こんにちは、モッチです!
『滄海天記』をフルコンプしましたので、作品紹介 →感想 → 個人的レビュー → 総評 → まとめの順に書いて行きたいと思います。
・ネタバレを含む部分は、「続きを読む」ボタンでワンクッション置かせて頂きます。
・辛口感想を含むのでそれでも大丈夫!という方のみお付き合い頂ければ幸いです。
本日もよろしくお願い致します。
作品紹介
『滄海天記』とは?
作品紹介
『滄海天記』は、2022年12月8日に「オルタギア」から発売されたNintendoSwitch向けアドベンチャーゲーム。
恋愛要素は一切存在せず、少年漫画のような熱い友情&バトルが展開されるのが特徴!
オルタギアは乙女ゲームで有名な「オトメイト」が新設したゲームブランドで、今後も男性同士の友情や絆をメインにしたノベルゲームを制作していくとのこと。
ゲーム発売に先駆けて舞台が公開されるなど、新しいファン層にアプローチしようという挑戦が感じられる作品です。
ちなみに女性は全くと言っていいほど登場しないし、特にBLを狙った描写も感じられなかったよ。
完全なる友情モノかぁ!
ストーリー概要
自分の名前以外の記憶を失った少年・ミナトは、和ノ国本土から遠く離れた印岐島(いきしま)へ、罪を犯した者=流人として流される。
何も分からず戸惑うミナトだったが、島の少年カズヤ、ナギサ、レイジたちは不思議な魅力を持つミナトを受け入れ、それぞれ交流し、時には争い、成長して次第に強い「絆」が結ばれていく。
記憶は戻らないものの新しく穏やかな日々を過ごしていたミナト。
しかし闇の力が、本土から遠いこの平穏な島からも徐々に陽の光を奪いつつあった。数カ月前に本土で起きた本能寺の変。天下統一を間近にした覇王・織田信長は謀反によって討ち取られたと言われているが、その骸は見つかっていない。
本能寺でいったい何が起きたのだろうか?
引用元:https://www.ideaf.co.jp/altergear/soukaitenki/
神々の思惑による運命や使命に抗い、従い、困難と対峙するミナトが辿り着き、築きあげる未来とは――
レビューはこちら
主人公紹介
主人公:ミナト
記憶を失い、罪を犯した者=流人として島に流された少年。
礼儀正しく、人の痛みを理解できる優しい性格で周囲に好かれ、流人となったのは何かの間違いではと、みな首を傾げる。時折頭の中で、自分を呼ぶ声が聞こえることがあり、失われた記憶と何か関係があるのか、気になっている。
引用元:https://www.ideaf.co.jp/altergear/soukaitenki/chara/?page=profile#no0
続きを読む
全ての記憶を失っている、どこか神々しい少年。
普段はポヤポヤして礼儀正しいのに、戦闘になると殺気を放ちながら首狙ってくるギャップがとても良くてですね……
親戚の兄貴または父親ポジションの神・須佐之男様との距離感がいいコンビでした。
自分が神の巫子であり、使命を背負っていることへの特別感や恍惚感を持っているという描写も等身大の少年らしさが感じられて良かった。
かなり好きな主人公です。
攻略キャラクターとおすすめ攻略順
攻略キャラクターは5名。
攻略制限がないので好みのキャラから特攻してもOKですが、カゲロウルートには他4人クリア後に解放されるトゥルーエンド行きの選択肢が存在するためラスト推奨。
というより攻略制限かけなくていいの?と言いたくなる内容なので最後が無難でしょう。
攻略キャラクター&キャスト紹介
ミナト | CV:山下 大輝さん |
レイジ | CV:梅原 裕一郎さん |
カズヤ | CV:石川 界人さん |
ナギサ | CV:谷 佳樹さん |
ゲント | CV:鮎川 太陽さん |
