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スペードの国のアリス ~Wonderful Black World~ フルコンプ感想【ネタバレON/OFF有】

こんにちは、モッチです!

『スペードの国のアリス ~Wonderful Black World~』をフルコンプしましたので、作品紹介 → 個別ルート感想 → 個人的レビュー → 総評 → まとめの順に書いて行きたいと思います。

・ネタバレを含む部分は、「続きを読む」ボタンでワンクッション置かせて頂きます。

それでは、本日もよろしくお願い致します。

前作(Wonderful White World)の感想はこちら

目次

作品紹介

『スペードの国のアリス』(以降スペアリ)は、2023年8月3日にオトメイトから発売されたNintendoSwitch向け乙女ゲーム。

2007年から続く「アリスシリーズ」の最新作にあたり、『Wonderful White World』→『Wonderful Black World』の2部作構成となっています。

それぞれの特徴は以下の通り。

  • オトメイトのサブブランド「QuinRose reborn」から発売された「アリスシリーズ」最新作
  • 白と黒の2部作構成でそれぞれ攻略キャラクターが異なる。
    • 白の攻略キャラクター……ブラッド、エリオット、ディー&ダム、クイン、ルイス
    • 黒の攻略キャラクター……エース、ハンニバル、ナイトメア、グレイ、ボリス、ジョーカー
  • 一部キャストの変更あり
  • 時系列は白→黒

個人的レビュー

個人的には『良作』です
本作のポイント
  • 銃弾飛び交う不思議の国を舞台とする乙女ゲーム
  • 記憶喪失の主人公「アリス」が失われた記憶を求め、かつての知り合いと交流を深めていく物語
  • 白の続編にあたるため、白クリア後のプレイ推奨

1ルートあたりのプレイ時間は2~3時間ほど。

物語は前作終了後、アリスが誰とも結ばれず帽子屋or白の領土で暮らす時間軸からスタート。

たびたび美しい女性と昼下がりを共に過ごす夢を見るアリス。しかしどうしてもその人が誰なのか、他にも大切な誰かがいたことを思い出せずにいました。

滞在地にも慣れ、周りも優しい人ばかり。しかしこのまま平和に過ごしていてもいいのか……迷った末、アリスは記憶の手がかりを求めて他領土への引っ越しを決意します。

元の世界に帰るのか、それともスペードの国の一員として生きていくのか。
分岐点に立つアリスが迷いながらも自らの生き様を定めるストーリーとなっています。

以下、率直な感想(やや辛口)

モッチ

みんなアリスのことめっっちゃ好きやん!というのが率直な感想でした!

アリスは記憶を失くしていますが、周りはこれまでの積み重ねで好感度が高い状態からスタートするため、甘々なのがとても良かったです。

肝心の世界観についてはもう少し踏み込んで欲しいところでしたが、まあいつも通りふわっとしてましたね……

ときどき申し訳程度に銃撃戦が起こるものの、基本的には大きな事件もなく物語が進んでいきます。

「いつからこの国こんなに平和になったんだ?」と思わなくもないですが、攻略キャラたちがアリスに嫌なものを見せないよう上手く立ち回ってくれているのかも。

ただ正直な感想を述べるなら全体的にちょっと薄いかなぁと……。

ちゃんと萌えは詰まっているし楽しめる内容ではあるのですが、真相には触れず仲間内のワイワイを描いた当たり障りない内容という印象。なんというか極限まで薄めたカルピスみたいな……(クソ失礼な感想やめろ

少なくとも今作で新たな事実が明らかになったり、完結したりする感じではありませんでした。

しかしぶっ飛んだ世界観と攻略キャラたちは健在。

1作目で判明する真相部分にも切り込んでいるため、シリーズに初めて触れる方も、過去作を振り返りたい方にも親切な作品に仕上がっていました。

ストーリーやおすすめ攻略順

ストーリー概要

メルヘン調な世界なのに、帽子屋がマフィアだったり
銃撃戦が珍しくもなかったりする不思議な世界。

今作の舞台は、白の領土・黒の領土・帽子屋屋敷・駅の4つの領地がある『スペードの国』
しかしこの国は戦争真っ只中で、どこへ行くにも物騒な国だった。

そんな中、現実主義で夢見がちなところが皆無な主人公・アリスは、
湖で溺れているところを助けられ、その時には全ての記憶を失っていた。

初めて出会う者はもちろん、かつて友人であったはずの人達や
とりまく状況まで思い出すことが出来ない。

初めて会うはずなのにどこか懐かしく、大切に思える人達と忘れてしまった誰か……。

アリスは失った記憶と共に、狂ったような日常を受け入れている自分に違和感を持ちつつも
見知らぬ時間の溢れる国で、新しい関係を築いていく。

常識の通じない世界で、現実主義の主人公にまともな恋愛は出来るのか――。

引用元:https://www.otomate.jp/spade_alice/black/

ヒロイン紹介

主人公:アリス=リデル(名前変更可)

