイアさんに関しては正直「そうか、つまり君はそんなヤツなんだな」(byエーミール)なんて思ってしまう私がいました。
そんなマイアさん、実は病に倒れた父の治療費で家にお金がなく、生きるために盗みを働いていたのです。
しかし中卒ゆえに働いても働いても給料は増えず、母子ともにボロボロの状態に。
盗みは当然悪ですが、事情知ってしまうととても責められません。マイアさんが倒れたら父親も生きていけないわけで、這いつくばってでも生きなくちゃいけない境遇が辛い。
お金がないってただただしんどいですよね……
サオトメさんの助けで役所に補助を申請できたり、キャスの助けで売れっ子手品師への道を歩み出したりと、どうにか生活を立て直すことができたマイアさん。
裏切ってきた人たちへの「償い」を続けていくのでした。
おそらく償いの過程で辛い思いもたくさんすると思うのですが、まずは普通に生きられてるだけで尊いよ。
下手したら何もできず一家共倒れの未来もあったわけで……本当に良かったね、と心から思います。
バラン
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美術系の大学に通うゆるふわ系穏やか大学生。
サマヨイに対して不思議な魅力を感じ、心を開いてくれる。
めちゃくちゃ友好的ですが、嘘が嫌いだとか、本音で話してほしいとか、怒らせたら大変なことになりそうな雰囲気も感じられる。
物腰柔らかで育ちの良さそうな見た目に反して、歯を見せてニカッと笑う笑い方に「おや?」と感じました。年相応の少年らしくてかわいいなと思いつつ、なんとなく違和感に近い感情もあったり。
子供っぽいと思われたくなくて、落ち着いて見えるよう背伸びしているのかな?と考えましたが、仕事の話とかどうも嘘っぽいし、他ならぬ自身が嘘の塊なのでは?と思ったり。
キャスとの呑みで「バランは嘘吐き」的な指摘されているあたり、周りもそう思っているのかも。
・虚言癖
「祝日に大学の授業が忙しくて、ジンガくんとの待ち合わせに行けなかった」という、おかしな言い訳をサマヨイさんに指摘された時の焦り具合は可哀想になるほど。
以降も嘘を重ねて死にそうな表情で自爆を続ける姿に「大丈夫……?」と心配になりました。
幼い頃のいじめが原因で、自分を守るため嘘をつくようになったバランくん。
たくさんの趣味も、芸大生だというのすらも嘘。本当はただのフリーターだったのです。
嘘なんて大嫌い、僕なんて大嫌い……という言葉がもう辛くてダメでした。そんなことないよと言ってあげたい。
自分のついた嘘に追い詰められ、居場所を失いかけますが、サマヨイさんに引き止められて以降、嘘を本当にするべく芸大生を目指して努力を始めるのでした。
しかしバランくん、サマヨイさんとの話の後すぐに友達に真実を打ち明けて受け入れてもらえたそうですが、あまりにもメンタルが強い(爆
「実は大学生じゃないのに授業に潜入してました」というトンデモ事実を笑って許してくれる友人もすごいなと思ってしまいましたYO。
最初の頃に見せていた「穏やかで落ち着きある売れっ子絵師の顔」はバランくんが理想とする姿で、本来の彼は年相応の少年っぽさが可愛らしい子でした。
嘘により誰かを陥れようとか邪な感情は一切なく、ただひたすら自分をよく見せたいだけ。約束を破ったり、大学に忍び込んだりはダメですが、根は真面目でいい子でした。
それにしても「エア大学生」ってなかなかのパワーワードですよね。
カジ
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外資系企業に勤める営業マン。
サマヨイの話しやすい雰囲気を気に入り、たびたび飲みに誘ってくれます。
ちょっとくたびれているというか、今の自分に満足いってない様子。幸せな家庭を持つことに憧れがあるようです。
3回目まではごく普通の会話ですが、4回目あたりから雲行きが怪しくなり、気づいた時にはもう大変なことに。
無償の愛を求めるカジさんはサマヨイさんに運命を感じ、猛アピールを開始します。その様は正に愛の押し売り状態。ヤバいやつ感が半端ありません。
告白を断ると「冗談ですよー☺️」「サマヨイさんが悪い人につけ込まれないよう試してたんです」などと言ってくれますが、確実に目がマジでしたよね。
以降、カジさんに話しかける時ちょっと緊張するようになったのは言うまでもない。
ヤバい空気になった時、一瞬BGMが止む演出、怖いですよね……本格的にヤバくなった時の胡散臭いBGMもなんか好きです。
・愛されたい症候群
ヤバい奴な印象が凄まじいカジさんですが、幼い頃に得られなかった母親からの愛情を埋めてくれる存在を必死に求めているのだと分かり、切ない気持ちになりました。
