こんにちは、モッチです!
いつも遊びに来て下さりありがとうございます。
本日は「蝶々事件ラブソディック」の感想を、作品紹介 → 個別ルート感想 → 個人的レビュー → 総評 → まとめの順に書いていきたいと思います。
「ラスボスは◯◯」といった核心は書かないつもりですが、ルートの内容含むネタバレはがっつり書きますので、これからプレイされる方はご注意下さい!
・ネタバレを含む部分は、「続きを読む」ボタンでワンクッション置かせて頂きます。
本日もよろしくお願い致します。
目次
作品紹介
蝶々事件 ラブソディックとは?
特殊な体質を持つ主人公が謎の敵に狙われ、事件に巻き込まれるといったストーリー。
『オトメイト×RED×ARIAの三社コラボレーションで贈る耽美ミステリー』ということで漫画版も発売されています。ストーリーはシリアス・イラストは美しく仄暗い雰囲気の作品でした。
めちゃくちゃ面白い!とは言いませんが、「人外から狙われる美少女」というパワーワードや、作品の雰囲気に惹かれた方は是非遊んでみて頂きたいです。
主人公に執着する頭のネジが飛んだ人物がいるという点だけで個人的には万歳でした(何言ってる
ストーリー概要
昭和五年 横濱――。
大戦後、軍国主義の風潮が陰鬱な影を落とすこの国で異国情緒溢れる華々しい発展を遂げた横濱。
ある夜、そんな狂瀾の街で女学生の惨殺死体が見つかる。
『名門女学校の子女惨殺』というセンセーショナルな事件に世間は湧くがそれはここ最近横濱で起っていた、扇情的で猟奇的な《怪奇事件》のひとつにすぎなかった。
――事件から遡ること一ケ月。
横濱駅にひとりの少女が降り立つ。
少女のもとに、名門と名高い「イエーヴァ女学校」から編入案内が届いたのは数ヶ月前のこと。
身寄りのなかった少女は、希望を胸に横濱へと向かった。
それが《少女の秘密》を欲する者たちが用意した、誑惑(きょうわく)の招待状とも知らずに――。
「どれだけの数が“彼女”に惹きつけられるか……愉しみだ」
《少女の秘密》――それは自身も知らぬ密やかなる《香り》。
その《香り》は“彼ら”を魅了し狂惑させる。
秘密は蜜か。例えそれが甘い毒だとしても――。
引用元:http://www.otomate.jp/chouchoujiken/
ヒロイン紹介
主人公:香月 えれな(変更可能)
イエーヴァ女学校に転入してきた4年生。
物事の明るい面を捉え、相手に合わせて行動できるが芯は強く、意外に頑固な一面もある。
異国の血が入っており、瞳や髪を否定される事が多く気にしている。
引用元: http://www.otomate.jp/chouchoujiken/
父親が日本人、母親がロシア人のハーフということで髪と瞳の色が変わっており、人からからかわれて来たため自分に自信がありません。
礼儀正しいですが曲がったことには毅然と対応する、普通に良い子だなぁという印象です。
漫画版ではキックで扉を吹っ飛ばしたりしていたので、物理系女子かな?と思っていたのですが、ゲームでは戦える設定ではないようで基本守られています(オイ
攻略キャラクターとおすすめ攻略順
攻略キャラクターは全部で5人。
初回は狐射堂遥、神藤将成の2人のみ攻略可能です。
2人をクリアするとシドニー、源 イ織が攻略できるようになり、 神藤 理智は必ず最後になります。
個人的には 狐射堂 遥 → 神藤 将成 → シドニー → 源 イ織 → 神藤 理智 の順をおすすめします。
狐射堂 遙 | CV:村瀬 歩さん |
神藤 将成 | CV:小野 友樹さん |
シドニー・ワトキンス | CV:諏訪部 順一さん |
源 イ織 | CV:松岡 禎丞さん |
神藤 理智 | CV:浪川 大輔さん |
個別ルート感想 (ネタバレON/OFFボタンあり)
狐射堂 遙 CV:村瀬 歩さん
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歌劇団のトップスタアで学院女子からの憧れの的…と見せかけて本職は陰陽師の長と、設定盛り沢山な遙様。どこからどう見ても素敵なお姉様ですが男性です。
お声が本当に女性のようで素晴らしかった…!