コンプレックスを抱える、いたって普通の子。

白ウサギに連れてこられた不思議の国に残ることを決め、順応しつつあったが、これまでの記憶を失ってしまう。

引用元:https://www.otomate.jp/cp/

攻略キャラクターとおすすめ攻略順

攻略キャラクターは6人+隠しキャラ2人。

初回はハンニバル・グレイ・ボリスのみ攻略可能で、以下条件クリアにともない攻略制限が解除されます。

特にネタバレ等はないため、好きな順番で攻略して問題ありません。

  • ナイトメア:エース BEST END後
  • エース:ハンニバル・グレイ・ボリスのうち、2人のBEST END後
  • ジョーカー:隠しを除く5人全員のBEST END後
隠しキャラについて
  • 白ウサギ(ペーター):ナイトメア BEST END後
  • キング:5人全員のBEST END後

攻略キャラクター&キャスト紹介

キャラクターキャスト
〈ハートの騎士〉エースCV:平川 大輔さん
〈チェシャ猫〉ボリス=エレイCV:杉山 紀彰さん
〈夢魔/駅長〉ナイトメア=ゴットシャルクCV:小野 友樹さん
〈トカゲ〉グレイ=リングマークCV:中井 和哉さん
〈サーカスの団長/監獄の所長〉ジョーカーCV:興津 和幸さん
〈ライオン〉ハンニバル=ゴールドCV:石川 界人さん

キャスト変更について

・ディー&ダム:福山潤さん → 八代拓さん、天崎滉平さん
・ナイトメア:杉田智和さん → 小野友樹さん
・ジョーカー:石田彰さん → 興津和幸さん

個別ルート感想 (ネタバレON/OFFボタンあり)

ハンニバル=ゴールド CV:石川 界人さん

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ハンニバルが姑(ブラッド)に認められるまでを描いた話(雑なまとめやめろ

黒の領土を収める貫禄あふれる王様……というのは仮の姿で、実は自分に自信がなく、人嫌いの卑屈な青年。

そんな性格にも関わらず、積極的に領土争いに参加しなければならない役割を与えられてしまい、最もルールに縛られている人だな、と感じました。

前半はなんというか……これまでのダイジェスト的な展開で盛り上がりも少なく、正直退屈でした。

中盤、帽子屋にちょっかいをかけられて「アリスを奪われるんじゃないか」と不安に駆られたハンニバルは、水や食事を忘れるくらいトレーニングに打ち込むなど迷走を繰り返します。

アリスに記憶がないとはいえ、ブラッドとは長い付き合いですもんね……。「中途半端なやつには任せられん!」的な気持ちがあったとして、分からないでもないかも。

そして催し3回目で行われる黒の領土vs帽子屋ファミリーのチェスバトル前、事件は起こりました。

ブラッドの発言、これは来るぞ……。

(´・∀・`)アリスの滞在地を賭けてのバトルキター!

まあそうなりますよね!!
ただ決してアリスを物のように扱うのではなく、移住先の選択肢を得るだけという話。

最終的に決めるのはアリスだと先に宣言してくれるあたり、紳士だなと思うんです。

しかしハンニバルが負けた場合「最強」の名に傷が付くわけで、嫌がらせ効果は高いんですが……

ライオンとしてのプライドと、アリスに賭けて負けられないハンニバル。

ブラッドはハンニバルの覚悟を見て途中で満足した感ありましたが、正々堂々勝利を掴んだ時はやはりホッとしましたね。

アリスとハンニバルのやりとりはお互いに肝心な一歩を踏み込まない微妙な距離感で、踏み込んだ瞬間に何かが変わりそうな、確信ある雰囲気にドキドキが止まりません。

じれじれな空気感に萌えが感じられる良きルートでした。

その分距離が崩れた時の勢いはお互いにとんでもなかったです。手が早い。いや、遅すぎたくらい……?