幼い頃、受け続けた母親からの虐待に近い指導。1度だけ母親から感じた愛がピアノコンクールで金賞をとって抱きしめてもらったことってもう……それは愛情なんだろうか。
以降、同じものを他の人に求め続けてうまくいかない日々。
カジさんが求めているのは「母の愛情」なので、恋愛がうまくいかないのは当然の話で、
なんでも受け入れてくれそうなサマヨイさんなら、きっと望むものをくれるはず……と執着してしまう気持ちも分からないでもないなぁと。
呪縛が解けてからはサマヨイさんを母のように、師匠のように慕いつつ、自分を変える努力を重ねるのでした。
しかし……ちょいちょい「あなたに見合うような男に」的な気配も感じるので、まだサマヨイのこと諦めてないな?と思えるのが好き(笑
愛を求めるばかりでなく、与えたいと考えるようになったカジさん。カジさんからの愛ってめちゃくちゃ重そうですが、基本的には紳士なので暴走しなければ大丈夫……かな?がんばれコントロール。
後日、バランくんとカジさんの相席会話に爆笑しました。肉体美的な絵を描いてほしいと迫るカジさんは、やっぱりただの変態かもしれない。
どうしよどうしよ!といった具合にサマヨイさんに助けを求めてくるバランくんが可愛すぎました。
しかしどちらも救われたうえで発生する会話なのが深くて良かったなぁ……
ジンガくんに対しても、愛の何たるかを説く姿に「立派になって……!」と謎の感動を覚えてしまいましたよ。
しかし最近新作乙女ゲームでヤンデレキャラに出会えないなぁ……なんてXで呟いていたら、まさか一般ゲームで特大の病みを浴びることになるなんて思わなかった。
カジさん乙女ゲームに登場しても全く違和感ない雰囲気なんですが、1人だけDLSiteがるまにオーラを放っているのが計り知れなすぎて好きでした。隙あらばいかがわしい発言をねじ込んでくるので少しも油断できないんですよ(暴言
カジさん、好みが分かれそうなキャラですが、人気投票をしたらぶっちぎりで1位になりそうだと思うのは私だけだろうか。
日本一スタッフさんはどんな気持ちで彼を世に送り出したのか……社内の評判が大変気になるので、裏話やインタビューをまとめた設定資料集とか読んでみたいです。
しかしカジさんの初期ステラ、射程がめちゃくちゃ長くて便利なうえ、好感度上がると追加される痛打が普通に強いので、困ったらとりあえずカジさん入れとけばいいのでは?ってレベルで便利でした。
キルカ
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物語中、ヨイの世界で出会う少女。
お酒の席が苦手ながら、姉を探すという目的のためステラアビスを訪れています。
ちなみにキルカの姉はマスター(記憶喪失らしい)です。
ステラアビスの客がヤバい人揃いなのでキルカのまともさに癒されます。
本当にお酒が苦手らしく、すぐ酔っ払っちゃうのがかわいい。そして酔うと笑ってくれるし、めちゃくちゃ素直になるのがかわいいんですよ……キルカちゃんがヒロインだったのかもしれない(錯乱
サマヨイを呼び捨てで呼ぶのってキルカとティプシィぐらいなので、何気にレアですよね。
キルカの両親は姉を溺愛しており、キルカのことは放ったらかし。姉が失踪して以降、母は現実を受け入れられず、父との関係も悪化するばかりです。
壊れていく家庭をどうすることもできないキルカは、姉を見つければ全てが元に戻ると信じて探し続けるしかありませんでした。
でも本当は「姉がいなくなれば両親が自分のことを見てくれるかも」とか、姉の不幸を喜ぶ気持ちもあるなかで……お姉ちゃん大好きな気持ちもまた事実。
まとまらない気持ちでぐちゃぐちゃになったキルカは自分を醜いと責め、なにもかも1人で背負い込もうとしますが、最後には姉を大切に思う気持ちが勝ち、サマヨイに助けを求めることができたのでした。
キルカの姉に対する感情は「こう感じるのも仕方ない」と思えるもので、とにかく両親がクソだなという感想でした。キルカは何も悪くないのに可哀想すぎる……
視野が広がって以降、いろいろな人に話しかけられるようになったキルカですが、まだまだ人付き合いは苦手な様子。
しかしサオトメさんのことは最初から信用していただとか、大人っぽい女性は苦手だとか(どちらも多分姉の影響)、他の人に対する印象を教えてくれるのが面白かった。
結局はサマヨイは特別、に落ち着くわけですが。
断罪場イベントが非常に気になります。直前セーブデータを残させてくれ……!(便利なオートセーブの弊害
サオトメ
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アルコール依存症の自称フリーライター。本当の職業は警察官。