ゲーム開始してしばらく「これで男性だなんて嘘だろ…?」とポカーンとしながら聞き入っていました(笑
それなのに男性verの時は一瞬にして男性ボイスになるので本当に素敵でした。
陰陽師の仕事柄夜に外出することが多いものの、学院は夜間外出禁止のルールがあるため、同室になったえれなに黙っててもらおうと懐柔する目的で親切にしてくれます。
最初はそんな下心?があったものの、優しすぎて隙だらけの彼女を放っておけず、ついつい世話を焼いてくれる優しい人でした。
意外と早い段階で、非徒に襲われたえれなをかばった際に負った傷で男性だとバレます。
そして非徒の狙いがえれなであることに気付き、軍の囮調査に協力することになるのですが、成り行きで手を組んだ遙様と将成さんの仲が険悪すぎて笑いました。
将成さんは超真面目なので、理由があっても遥様が女装しているのは理解できないようです(笑
そんな遥様が女装するのは、狐射堂家は女系で女性しか跡継ぎになれないことが原因でした。しかも男性は忌み子とされ産まれたら殺されてしまうというのです。なにそれ怖い
そんな慣習を嫌がった家族により遥様は表向きは死んだことにされ、跡継ぎである双子の姉と共に2人共「狐射堂遥」として育てられていたのですが、ある時遥様以外の家族全員が非徒に殺されてしまい、非徒への復讐を胸に遥様が姉として生きることを決めたのでした。
陰陽師の力は女性にしか使えないのに、えれなに惹かれてからは男でありたいと思ってしまうようになったため、どんどん力を使えなくなってしまい悩む姿が不憫でした。
実は狐射堂家が不思議な力を持つのはえれなと同じ、オリガという謎の女性を起源とした血を引いていることが原因なのですが、オリガの血を引く男性は遺伝子の関係でいずれ非徒に変化してしまうという衝撃の事実があり、家族の仇を前に遥様も非徒になりかけてしまいます。
それでも遥様は遥様だというえれなの呼びかけで自分を取り戻して仇を倒し、最終的には人として生きていくというお話でした。
一歩間違うと一瞬で非徒側に堕ちてしまうので不安は残りますが、遥様とお姉さんが2人で1人であったように、えれなもずっと側で支えて生きて行くという終わり方がしっくり来ました。
ただおそらく重要であった過去のお話が遙様から少し語られた程度だったので、彼がこれまで生きて来た重みみたいなものが伝わりにくく、全体的にさらっとした印象を受けました。姉遥様の婚約者だった万葉さんについてももっと詳しく掘り下げて欲しかったなと思います。
しかしえれなに近付く男達に嫉妬しまくる遙様にはニヤニヤしましたし、男性バージョンの陰陽師スタイルも格好良かった…!
あとCV興津さんの非徒が本当にいい声ではまり役だったなぁと思います…!(よく分からない感想だな!