アリスは記憶が戻らなくてもスペードの国に留まることをほとんど決めていて、ハンニバルの言葉が最後の背中を押す感じが良かったです。

過去があまり掘り下げられなかったので、ハンニバルの言う「自分は偽物」的な発言の意味は分からずじまいでした(→後にキングルートで明らかになります)が、偽物か否かなんて関係ないという言葉はこの作品自体にも刺さってくる言葉なんじゃないかな、なんてぼんやり思いました。

余談ですが黒の領土のアリスの制服(仕事着)が可愛くて好きです。

ちょっぴりセクシーな雰囲気のお姐様方に可愛がられてドキドキする感じも好き(笑

グレイ=リングマーク CV:中井 和哉さん

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駅でナイトメアの補佐兼事務仕事をすることになったアリスは、指導役のグレイと親交を深めていきます。

駅は比較的まともなメンバーなので落ち着いているかと思いきや、列車の衝突や脱線事故が頻繁に起こるヤバイ滞在地でした。怪我人への対処に事故の後始末にと、働く場所としては正直1番忙しそう……

グレイは仕事ができるし面倒見がいいし常識人だし大人の男だし、忙しい合間を縫って積極的に記憶探しに協力してくれるしで、もはや好きにならない理由がないんですよね。

そんなわけでアリスは最初の方からグレイに心惹かれている感がありました。

グレイルートにおけるアリスはクローバーの国で塔に滞在しており、グレイとは良い友人関係だったのだそう。

実はグレイ、当時からアリスに好意や独占欲を持っていたにも関わらず、力になれず親しくもなれないまま引っ越しで別れてしまったことを後悔していました。

そんな中で巡ってきた今回のチャンスを逃す手はない、と記憶探しを手伝うことにしたんですね。

本当に記憶を取り戻したいのならナイトメアに頼むのが1番。夢魔の力なら本人が忘れているような奥底の記憶を引き出すことだって可能です。

グレイはそれを分かっていながら、記憶探しを親しくなる口実に使っていた……なんともずるい大人です。

「いい友人で終わるより、狡くても特別な関係に」などと悪いことを考えても、嫌われたくなくて悪に徹しきれないグレイと、記憶より愛情をとってしまうアリス。中途半端で似た物同士なところもなんだか愛おしいんですよね……

アリスがグレイを好きになるのが早いなーと思ってしまうところもありますが、このルートのアリスはきっとクローバーの頃からグレイに好意を寄せていたんじゃないかと思いますね(なぜか強気に断言

クローバーの国での別れを経験しているからか、今後また訪れるかもしれない別れを思うシーンが多く、個人的にはちょっぴり悲しさがちらつく終わりでした。(2人は前向きですが

しかしそこかしこに重めの執着を感じられて良かったです。

グレイのルートで存在感強めなのがクインでしょうか。

グレイに懐くアリスに対し、クインは思うところがあるようで、「トカゲに騙されている」的なことを伝えてきます。思えば最初からグレイの思惑(アリスへの執着)をお見通しだったんですね。

白での滞在地を「白の領土」でスタートしたので、元家主VS現保護者の静かなバチバチが大変美味しゅうございました……。

ボリス=エレイ CV:杉山 紀彰さん

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ひたすらに優しいしアリスのことが大好きだった(率直な感想

駅でのボリスはアリスの仕事中、いつでもそばにいて、暇を潰しながら仕事が終わるのをジッと待っていてくれてるんですよ……

なんとなく飽きっぽかったり、強引に連れ出したりしそうなイメージがあったので(すみません)驚きでした。

これまでの国を経て、アリスを大切に思う気持ちから変わったのかなぁと思うと、なんかいいですよね。程よい距離感と好意に、アリスもボリスのことがどんどん好きになるのでした。

駅でのボリスの仕事は「空間の歪みを見つけて直す」こと。なんでも今のスペードの国は大規模な引っ越しの影響であちこちの線路が途切れ、事故が頻発している状況なのだそう。

ずっとそばにいるせいか、「ボリスは仕事をサボってるんじゃないか」とアリスは疑っていましたが、空間を切って繋げる能力を活かした、ボリスにしかできない大事な役目なのでした。