バチバチに警戒されている状態から呑める関係になり、最終的にかなり心を許してくれるのが良かったです。
最初の頃、他のみんなは割と素直に「肯」してればOKですが、サオトメさんは最初から「疑」をぶつけまくる必要があるので、これでいいのかな?とちょっとドキドキしました。
サオトメさんの話はお酒に関するうんちくなど深く、純粋に勉強になりました。誰よりも落ち着いていて、ヨイの世界への理解も深いんだなぁ、さすが年長者なんて思っていたら、そんなことはなかった。
サオトメさん、実は誰よりもヨイの世界を必要としており、どっぷりと浸かっている人間だったのです。
相棒であったハブさんが亡くなって以降、自責の念と贖罪のためヨイの世界に潜り続けたサオトメさんの精神はもはやボロボロの状態。
ナイフで自分を傷つけ、酒と痛みでどうにか自分を保っているような状況でした。
そんな彼を救ったのは、ハブさんがサマヨイに託した1通の手紙。
「自分を傷つけるな
私はお前を責めていない」
メッセージを受け取ったサオトメさんは、刑事に復職し、ハブさんの分もまっとうに生きると決めるのでした。
迷いが消えてスッキリした顔のサオトメさんを見ると、解決して心底良かったなぁと思います。途中ずっとグッタリしていましたからね……笑
それにしても、こんなやりとりを見てしまうとサオトメさんを断罪場に連れていきたくなるじゃないか……!ハブさんと再会させてあげたいYO。
サオトメさん、健康的になってからはめちゃくちゃ積極的に雑談してくれてお茶目な一面も見られるのが良きでした。
あの派手すぎるズボンが正直ずっと気になっていたのですが、オシャレにはこだわりがあるようで、「いまの見た目もなかなかダンディで悪くないよな?」発言にちょっと笑ってしまいました。
マイアさんから「チンピラ同然」と言われていましたが、私もそう思う。個性爆発してていいと思います。
あと本名が予想外すぎて凄かったです。
余談ですがハブさんは名前的に海蛇座担当なのかなって思っています。もしくはサマヨイをヨイの世界に導いた(=繋ぐ役割だからハブ?)か両方か。
好きなところと物申したいところ
『BAR ステラアビス』の好きなところ
キャラクターとの会話が楽しい
本作に登場するキャラクターたちは、親しくなるとよそ行きの顔以外に、内面に隠した弱い部分も見せてくれます。
ステラアビスの居心地良さとお酒がそうさせるのか、聞き上手なサマヨイさんがそうさせるのか。もしくは全部かもですね。
悩みは人それぞれですが、ゲーム内の彼らもまた、現実を生きる私たちと同じように問題を抱えているんだなと共感できるとともに、愛着がわいてきます。
キャラクターたちの人間くさい一面。リアルな悩みと完璧じゃないからこその親近感、愛おしさを感じました。
『BAR ステラアビス』に物申したいところ
初見殺し的なボス戦が多め
「先に雑魚を倒さないと延々回復するボス」「こちらの攻撃を高確率で回避してくるボス」など、対処法を持っていないと厳しい=初見殺し的な要素も。
失敗した時、1~2時間以上がパーになった時の虚無感はなかなか厳しいものがありました。(おそらく本作の醍醐味でもありますが)
戦闘に時間がかかる
全体的に敵が強く、レベルを上げていかないと雑魚にすら太刀打ちできなくなります。
そのため、基本的に雑魚は全て倒す必要がある=雑魚を無視できない仕組みも残念でした。
5つ目のダンジョンについて
5つ目のダンジョンは特定の条件を満たした仲間のみ連れて行くことができます。
選び方について、簡単にまとめてみました。
続きを読む
断罪場(5つ目のダンジョン)に連れていける仲間は親密度6以上の1人のみ。
ここで選んだ相手が以降イベントのパートナー的な存在になるため、1番好きなキャラや思い入れのあるキャラを連れていくのが吉(ここ重要
名前からして不穏な「断罪場」に好きなキャラ連れて行っていいの?と不安に思われるかもしれませんが、何の心配もいらないので是非心のままに選んで下さい。
ちなみにその次に待ち受けるラストダンジョンも、途中から断罪場に連れて行ったキャラが同行します。
私が選んだキャラクターは、ピンチのところを颯爽と助けに来てくれたり、ここぞという場面で信頼度MAXな会話を聞けたりしたので、「好きなキャラを選んで良かった!」とほくほくしました。
攻略情報メモ
- お酒を飲む時、1個1個効果を確認するのは大変なので、Yボタンから検索するのが吉。
- 探索中、次のフロアへのポータルに触れた後は、好きなタイミングで次の階へ移動できるようになる。未踏派フロアの探索に時間をかけすぎると死神(ブザーマン)が出現するため、探索する際は先にポータルだけ見つけておくと安心。