神藤 将成 CV:小野 友樹さん
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威圧的な態度で女性嫌いな軍人。
実は彼の父親はえれなの父と親友同士で、歳の近いお互いの子供を結婚させようと約束していたため、えれなと将成さんは許嫁の関係だと判明します。
共通ルートは囮調査など遙様と所々同じ展開も見られますが、軍サイドからのお話なので色々と新鮮でした。結核の予防接種は絶対にやばいやつや…と思いながら見ていました(笑
ふと将成さんが寮の部屋についてえれなに聞いたことで、男だとバレた後も遙様とえれなが同室で暮らしていると知られてしまい「嫁入り前の男女が同じ部屋なんてとんでもない!」という理由から強引に神藤家へと連れてこられてしまいます(笑
父さんが息子の嫁大歓迎ムードなのには笑ってしまいました。
とにかく最初から手厳しい態度をとられますが、焦って独断で行った囮調査でえれなに怪我をさせてしまって以降、自分の行いを反省してえれなのことをちゃんと見るようになります。ここに来るまでに実に7章、デレるまで長かった…!笑
その後は自分だけ名前で呼んでもらえなくて拗ねたり、彼女に何か言いたくてチラチラ見たりと大変可愛らしかったです。
将成さんが女性を弱いものとして嫌うのは、身体が弱かった母親を病気で亡くし、置いていかれる悲しさを知ったからで、守らなくてはいけないという使命感から厳しい態度をとってしまうとのことでした。正直そこは優しくしようよ!とか思ったのは内緒
非人の正体は軍が兵器として作ろうとした強化人間の失敗作であることは、遥様√でも判明するのですが、更に将成さん√では軍が非徒化の薬をバラまいていることが判明しました。
予防接種と称して薬を投与されていた将成さんも危険なことに…
肝心のお話については軍の腐敗を正して非徒の力に頼らず、人間の力で国を良くして行こう!という内容で綺麗に終わったのですが、正直説得だけで魅力的な力を捨てられるのか?と疑問に思ってしまいました(´・ω・`)私の心が汚れているのかもしれない(オイ
グッドエンドではえれなと将成さんが、非徒化しかけている人達を救うための薬作りへの協力を決意するという内容でした。
まだまだこれからといった終わり方でしたね。上手くいって将成さんも治るといいなと思いますが続きが気になるところ…!
2人攻略を終えた時点ではオリガとは一体どんな存在なのか?等まだまだ謎だらけでした。えれなの能力は最強すぎた。
とりあえずファンタジーだったなぁという印象です(笑
人ではない存在を非徒(あらず)と呼ぶのは良いネーミングだなぁとぼんやり思いました。
しかしサクサクお話が進み次から次へと展開して行くので続きが非常に気になりました。人物の心情についても丁寧に描写されていたなと思います。
シドニー・ワトキンス CV:諏訪部 順一さん
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イギリスから来たジャーナリスト…というのは表の顔で、実は巷を騒がせている怪盗ブランその人。
他のルートで怪盗ブランは登場しないため、実は共通ルートの初め頃に名前を聞いてから存在を忘れていたのですが、イ織君ルートでちらっと名前が出て来てもしや…!と思っていました。
パーティの夜に迷い込んだ部屋で周防さんに襲われそうになったところを、宝を盗みに来た怪盗姿の彼に助けられます。
えれなは最初は彼だと気付かないのですが、一緒に踊った際に怪我をしていることに気付き、すぐに彼の正体に思い当たります。
その後もとにかく何度も助けてくれるので、頼もしいことこの上ありませんでした。
特にイ織君の屋敷に軟禁されてしまったえれなを颯爽と救い出してくれるシーンではキタ━(゚∀゚)━!となりました(笑
保護してくれた上もっと周りを頼っていいと諭したりとにかく優しくしてくれますが、何やらロシアに情報を流していたりと一筋縄ではいかない雰囲気のシドさん。
ストーリーは色んな国を巻き込んで、これまでのルートで1番大ごとになりました(笑
実はソビエトのスパイで非徒化の研究資料を狙っている…と見せかけて、イギリス側な2重スパイだったり、果てはロシアの皇族だと分かり目玉がポーン!となりました。
しかしそれら全てを捨てて、えれなを盗んで逃げることに決める辺りは潔いなと思います(笑
彼が裏切ったように見えたシーンではハラハラしましたが、2重スパイと言うことは最初からユアン(友人)が助けに来てくれるのを分かっており、えれなをイ織君に引き渡す気はなく、資料を手に入れる事が目的だったんですよね?
この辺りフォローがなかったのでもやっとしましたが、えれなもそれが分かったのと、幼い頃自分を励ましてくれた天使様が彼だと気付いたから、シドさんを信用できたんだと脳内補完することにします(笑
しかしこれまでで1番何も解決してNEEE!