カゲロウ | CV:高崎 翔太さん |
共通ルート感想 (ネタバレON/OFFボタンあり)
続きを読む
・プロローグ~1章
主人公は記憶喪失の少年ミナト。
自分が何の罪を犯したのか全く分からないまま、果ての島行きの船で目覚め途方に暮れます。
時おり自分の内や遠くから聞こえる声の存在、印岐島の横柄な役人を倒す時に発揮した力から「只者ではない感」が伝わってきて、「一体過去に何があったんだろう…!?」とワクワクしました。
ミナトが役人を倒すところを見ていたカズヤ・ナギサの2人に気に入られ「水軍の仲間になれ」と言われた時、人から居場所をもらえてホッとしたような、緊張がほぐれる様子が伝わってきて、こちらも温かく安心した気持ちになりました。本当にテキストが美しいんですよね……
しかしカズヤとナギサは罪人ではなく、元々この島に住んでる島民とのこと。
ということは罪人たちは後から送られてきたのでしょうが…治安悪い人たちが住み始めて、元々の島民にとっては嫌すぎますね(オイ
割と早い段階でミナトに呼びかける声の正体が須佐之男様と天照…の依代であるカゲロウだと明かされるので先が推測できて面白いです。
本作は日本の戦国時代を舞台にしたファンタジーなのですが、本土では太陽が出なくなり作物が育たなくなったことで、ミナトたちの暮らす印岐島でも日照時間が日に日に短くなり、人々の間に不安が広がっていました。
そんな中でも希望を捨てず、鍛錬したり船を造りながら活動する仲間たち。記憶を失う前のミナトを知っている様子の謎の男・ゲントが仲間に加わり、ミナトはレイジが禰宜(神主の下の役職)として暮らす神社に下働きとして身を寄せ、平和に暮らしていました。
充実した島暮らしがいつまでも続けば……と思っていましたが、やはりそうはいかず。
ほどなくして島は闇に包まれ、突如現れた船により「屍鬼」(しき)と呼ばれる化け物が放たれます。
なすすべなく命を奪われ、屍鬼と化していく島民たち。ミナトは内にいた神・須佐之男様の力を借りて窮地を脱します。
しかし屍鬼は不死身で、倒せるのは神の力を持つミナトのみ。かつて家族だった者たちを斬り捨てながら、ミナトたちは島を脱出するのでした。
ちなみにプロローグからこの1章が終わるまでにかかった時間は2-3時間ほど。かなりのボリュームです。
・2章
ミナトと同じく島流しの身である武士・嘉隆の船に乗り、レイジの生まれ故郷である「神隠し島」を目指すことになった一行でしたが、食糧の備蓄が足りず本土に立ち寄ることに。
どう見ても育ちの良いイケメン嘉隆さん(CV:福山潤さん)
その途中、ミナトの体に須佐之男が降臨し、一連の騒動の黒幕が「織田信長」であることを語ります。
「天魔」の力を借り月読の力を取り込んで第六天魔王として降臨する信長は、その力で世界を手に入れようとしていること。
かつてミナトとカゲロウは信長に挑むも敗れ、カゲロウは天照もろとも天の岩戸に封印。ミナトは記憶を封じられてしまったのだそう。(神々の加護を持つ人間は命を奪えないとのこと)
1度は敗れた相手に勝てるだろうか……と弱気になるミナトですが、仲間に励まされ「今度こそ勝ってみせる!」と気持ちを新たにするのでした。
話は戻り、食糧調達のために足を踏み入れた漁港で一行は屍鬼に襲われてしまいます。
しかも屍鬼のパワーアップ版「悪鬼坊」も登場し、あわや全滅の危機に。
悪鬼坊は純粋な殺意の塊みたいな存在で、ダメージを与えてもすぐに回復してしまいます。
その回復力を「すごい…」と熱っぽい目線で見ているナギサに、何とも嫌な予感が止まりません。
織田家の家臣が人間そのものの姿で屍鬼として登場したり、カズヤも負傷したりして大ピンチに。窮地を救ってくれたのは狐面をつけた謎の少年でした。
どう見てもカゲロウな彼の正体は一体?