ボリスルートのアリスはハートの国で遊園地に滞在していた設定です。ゆえにボリスから「駅以外のどこへもやるつもりはない」的な執着や独占欲が感じられるのが良かった……

「……アリス。俺、帰さないからね」は個人的に今作優勝セリフです。

記憶を取り戻したいアリスと、絶対に帰したくないボリスとの駆け引きが繰り広げられるかと思いきや、ひたすら甘々でかわいい2人でした。

今後閉じ込めたり連れ去ったりがありそうなノーマルエンドも好きです(闇

エース CV:平川 大輔さん

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海よりも深い孤独を抱えてしまった騎士。
一筋縄ではいかないとは分かっていましたが……まぁーしんどくて……

ハート・クローバー・ダイヤと一緒に過ごしてきたらしいエースと過ごせば、記憶をとりもどせるのではないか、と密かに望みを持っているアリスですが、エースは「記憶を取り戻す手伝いはしたくない」とバッサリ。

正確にはアリスに記憶を取り戻して欲しいけれど、それは「自分の力で強く望んで取り戻さないと意味がない」のだそう。

スペードの国に来てからずーっとむしゃくしゃして周囲への八つ当たりを繰り返しているエースですが、実のところめちゃくちゃ寂しくて参っていたのだと分かります。

不安定すぎて、もはや「時計屋」というワードを出されると無条件で斬りかかってくるレベル。周りは分かっていて触れないようにしているようですが、時おりジョーカーさんやルイスが地雷を踏み抜くのでヒヤヒヤしながら見ていました。

エースの不安は恐らく根本解決不可な予感がしますが、アリスと一緒にいることで少しでも寂しさが紛れているならいいなぁと思わずにいられませんでした。

エースが特に思い出して欲しいと望むのは自分とユリウスのこと。アリスが夢の中でユリウスや時計塔でのことを徐々に思い出していく過程が嬉しかったですね……。

3人ワイワイしていたのが遠い昔のことのように思えます。回想とはいえユリウスの姿も見られて幸せでした……!夢ではなく、いつかまた現実で3人再会できたらなぁなんて願ってしまいます。

正直、肝心なところは匂わせ程度で何も語られない感じでしたが、余計な荷物を増やさないよう関係に名前をつけないところが好き。

共倒れの危機を感じつつも、どの世界でも一緒に迷う迷子2人が愛おしいです(重症

vs帽子屋領とのチェス勝負の際、にんじんや大量の武器を景品に掲げてブラッドのやる気を消失させる姑息な手に笑ってしまいました。

ナイトメア=ゴットシャルク CV:小野 友樹さん

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アリスを守る頼もしい家主であり、ペーターと共に2大保護者の1人。愛が深い

普段はダメダメなナイトメアですが、決める時はビシッと決めてくれるのがカッコいいです。

事務仕事嫌い・薬嫌い・チェス嫌いの3拍子揃っていましたが、領主としてなんだかんだ周りから好かれてる姿が微笑ましいですね。普通に親しみやすいし、慕われるのも分かるなぁと。

スペードの国の各地を走る汽車は便利な移動手段ですが、実は行き先が決まっていない者が乗ると迷わされ、降りられないまま永遠に彷徨う可能性のある危険な代物でもあります。

要するに今のアリスが乗ると危険……ということで、友人たちはアリスの駅滞在を心配していますが、責任持って守るというナイトメアの言葉に譲っている感じなんですね。

他ルートで見てきた通り、チェスの腕は今ひとつで催しでは他領土からけちょんけちょんにされてしまうナイトメアですが、正直相手が悪すぎる気もします(ブラッド・クイン・ハンニバルはチェス強い

そんな状況をつまらないと見たブラッドの提案で、このルートではアリスが参謀としてナイトメアをサポートすることが許可されます。

駅組のチェスは青春スポーツ漫画のワンシーンのようで微笑ましく、たとえ負けてもベストを尽くした感が大変清々しいです。対戦相手が迷子仲間と元飼い主なのがめちゃコワですが……

初めてチェスでここまで盛り上がった気すらする。催しの部分、どのルートでも淡々と進んでいきません……?