源財閥も軍もそのままで非徒治療薬を作るためにアメリカへ渡る形になったので、列強各国から逃げ惑う日々が始まるんじゃないかとおばさん心配です。
シドさん格好良かったんですが中盤は停滞気味で後半急展開すぎたなという印象でした。
そしてこのルートでのえれなは立場に翻弄されっぱなしで(仕方ないとはいえ)割と何もしてないなー…と思ってしまいました(爆
しかしながら攻略キャラの中で唯一普通の人間だし強いしで、えれなが1番幸せになれそうな相手はシドさんかなと思います。
源 イ織 CV:松岡 禎丞さん
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イエーヴァ女学校の学園長。
見た目は可愛らしい少年ですがかなり傍若無人な性格。
400年位生きてるんじゃないかと勝手に予想していたら、理智さんと同級と聞いて意外に若い!と思ったのは内緒です…!(失礼
気持ちの変化が忙しいルートでした…!
正直クリアした今でもどこに気持ちを持って行っていいか分からない…!(笑
まずイ織君の目的は非徒を使った国家転覆、その目的は「面白いから」です。未完成の非徒化の薬を完成させるために、えれなの血を手に入れようと様々なゲームを持ちかけてきます。
彼女の力を見るためにわざとパーティを開いて女学生を非徒に襲わせたり、えれな自身を襲わせたりと、中盤位までのイ織君はともかく自分の楽しみのためなら犠牲など全く気にしないという、いっそ清々しい位の外道だったので「理解不能」の4文字に尽きました(オイ)
しかし8章位から徐々に、イ織君が現在のような考え方をするに至った経緯がポツリポツリと語られるようになります。
源家の妾の子であったイ織君は本妻の嫌がらせで母を失い、更に結核にかかり孤独と苦しさから死を救いだと考えるようになります。
でも心の底では死にたくない、誰かに側に居て欲しかったという思いがあり、えれなとの触れ合いは彼の孤独な心を徐々に癒していきます。
えれなが夜うなされているイ織君に気付き寄り添う内に、抱き枕にして寝ていた時は笑いましたw
他にも街に出るという彼女に無理やり付き添ってデートしてみたり、庭で一緒に食事をしたりと徐々に歩み寄っていきました。
最初はえれなのことを非徒化薬を作るための道具としか見ていなかったイ織君ですが、自分が人間だった頃に抱えていた孤独に寄り添ってくれる姿を見るうちに、次第に大切な存在になっていき思い悩むように。
えれなもそんな彼の孤独な一面を見てそばにいたいと考えるようになります。
やがてイ織君はえれなと一緒に生きていきたいと希望を持ちそうになりますが、そこで実はイ織君が間接的とはいえ両親の仇であることが分かります。
何かを言いかけたイ織君の手を驚きから拒絶してしまったえれな。この時表示されるスチルのイ織君の置いていかれた子供のような表情が本当に印象に残りました。
彼は最初に出会った頃の顔に戻り最後のゲームをしようと持ちかけます。
国家転覆を阻止できたらえれなの勝ち、報酬はイ織君の命というゲームに対し、えれなは彼に対し逆に別の最後のゲームを持ちかけることで説得します。
イ織君は説得を受け入れ非徒化を治すための薬を作るために2人で旅立つ、というのがグッドエンドでした。
この辺りの流れはぶっちゃけあっさりしていましたね!
首相官邸を爆破しようとまでしていた危険人物を野放しにしていいのかな?と思ってしまいました。いやダメだろう…!
最初はあまりの暴君ぶりにクソッ後から可哀想な過去とか分かっても絶対に同情しないぞ…!と思っていたのに、結局は可愛いじゃないかと思ってしまって悔しい(´・ω・`)(コラ
イ織君のことは好きですが、罪深すぎて幸せになっていいのか少し悩んでしまうルートでした(爆
結局彼が非徒なのか人のままなのかは判断がつきませんでした。一応えれなの香りに惹かれている様子はあったので中間位だったのかな?と思います。
神藤 理智 CV:浪川 大輔さん
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ついに最後の理智さんです!