・3章
強力な敵の存在を目の当たりにして以降、ミナトは「仲間の皆にも神様の加護が必要だ」と焦っていました。
鍛錬に力を入れようとするも、食糧が底をつきそうな状況では皆の士気も上がりません。
しかしギスギスしかける空気に気付いたレイジがすぐに皆の話し合いの場を作ってくれて、ミナトも自分の意見を伝えることができました。
ミナトの考えを聞いてすぐにやる気を見せる皆。良い仲間を持ったものです。
安心のあまりその場で寝落ちしてしまったミナト。心の中で須佐之男と会話し、徐々に過去の記憶を取り戻していきます。ここから過去編の始まりです。
話はミナトとカゲロウの幼少期から。
早くに両親を亡くした2人は年老いた宮司に育てられ、カゲロウもまた自分の全てを投げ打ってミナトを育ててきました。
ある時、そんな2人の前に天照と須佐之男が舞い降り、「織田信長を倒し世界を救え」と信託を授けます。
天照と須佐之男の兄弟に当たる「月読」が織田信長に取り込まれてしまったというのです。
2人が選ばれたのは寺育ちの信心深さと清らかな心の持ち主だったからなのかな?と思いますが、天照と須佐之男のように兄弟だったから、というのもあるかもしれませんね。
かくして2人は旅立ち信長の元を目指しますが、実は屍鬼に襲われていたゲントを助け、一緒に行動していた時期がありました。
その際に親しくなり、別れ際にミナトはゲントから短刀を託されています。ミナトの戦闘スタイルは二刀流ですが、片方の武器は元々ゲントのものだったんですね。
そしていよいよ信長を倒すところまで来るのですが…
めっちゃ天照に足引っ張られてた。
月読は魔物と化した信長から離れられずにいて、信長を倒すと月読も…ということで、カゲロウの攻撃を阻止してしまう天照。
さらにカゲロウを操り、攻撃しようとしたミナトをも斬りつけてしまいます。
そのまま2人は敗れ、カゲロウは天照もろとも天岩戸へ。ミナトは記憶を封じられ島流しに遭ったというのが過去の全てでした。
なんというか……全部天照様のせいじゃねえか!
何らかの方法で月読が信長に捕らえられてるのはわかってたんだから、事前に対策位考えておいて下さいよ…(めっちゃ文句言うな
ともあれ、以前の自分を取り戻しつつあるミナトに今は仲間がいる。
前とは同じ轍を踏まず、人の世に太陽を取り戻すと誓うのでした。
・4章
レイジの故郷である「三貴島」へ辿り着いた一行。
屍鬼と間違えられて島から砲撃を受けてしまいますが、島で高い身分にあるらしいレイジの一喝で撃退に成功します。
ちなみにレイジの怒鳴り声は周りの鼓膜が破れる勢いだそうです(怖すぎる
三貴島はその名の通り須佐之男、天照、月読の3体を祀っている島なので須佐之男様も普段以上の力を出せるとのこと。
島にあった祭壇に祈ることで、仲間たちもそれぞれ神々の加護を受けることに成功します。
場面は変わってナギサ。
なんと彼は2章で戦った悪鬼坊の耳を持ち歩いていました。
耳だけの状態でどこまで再生するか、神気を当てたら消滅するかなど、色々実験している様子ですが、ちょっと何かに取り憑かれているようで怖い。
(というかそんなの持っててよく神の加護を得られたな。
そして案の定、持ち込んだ耳から大量の悪鬼坊が出現し、村人に多くの被害を出してしまうのでした…
自分のせいで……と落ち込むナギサですが、みんなに正直に話す勇気もなく、次第に孤立していきます。しかも実はまだもう一方の耳を隠し持っていました。
危険を理解しつつ消滅させることができずにいるのは、耳がなくなったら敵のことを調べられなくなるから。
そう、ナギサは屍鬼にされた人間を元に戻す方法を探そうとしていたのです。
最初こそこの野郎!と思いましたが、理由が分かってしまうと簡単には責められないものがありました。
その頃、島に村上衆と呼ばれる水軍がやってきたことで、嘉隆さんの身元が判明。
嘉隆さんはかつて信長配下の九鬼水軍頭領として活躍した武将でした。
屍鬼を操る信長のことをおかしいと頭では理解しつつも、目先の力に溺れて間違いを正せなかったことを悔いていた嘉隆さん。