チェスを通して駅メンバーとの絆が深まり、真の意味でこの世界への滞在を決める流れも自然でした。

好きなシーンは中盤のナイトメア・ペーター・アリスが3人で話すシーン。
ナイトメアがペーターに協力した理由や、この世界に暮らす人々の正体について語ってくれるのですが、2人のアリスに対する思いが伝わってきて温かさでいっぱいになりました。(街でエースにチクチクされた後だったのでなおさら

ナイトメアと2人でチェスをしたり、体調不良同士休んだりするシーンも優しさが詰まっていて好きです。

駅組は一見普通に見えて、アリスへの愛や執着が海よりも深いのが最高すぎますね。

たとえ引越しで離れる時が来ても、夢の中で会える安心感が素晴らしいメア様でした。

恐ろしい一面が見られなかった点だけがちょっと残念。

ジョーカー CV:興津 和幸さん

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ジョーカーさんが攻略できるはずない(予想

駅か黒の領土か、いまひとつ決定打がなく引越し先を決めきれないアリス。
そこにホワイトさんが新たな選択肢として、自分たちの店を提示したことで、アリスは2人のジョーカーとの共同生活を決めます。

当然周りの人たちは大反対。しかしアリスが自分で決めたのなら仕方ないと諦めムード。アリスのジョーカーはアリスにしかどうにかできませんからね……

気づけば何度もサーカスに迷い込んでしまうアリスに、見ている側はハラハラするなんとも言えない毒のあるルート。

そしてサーカスに迷い込んでしまったアリスを助けてくれたのは……なんとユリウスでした。

ルール違反すれすれのところで何度もアリスを助けてくれるユリウス。厳しい言葉の端々に情が感じられて、このルートのアリスは時計塔滞在だったのかなと予想してしまいます。

ジョーカールートでアリスが行き着く先は、どうあがいても監獄です。監獄ホイホイルートに改名すべき(オイ

何度もアリスを見逃してくれようとするブラックさん、優しくて好きとなります。行き着く先は結局監獄なんですが、ちゃんと甘さもあって良かったなと。

ホワイトさんはアリスが監獄を選んでくれて心から嬉しそう。閉ざされた夢の中で2人幸せなエンドでしたが、ルールを破ってまで助けに来てくれたユリウスとペーターを思うと可哀想な気持ちになりました。

毎度ながらジョーカーさん同士が2人で会話してるシーンは声優さん大変そうだな……と少し可笑しくなってしまうのは内緒。

隠しキャラクター

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キング:
ブラッド&ハンニバルエンドといった内容。
超短めですがスペードの国にまつわる「ある真実」が明らかになり、色々と腑に落ちるルートでした。

分岐はハンニバルルート8thでアリスの滞在地をかけてブラッドとチェス勝負に臨むあたりから。

ハンニバルがチェスでブラッドに負け、アリスは帽子屋に戻ることに。アリスを「奪い返す」と言われるので、おそらく最初の滞在地は帽子屋領でなければダメなのかなと思います。

結論から言うと、実はスペードの国の「キング」はブラッドで、ハンニバルは代理。
ハンニバルが時々口にする「偽物の王」うんぬんはこのことだったんですね。

驚きましたが、ブラッドは性に合わないキングの役割を、百獣の王ライオン=キングっぽいハンニバルに肩代わりしてもらっているわけで、何というかハンニバル可哀想では?と思ってしまいました。(キングの命令だから仕方ないとはいえ、実際可哀想である

ブラッドはいつかキングの役割を自分の元に戻す。その時はアリスも共に……という終わりでした。

白ウサギ:
ナイトメアルートから派生。
夢の中でナイトメア・ペーターと3人で話す機会が増え親しくなるアリス。

ペーターと会うのはルール違反すれすれとのことですが、ごく普通に交流できています。

しかしペーターはアリスに自分の役を譲るため、いつか自分を殺して欲しいと考えていました。というのも、アリスが完全に時間の国に馴染んだとしても、役を持たない時間のままでは簡単に死んでしまうのだそう。

アリスがこの世界で生きるため役持ちに昇格させたい、でもそのためには今いる役持ちの誰かから居場所を奪う必要がある……アリスへの愛ゆえとはいえ、なんとも残酷なウサギです。

しかもこんな話を聞いてしまっては、他ルートで誰かと結ばれてからもハッピーとはいかないような気がして、複雑な気持ちになりますよね。時計の国に残ったことを、アリスがいつか後悔する未来が来るんじゃないかなって。