彼のルートに入る際は初めからを選択すると、名前入力の後いきなり「神藤理智ルートをプレイしますか?」と選択肢が出るので最初から別枠か…!とテンションが上がりました(笑
そして真相ルートだけあって内容は凄かった…彼が何かある様子なのは攻略制限とイ織君ルートで何となく予想できたのですが、いざ色々と明らかになると驚きますね。
おおまかな流れは他ルートと同じですが、所々に他キャラの心情や場面が追加されていました。ただ同じ部分もあるので既読スキップはさせて欲しかった…(笑
優しく穏やかな人に見える理智さん。
実は彼は幼い頃から人の感情が全く理解できない人間でした。
病気で苦しむ母親の気持ちを理解できず、自分が何か言うたび顔を歪める母の様子を見て、相手の顔の「歪み」を見分けることで怒りや悲しみ、喜びといった感情を判断して対応するようになっていきました。
しかし母親から嫌悪され、死の間際に「人でなし」と言われたことで、自分を「人でなし=人ではない事=化け物」と思い込み、同時期に見たえれな父からの手紙にあった「化け物(非徒)」の研究にますます興味を持つようになってしまった、という経緯がありました。
といった様子で、ちょこちょこ入る理智さんの少年時代の回想が不穏で、神藤父にえれな父の手紙が届いていない理由が分かったり、理智さんの欠落している部分が徐々に分かる様子にはドキドキしました。
遙様が非徒の攻撃で怪我をし周りに男性だとバレた後、理智さんの提案でえれなは1度気持ちを落ち着かせるために神藤家にお世話になることになります。
そこでは神藤一家と食卓を囲んだりほのぼのとしたエピソードもありました。理智さんは実はものすごく不器用で、昔家政婦さんがいない時に将成さんにとんでもない料理のようなものを出したという話には笑ってしまいました。普段も魚を茹でてそのまま食べてるそうですよ(笑
そうしてえれなは和やかに理智さんとの交流を深めていき、彼のことを好きになる一方で、幕間に挟まれる回想がえれなと理智さんが金沢にたどり着いた時に現在へ繋がる演出が見事でした。
そしてそこからの展開が悪夢すぎた。
頭おかしい人3人(ひどいのは内2人)の語る内容にもちさんの頭がキャパシティを超え、誰かえれなを誰か助けてあげて…!となりました\( ^o^)/<助けて遙様ー!
過去の金沢にて、研究を破棄しようとする香月夫妻に対し、本当にそれでいいのか悩む周防さんの背中を意図せず押してしまい、夫婦を殺させる原因を作ったのが理智さんだったとは…
両親を失い感情を暴走させたえれなの「香り」は、理智さんの脳にも影響を及ぼし、彼は初めて悲しみといった感情を経験します。
生まれながらに欠けていた彼に感情を与え「人間」という実感をもたせたこの時から、理智さんにとってえれなは全てであり神のようなもので、絶対に守らなくてはいけない存在になりました。
いずれえれなの遺伝子を狙う者が現れ危険に脅かされる前に、彼女にとって平和な世界を作ろうと考え、彼女に従順な世界=非徒の世界を作ろうとします。
そして周防さんも自分を導いてくれた理智さんを悪魔だと考え仕えることに。
イ織君を助けたことも、加瀬さんが暴走したことも、何の悪意も持たないのに理智さんが全ての元凶であるという辺りに恐怖を感じました。
全てを知ったえれなは彼らの考えを理解できないと思いつつも、諦めずに向き合おうとします。
そしてえれなが悲しむ姿を見るうちに、理智さんにも徐々に変化が生まれ、苦しむようになります。
「そんな世界では自分の体は守られても心は死んでしまう」というえれなの言葉は本当そうだな、と思いました。
えれなの説得を受け入れ、理智さんは彼女と一緒に生きて行くことを決めるのですが、他ルート同様に結末は割とあっさり改心してくれるな、と感じてしまいました(苦笑
周防さんも両親のことで実は罪の意識を感じてましたとか言い出すし。本当かよって感じでした(オイ
もうね…あんな話が通じない連中に対しても懸命に向き合うえれなが健気すぎて涙出てくるレベルでした…(笑
本当に頑張ったねと褒めてあげたい。
でも理智さんは本当は感情がないのではなく、小さい頃に父は戦争、母は病気がちであまり家にいなかったため、与えられてこなかったから分からないのだというくだりは可哀想だなと思いました。