今度こそ道を違えず信長と戦うと決意してくれます。
村上水軍と九鬼水軍、かつての敵同士が決着をつけ和解する流れがアツかったですね。
ちらほら信長サイドの話も語られるのですが、魔物化した蘭丸、屍鬼を研究してより強力な個体を作り出す異人アルメイダなど、曲者揃い。
さらに仲間の1人であるゲントが信長方の裏切り者であることが判明……
ミナトたちの情報は全て筒抜けだし、離脱も秒読みという状況でした。うう…裏切り者展開苦手なので辛すぎる。
良い兄貴分として描写されてきましたが、言われてみればゲントのこと、何も知らなかったですもんね。
しかしレイジに正体を見抜かれていたゲントは全てを明かし、なぜかナギサも連れて皆の元を去っていきました。
兆候はあったものの、神の加護を得た仲間たちがバラバラになってしまったのが辛い展開でした。
・5章
仲間は3人になってしまいましたが、三貴島に戦艦安土(城が乗ったやばい船)が近付き、もはや一刻の猶予もありません。
ミナト・カズヤ・レイジの3人は戦艦安土に潜り込み、直接信長を叩くことに。
やや心細い最終決戦の幕開けです。
個別ルートはミナトと選んだ相手との戦艦安土でのやりとりが描かれます。
最終決戦のため必然的に尺は短く、どのルートも信長を倒して…の流れは同じなので若干飽きがくるかも。
魅せ方もあまりよろしくなく、言い方は悪いのですが「こうと決まってるからこう動く」「決められた流れ通りにただキャラクターを動かしているだけ」のような印象を受けました。
例えばとあるルートで「ボスのところへいく道がわからない」時に「じゃあまずAを探そう!」となるシーン。
私的には「急いでる状況でどこにいるかも分からないAを探すの…?」と疑問に思ってしまいました。
なんでそうなるのか若干説明が足りず、前後がうまく噛み合っていない部分が多々あったように思います。
個別ルート感想 (ネタバレON/OFFボタンあり)
レイジ CV:梅原 裕一郎さん
島の神社で宮司を補佐する禰宜(ねぎ)という役職で働く。
修行中のためほとんどの時間を神社で過ごしており、俗世にやや疎い部分もあるが、根はしっかり者。
物事を論理的に考え責任感が強く、不正には毅然とした態度で臨む。
一方で困った人は放っておけない人情家の面もあり、一時は流人と警戒したミナトを受け入れ、神社での住み込み仕事を世話する。
引用元:https://www.ideaf.co.jp/altergear/soukaitenki/
続きを読む
印岐島唯一の神社の禰宜として人々から信頼も厚いレイジ。
神職であるがゆえに、「ミナトの普通じゃなさ」にもいち早く気づいていて、須佐之男が憑依していると知って以降は友というよりは、神として尊敬するような目線を向けてきます。
呼び名も途中からミナト様に変化し、話し方も敬語になる辺り、好みが分かれそうなポイント。
個別ルートでは戦艦安土に潜入後、敵の足止めを買って出たカズヤを残し、ミナトとレイジは2人で進むことに。
「天守に辿り着けないからゲントを探して話を聞こう!」となる流れも「?」でしたが、ミナトが自分を特別扱いするレイジへの不満が爆発するのも「このタイミングで!?」となりましたね。
自分のことを「須佐之男様」としか見ていないのではないか、というミナトの言葉にレイジもしっかり心当たりがあり、反省します。
これから信長と戦うために信頼関係が重要というミナトの言い分もよく分かります。
しかしカズヤが「急げ!!」と送り出してくれたこのタイミングはないだろう。
マッハで結ばれた信頼関係から繰り出される阿吽の呼吸。
やたらよく喋る上、登場してから秒で蒸発していく敵たちなど、ややユーザー置いてきぼりの展開が続きます。
なんというか……最終章に入ってから何だかミナトが妙に弱い。敵が強すぎるのかもですが、レイジの浄化力の凄さを強調するためにミナトが弱体化されてる感を感じてしまいました。
こちらが屍鬼と戦っている間、信長たちは見ているだけなのも謎。