いつまでも好かれて特別なアリスでいて欲しいと思ってしまうのはわがままかなぁ……
誰かを殺したり、忘れられたりする未来が待つなら、一生余所者でいて欲しいと思ってしまう私もまた残酷。

アリスは時間の国に残る覚悟に決めますが、それはペーターあっての時間の国。案内人なんだから最後まで責任とって守ってね!な終わり方が非常にしっくり来る感じで良かったです。

ノーマルエンドの方でナイトメアが次の国があるようなことを仄めかしていたので、次こそは再会できるといいなぁなんて思います。

スペアリ Q&Aコーナー

白サイドをプレイしていなくても大丈夫?

推しが黒にいるので黒からプレイしても問題ないですか?

正直おすすめしません。

黒は白で誰とも結ばれなかった状態からスタートするので、アリスがスペードの国に来た経緯や白で行われた催しのことなど、さらっとした説明しかありません。

白で出会った人達とも親しい状態からスタートするので「??」となる可能性大です。

推しが黒にいる場合でも、できれば白からスタートすることをおすすめします。

過去作プレイしてないんですが……

過去作プレイしてないんですが……

未プレイの状態だと正直「?」となることは間違いなくあります。(エースの言動やジョーカーの目的など)

しかし1作目から順番にプレイしようとすると時間も費用も果てしなくかかり、スペアリに辿り着く前に力尽きる可能性大です。

なのでスペアリ気になるんじゃーという方はとりあえず体験版をプレイしてみて、大丈夫そうなら本作や過去作をプレイされることをおすすめします。

ちなみに体験版のデータは本編に引き継げるので便利ですよ。

スペアリではアリスが記憶喪失という設定で、疑問に思ったところはその都度説明が入るので、今作からプレイするよという方でも入り込みやすいと思います。

攻略外キャラクターの出番はある?

攻略対象じゃないキャラも活躍しますか?

ネタバレを含むため伏せますが、攻略外キャラクターの出番はかなり多めです。

続きを読む
  • ブラッド…攻略キャラではありませんが、色々おいしい立ち位置なので好きなら買い
  • ペーター…短めのルートあり&出番多め
  • ユリウス…ルートによって登場。交流はないものの、アリスへの親愛が感じられる描写あり

その他、白サイドのメンバーもちょこちょこ登場します。

選択肢ジャンプはできる?

設定を見ても選択肢ジャンプに対応するボタンがありません。できないんですか?

できます!

メニューを開いて1番上にある「NEXT SELECT」が選択肢ジャンプにあたります。

分かりづらいですよね……

ハトアリの真相含む世界観のネタバレ

WHITEの感想から再掲になりますが、参考になれば幸いです。

続きを読む

メモ書き程度ですが思いついた範囲で…
記憶が曖昧な部分もあるので間違っていたら申し訳ないです(´・ω・`)

・この世界は別名「時間の国」。住民の心臓は時計でできており住民の正体は時間。

・役持ちは1時2時などの12に区切られる時間で、顔無しは一瞬で過ぎ去る些細な時間。

・死んだら体は消滅し時計だけが残る。
時計は回収されて時計屋の元に集められ、修理されてまた役割を与えられるため、全ての人はただの「器」で代えのきく存在。
※ 修理されると別人になるらしい。

・余所者であるアリスは心臓を持っていて代えがきかない存在。
時間を大切にする余所者は誰からも好かれる。

・アリスは美しく賢い姉(ロリーナ)が大好きだったが、同時にコンプレックスを抱えていた。

・姉と庭で過ごす日曜昼下がりの時間を愛していた。

・当時付き合っていたアリスの恋人が実は姉のことを好きだったと知り姉にきつく当たってしまう。

・その後、体の弱かった姉は体調を崩し亡くなってしまう。

・アリスは姉の死を自分のせいだと責めて(この辺りがアリスの考える自分の罪)、失った時間に執着。
「時間が止まればいいのに」と考える。

・アリスの愛した時間(午後2-3時)の役持ちであるペーターは、自分の時間を愛してくれるアリスを大切に思っていた。

・アリスの願いを叶えて幸せになってもらうため、ナイトメアに協力してもらい「少し前の時間のアリス」をハートの国へ導く。

・時計の国では罪悪感を抱えた人が監獄に導かれる。(罪悪感を感じない極悪人は処刑人(エース)に殺される)
そのためアリスの前には頻繁にジョーカー(ホワイトさん)が現れ、過去を思い出させようとする。
アリスのジョーカーはアリスにしか殺せず、他の人が殺しても何度でも復活する。