ちなみにえれなが弟の許嫁であることについて理智さんは「自分が彼女と結婚なんてとんでもない、おこがましい、むしろ自分と同じ遺伝子を持つ将成さんが…と思うとこの上なく嬉しい」という歪みない考えをお持ちでした(
もはや崇拝です。
自分は近くにいなくてもいいから、ただ彼女が在ればいいなんてある意味究極の愛の形だなと。でも近いようでものすごく遠いですよね。
しかしクリアした後に彼の考え方はどこかで見たことがあるような気がしてふと気付きました。
ああ、CLOCK ZEROの鷹斗君だ…
個人的レビュー
遥様の演技が素晴らしい
正にこの作品の顔といったお方で、女性/男性姿の演技の素晴らしさは文句なしにMVPかと思います。
システム面は快適
既読スキップは早いし、多少読み込みは長いものの選択肢へのジャンプがあるのは素晴らしかったです。
豊富なエンディング曲がすごい
今作では5人×エンディング2種類で、何と10種類もエンディング曲(歌)が存在します。
いずれも主題歌と同じくLOVERIN TAMBURINさんが担当されているのですが、それぞれのエンドに沿った内容になっていて良いな…!と思いました。
イ織君バッドのGameOverと理智さんグッドのふたりが特に印象に残っています。 ボーカルコレクション等発売されるなら是非聴いてみたいなと思います。
しかしエンドロールが真っ暗で寂しいので、グッドエンドは背景にスチル位あっても良かったんじゃないかと。
一部スチルが残念
動きのある場面のスチルは軒並み美しいな…と思ったのですが、こう日常の一コマのようなシーンでは所々残念だなと思ってしまうものが個人的にはありました(ごめんなさい
理智さんのスチルが所々残念なのは、話の流れと共に多分絵師さんも力尽きたのだろう…(絶対違う
特にエンディングのスチルはバッドもグッドも顔がよく見えない上、バランスも良くないので残念3割増だなと思ってしまいました。
あと非徒のイラストが何かショボくないですか?
あんまりリアルにしても怖いですが、もう少しどうにかならなかったのかなと思います。
場面に合わないBGM
まったりした曲は良いのですが、明るい場面で流れる曲が何というか明るすぎて?いや元気が良すぎて作品の雰囲気にあっていないような気がしました。
総評
ストーリー : (4 / 5)
グラフィック : (3.5 / 5)
音楽 : (3 / 5)
システム : (4 / 5)
ボリューム : (4 / 5)
総合評価 : (3.7 / 5)
ボリューム的には長すぎず短すぎずで全10章程度、個別ルートに入ってから3時間程度で終わりました。
グッドとバッドエンドの分岐は7章位のセーブを残しておいてひたすら好感度の上がる方、下がる方を選んでいけば両方見られました。
途中まではあれこれ不満点があったのですが、某ルートがぶっ飛び過ぎていて、最終的に割と全てに満足しました(笑
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もうですね…どこか欠けているけど本人はどこが悪いのか全く分かっていないような人間とか本当に好きなんです。
リアルにいたら勘弁して下さいといった感じの人種ですが、乙女ゲーにおいては本当に萌えます(笑
ゲーム中は頭おかしいwwwwってなるんですけどね。
まとめ
最後に
良い点も沢山あるのですが、悪い点もちらほら目立つ作品でした。
後日談がないのと話が続きそうな終わり方をしているあたり、最初から続編かFDを出す予定なんじゃないかなと邪推してしまいますね。
そう考えてしまうレベルでお話面は少し物足りなさを感じる出来でした。
後日談は勿論、機会があれば万葉さんやユアンさんなどサブキャラの話も掘り下げて欲しいなと思います。ユアンさんはちょっと難しいかもですが過去話とかで…!
しかしながらキャラクターは全員魅力的なので気になるキャラがいる、という方は是非遊んでみて頂きたいなと思います。
中でも遙様が気になる方は問答無用で遊ばれることをお勧めします。
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