2人がボロボロになったところを捕らえて実験材料にしてやろうと、高みの見物を決め込んでたのは分かりますけども……なんというかお粗末なラスボスでした。
唯一、満身創痍のカズヤが勝機を作るためにレイジと一緒に宇喜多さんを倒すシーンだけは良かった。彼がMVPですよ本当に。
月読は一時的にレイジに憑依し、カゲロウを天照と救い出してからは日の本にぼんやり太陽が戻るも、力を使い果たしたカゲロウと天照の意識は戻らず。
ミナトはいずれ皆との再会を誓いつつ、カゲロウの意識が戻るのを待って屍鬼討伐の旅を続ける、という話でした。
バッドエンドでは信長に敗れた2人がアルメイダとナギサに引き渡され、屍鬼の実験体にされてしまいます。
謎の薬を飲まされた後、屍鬼化して自我を失くした2人がナギサに連れられて印岐島へ戻ってきたところで終わり……というなんとも後味の悪い終わりでした。
ハッピーエンドの方で「ナギサは操られていた」という話が出ますが、普通に話している姿を見る限りそうは見えませんね。
後から考えるとレイジのルートはかなりハッピーエンドなのですが、この時は「展開早!」という感想しか持てませんでした。
カズヤ CV:石川 界人さん
島の漁師の息子。
人を正しく見る目を持っており、流人で記憶も失っているミナトのことを悪い奴ではないと見抜いて真っ先に友達になる。
ミナトの武術の素質にも気づき、いつかは島を出て水軍で身を立てたいという野望から、自身でつくった水軍にミナトを誘う。
レイジがいる神社に住み込みで働けるよう掛け合う等、天性の世話焼きで兄貴肌でもある。嘉隆に槍術の才能を見いだされ、修行を受けることになる。
引用元:https://www.ideaf.co.jp/altergear/soukaitenki/
続きを読む
カズヤは本当にいい男でした……!
みんなの兄貴分&ムードメーカーで圧倒的光の男。
ちょっとおバカなところもあるけど、しっかり周りが見えていて、失敗しても自分の弱さを理解した上でちゃんと立ち上がるパーフェクトなイケメンでした。
すごく緊迫した戦いの場面で自分に憑いてる神様の名前を覚えていなかったのには「らしいなぁ」と笑ってしまいました。
安土に捕らわれていた囚人たちを助けて水軍の仲間に加え、共闘するシーンが良かったです。屍鬼が強くて仲間が倒れていく最中、皆を励まし鼓舞し続けた彼は間違いなく頭領でした!
ミナトが弱気になってもカズヤが引っ張ってくれるのでバランスの良いコンビだなと思います。
ミナトもカズヤがいるから安心だ、と全幅の信頼をおいていて、微笑ましい2人だなと思いながら見ていました。
ただ終わり方がですね…
信長も天魔も生死不明、カゲロウも天照も月読も行方不明のままだけどとりあえず太陽が戻ってハッピー!な雑さに笑ってしまいました。絶対信長生きてるやん!少しも安心できないYO!
俺たちの戦いはこれからだ!な終わりではありますが、もう爽やかだったのでいいのかなと。
そう思えるのはカゲロウや月読を救い出せたレイジの方を先に見ていたからかもしれません。
バッドエンドではゲントを失った怒りで暴走したミナトが須佐之男の信頼と加護を失い、信長の一撃から庇ったカズヤもろとも命を落としてしまいます。
2人が目を覚ました場所は黄泉比良坂。
ミナトは自分のせいだとカズヤに謝りますが、カズヤはこれも頭領の責任だと一切責めず。本当にいい奴すぎますね……
皆が第六天魔王を倒して現世に戻れることを願いつつ、道なき道を彷徨うのでした。
どんな終わりでも「カズヤが一緒で良かった」と言うミナト。
神に見放された自分たちが救われる(現世に帰れる)ことは恐らくないんだと気付いていながらも、2人一緒だからか絶望感は薄く、不思議と余韻の残る終わりでした。
「カズヤがいるから安心だ」という心の声や発言が多かったように思うのですが、思うにミナトは生まれた時からずっとカゲロウや須佐之男がそばにいたために孤独に慣れておらず、1人ぼっちが苦手なんじゃないかな…なんて、ふと思いました。
仲間と一緒に戦うことにこだわっていたのもその辺りから来るのかな、なんて。