個人的レビュー

スペアリの好きなところ

白での滞在地が選べる

本作はストーリーの関係上、白で滞在していた土地から「駅」or「黒の領土」へ引っ越すことになります。

白での滞在地はプロローグ開始時に「帽子屋」or「白の領土」を選べるのですが、当然元の滞在地のキャラたちからは惜しまれることに……

ちょっと申し訳ない展開ではあるのですが、古巣へ近況報告に出かけたり、定期的に心配されたりと出番は多めです。

元の滞在地のキャラたちの違った一面が見られるのはおいしいポイントかもしれません。

時々大きくなる文字とアリスのツッコミ

時々文字が大きくなる演出が相変わらず面白いです。

アリスの心の声がなかなか酷くてクスッと笑ってしまいます。

スペアリに物申したいところ

イラストに違和感

残念ながらBlackサイドの作画担当は藤丸先生ではありません。

仕方ないとは頭で理解しつつも、なまじ似ている分違和感が大きくてうーんとなってしまいました。

謎のおまけシナリオ

WHITEとBLACKを全てクリアすると、それぞれのソフトのギャラリー内におまけ小話が追加されます。

正直BLACKを読み終えた時点では2作を完全クリアしたファンに対するご褒美がコレってちょっとどうなのかなぁ……なんて思ってしまったんですが、WHITEの方は皆暴走気味で面白かったです。

登場キャラは各ソフトの攻略キャラ+ペーターで、内容は以下のとおりです。

◆BLACK=会社風パロ
企業に勤める攻略キャラたちが会社で行うイベントについて話し合う

◇WHITE=学園パロ
WHITEは対立する2つの学園に属する生徒たちが、合同で行う催し物の内容を考える

攻略キャラ同士のわいわいしたやりとりが好きな方にはおすすめ。クリアしたら是非チェックしてみて下さい!

総評

ストーリー  : 4 out of 5 stars (4 / 5)
グラフィック : 4.5 out of 5 stars (4.5 / 5)
音楽     : 3 out of 5 stars (3 / 5)

システム   : 4.5 out of 5 stars (4.5 / 5)
ボリューム  : 3 out of 5 stars (3 / 5)

総合評価   : 4 out of 5 stars (4 / 5)

前作同様ボリュームは控えめで1ルート2~3時間程でクリア可能。隠しキャラのルートは他キャラルートからの分岐となり、短めでした。

各キャラストーリーは全10章、エンドはBEST,GOOD,NORMALの3種類。

幕間の章が4つありますが、ほぼ全ルート共通なので2周目以降はスキップ可能です。

まとめ

最後に

長々と書いてしまいましたが、とっつきやすさは◎、新鮮さはないかなぁという印象でした。

過去作で記憶から飛んでいる部分も多いので、やはり原点ハートの国から順番に移植されたらいいなぁと思わずにいられません。

とりとめない感想ですが、本日もお付き合い下さりありがとうございました!

前作(Wonderful White World)の感想はこちら

漫画版のおすすめ

余談ですがアリスシリーズは小説版も漫画版も沢山出ていて、色んなルートを色んな作家さんが描かれています。

個人的には本作の原画担当である藤丸さんが描かれているジョーカーの国のアリス(ブラッドがメイン)の漫画がおすすめです。

当時公式アンソロジーを読み耽っていた記憶が…懐かしいです。

Switchやスマホアプリのおすすめ乙女ゲームはこちら!

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頻繁に行われるアップデートにより、2023年現在の攻略キャラはなんと30名以上!頼りがいのある大人の男性から年下の彼、ツンデレからヤンデレまで、きっとあなた好みのキャラが見つかりますよ。

実際に遊んだ感想も記事にしているので、良ければレビューも参考にしてみて下さい!

この記事を書いた人

モッチと申します。
2022年からゲーム特化WEBライターとして活動中。
プレイした作品や漫画の感想をのんびり書き綴って行きたいと思います。
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ゲーム特化のWEBライターとして活動しており、企業サイト様への納品実績があります。レビューなど仕事のご依頼はお気軽にご連絡下さい。
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