- 草刈り回復系スキルは、時々HPやMPが回復する代わりにアイテムがほとんど出なくなる。結果回復アイテムが不足するためおすすめしない。
- 雑魚敵からのステラ入手は、黄色のオーラをまとった敵を倒した際とレベルアップ時にドロップする。
- 海蛇座のステラは一見デメリットだらけだが、6つ付けると進化して超強くなる。蛇遣い座が出やすいダンジョンで狙ってみるのもおすすめ。
- 1人飲みは最大2回までしか飲めないのに対し、相席は最大3回まで(序盤は2回まで)飲めるので、面倒でなければ誰かと飲むのがおすすめ。経験値アップ、攻撃時MP回復、全地形無効あたりが汎用性高くおすすめ。
- 意外とよく使っていたのが魚座のステラ。めっちゃ強い!という訳ではないのですが、無難に使いやすい性能で、雑魚からボスまで大活躍でした。地形変化系はいらないです。
- 雑魚戦では「範囲+魚座(経験値増加)+魚座(お金増加)+適当に消費少なめの攻撃」で戦っていました。なんならラスボスもこのセットで殴り倒しました(笑
- 仲間は倒れると離脱してしまう。ダンジョン内の仲間ポイントで会えれば再び仲間に入れられるが、パーティ人数減は痛手なので極力戦闘不能は避けるべき。
- ボス戦は回復アイテム(できれば全体)を多めに持ち込むこと。
- 装備は可能な限り更新する。
- 鍛冶場が利用できるようになったら火・水など、挑む世界に対応する属性耐性をつけておきたい。(最終的には5属性全て付けると楽
- 草むらから稀に出る虹キノコは必ず残しておくこと。ラスボス倒せるぐらい強い防具に化けます。(ゲームが進めば複製も可能
クリア後ダンジョンの攻略パーティ・お役立ち情報はnoteに記載しています。
→『BAR ステラアビス』新醒界クリアパーティとステラ 攻略メモ
総評
ストーリー : (4.5 / 5)
グラフィック : (4 / 5)
音楽 : (5 / 5)
システム : (4 / 5)
ボリューム : (4 / 5)
総合評価 : A
キャラデザ、ビジュアル、会話要素は文句なしに最高。特にバーの雰囲気やお酒のデザインが素敵で、お酒に興味のない私でも「このカクテルはどんな味なんだろう?」と興味がわきました。
ただ万人受けしそうなデザインに反して、ダンジョン部分の難易度が高めなのがマイナスポイント。
特にボス戦は初見クリアが難しく、苦労してダンジョンを乗り越えても、ボスに負ければまた最初からやり直しとなってしまいます。
また1階から雑魚狩り&草刈りしながらボスフロアを目指す作業。(しかも時間かかる)楽しそうだなーと興味を持った人が、このシステムに着いていけるのかは少々疑問です。
せめて戦闘難易度は選択できれば良かったな、なんて思います。
クリア後に挑戦できるダンジョンがこれまた鬼畜で、ラスボスを倒せる装備で突入しても雑魚の攻撃2発で沈むレベル。
笑えるくらいの難しさですが、ストーリーもあるようなので、地道にクリアを目指したいところです。
まとめ
・ローグライク&シミュレーションRPGが好きな人
・キャラクターとの好感度会話を楽しみたい人
・素敵なBGMに癒されながらプレイしたい人
進めれば進めるほど仲間たちに愛着が増し、ダメダメな一面すらも愛おしく思えてくる。これに尽きます。
サマヨイさんが聞き上手なのは間違いありませんが、素の自分を知らない相手だからこそ、彼らの悩みを引き出せるのかなと思えるました。親しい人には言いづらいけど、遠い人になら言えることって、なんか……ありますよね。
それにしてもサマヨイさん、ステラアビスに来る前に何があったんだろう……
全体的にBGMが最高でテンションが上りました。長く聴くことなるダンジョンの曲は、数階層進むごとに切り替わるため、飽きることなく進められます。
フィールドと戦闘BGMはシームレスに切り替わり、静かな曲が戦闘アレンジでノリノリになったり、格好いい曲がますます格好良くなったりと1粒で2度美味しい。
個人的に荒野感あふれる第3醒界(3つ目のダンジョン)の曲とボス戦BGMが大好きで、サントラ再販を熱望しています。
公式Youtubeに試聴動画もあるので、興味があれば是非聴いてみてください。
長くなりましたが、本日もお付き合い下さりありがとうございました!
ビールとレモンスカッシュを混ぜる「パナシェ」というお酒が気になったなー!ビール苦手でも飲めるかな?
三角のグラスに入ったカクテル、見た目もかわいいし美味しそうだったよね(酒のにわか的感想
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