なんとなくカズヤルートのミナトはカズヤがいなくなったらヤンデレ化しそう(黙れ
ナギサ CV:谷 佳樹さん
医者の息子で頭の回転が速く、航海術の才能がある。
持ち前の素直さから、学びにも真摯で吸収が早いが、天才で天然ゆえか、周りを振り回してしまうこともある弟系。
島育ちの割に体力が無く、周囲の子どもよりも力で劣ることから、やや自信無さげに話す。
その一方、好奇心は旺盛で、気になることは何でも試してみたい性格でもある。
引用元:https://www.ideaf.co.jp/altergear/soukaitenki/
続きを読む
物語はゲントとナギサが2人で安土へ向かった場面から分岐。
なぜ裏切ったのか真意を問うため2人を追いかけて海へ飛び込んだミナトは、予想以上の冷たさに溺れかけたところを2人に救われます。
ゲントとナギサは仲間たちが嫌になったのではなく、後ろめたさから離れた感があるので、ミナトが危ない時はちゃんと助けてくれるんですよね……
そのまま安土に辿り着くも、ミナトは信長に顔が割れているため、このまま入ったら危険……ということで、ナギサが匿うことに。
ナギサは裏切り者大好きな宇喜多さんに気に入られ、部屋を与えられます。
その際に「ミナトの兄のカゲロウも屍鬼になっている」と嘘の情報を聞かされていたんですね。
そして自分の家族を甦らせるためだけでなく、「ミナトのためにも研究を完成させなきゃ!」という使命に燃えることに。まんまと宇喜多さんの策にはまってしまうんですね……
家族が屍鬼になってしまったナギサだからこそ、ミナトに同じ思いをさせたくないという優しさを突かれた形でした。
それからはナギサは研究を、ミナトは安土で隠密行動をしながらそれぞれの目的達成を目指すのですが、ミナトは徐々に屍鬼の研究に夢中になっていくナギサに危機感を覚えるように。
ナギサは最初から最後まで一貫して「屍鬼になった人を元に戻す方法」を見つけ出そうとしていたのですが、その途中段階として知りたくもなかった「人間を屍鬼にする方法」を知る羽目になり、嫌悪感からミナトに八つ当たりしかけるなど病み一直線に。
しかしカゲロウが屍鬼になったと知ったらミナトが傷いてしまう。大切なことを話せないが故のすれ違い・じれったさが半端なかった感がありました。
ナギサは極限状態にあり不安定だったのだと思いますが、いまいち心情が分かりづらく「一体何を見せられてるんだろう」と真顔になる瞬間がありました。
ミナトもカゲロウ兄さんは本土にいる!→早速近くの漁村で情報を集めよう!というシーン必要でした?本土めっちゃ広いのに……
ナギサが師であるアルメイダと決別するまでの尺が長すぎて、信長戦がおまけ程度だったのが残念。
慢心する信長の隙をつくのはいつものこととはいえ、ミナトに稼いでもらった時間で信長を観察して導き出したナギサの答えが「ミナト…分かったよ!信長はその場から動いてないんだ!」(だから死角を狙おう!)だったのにはちょっとずっこけました。
見れば分かるやろ!!みたいな。
ナギサの観察眼の優秀さを強調したかったのは分かりますが、ちょっと内容がお粗末だったような……
レイジ以外のルートでは信長は海に落ちて生死不明、宇喜多さんは復讐を誓い逃亡的な流れが多く、すっきりとは言えない終わり方。
バッドエンドはアルメイダ側についたナギサがミナトを実験動物として扱い、最終的にミナトの力を吸収して最強の力を手に入れるという胸糞エンドでした。
ミナトへの羨望が憎しみまたは無関心に変わったパターンなのか、もはや友達とすら思っていない態度がもう辛かったですね……
舞台俳優さんがボイスを担当しているということで、「ん?」と思うところはありましたが、キャラ的にボソッと喋る設定がマッチしているのでそこまで気になりませんでした。
ただ複雑な感情の間で揺れる難しいキャラクターだからこそ、繊細な心の機微をベテランさんに演じて欲しかったなという気持ちもあります。
屍鬼の研究は好奇心から来たものではなくて?と、いまいち不安を覚えるキャラでした。
とりあえず異人+カタコト+マッドサイエンティストなアルメイダ(CV鳥海さん)の演技がすごかった……
不気味さと変態感が半端なかったです。
ゲント CV:鮎川 太陽さん
大局を見て動き、物事に縛られない自由な性格で、天性の頭領気質。
義侠心の厚い侠客として各地で名を馳せていたが、本土で日が昇らなくなったため、流人の島にやってきた。
ミナトのことを知っているようだが、ミナトは覚えていない。
九鬼や村上といった大人たちに対しても、率直にものを言うことができる頼れる存在でもある。実は島の仲間に明かしていない秘密が……。
引用元:https://www.ideaf.co.jp/altergear/soukaitenki/
続きを読む
もともと島流しにされた嘉隆さんを見張るため、信長の放った草(忍者)として監視するのがゲントの使命でした。
ミナトとカゲロウが2人旅をしていた頃に出会い、一時期行動を共にしていた時期があり。
ゲントは信長の器を見極めにいくから一緒に行こうと2人を誘いますが、過酷な戦いになることがわかっていたカゲロウが断り、別行動をとることに。
その際脇差一本で戦うミナトを心配して、自分の短刀を餞別に贈っていたという過去があります。
親しい間柄だったゲントとミナトが、巡り巡って再会した時は敵同士になっていたと考えるとなんとも言えないものがありますね。
でもミナトとカゲロウに光秀に会うよう勧めたのはゲントなので、ゆくゆくは対立することを分かっていたのかな。
このルートではこれまでイマイチ分からなかったゲントの立場が詳しく語られます。
ゲントは八意(やごころ)一族と呼ばれる、織田信長に仕える忍集団の次期頭領でした。
ただ信長の方針に賛同している訳ではなく、一族が生き残る道を探して信長の傘下に加わった結果、一族を人質にとられて意に沿わぬことをやらされてる感がありましたね。
正直ゲントのことは「この裏切り者が!」位に思っていたのですが(オイ)、安土に着いてきてしまったミナトを自分の部下だと偽って匿い鍛錬に付き合ってくれたり、逃そうとしてくれたりしている辺りでミナトのこと大好きなんだな…と分かり、許せてしまいました。
ゲントは一族を背負う者として自分の意思でミナトの敵になりますが、改めて大切な短刀を託してくれたのは「せめて心だけでも一緒に戦う」という気持ちの表れなんじゃないかと。
しかし忍び仲間の屍鬼が現れたことで状況は一変。仲間を屍鬼にされていたことを知ったゲントは激怒し、信長へ反旗を翻します。
短い尺の中にゲントと忍び達との絆、大日女との共闘(過去に成し得なかったカゲロウと3人での共闘)がしっかり詰まっていて、仲間の中では個人的にゲントのルートが1番好きでした。
特に印象深いのが屍鬼化した側近2人が死の間際に感情をチラつかせた場面。不覚にもグッと来てしまいました。
しかしカゲロウ&天照が攫われて終わるのがあまりにも後味が悪い……俺たちの戦いはこれからだエンドが多すぎるよ!
バッドエンドでは本土の仲間が全滅し焦ったゲントが、せめて側近2人とミナトが死なないよう3人とも屍鬼にして信長に忠誠を誓うというものでしたが、後に意思が無ければ死んだも同然だと気付き、後悔を罰に自らは屍鬼化せず生き続けるというものでした。
ゲントが抱える判断(責任)の重さと、彼自身の脆さ・弱さが見え隠れする、個人的に好きなエンドでした。
カゲロウ CV:高崎 翔太さん
神楽の一種であり魔を斬るという「太刀舞」の名手であり、ミナトの兄。
思いやりがあり、あたたかな性格で言葉遣いも丁寧。信心深く、天照大御神(あまてらすおおみかみ)の神託に快く応じて依代となる。
責任感の強さが仇となって無理をしてしまうこともあり、周囲から心配されることも。
弟を大事に思っている仲の良い兄弟だったが、今は離れ離れとなっている。その消息をつかむ鍵は、失われたミナトの記憶にあるようだが……
引用元:https://www.ideaf.co.jp/altergear/soukaitenki/
続きを読む
他ルートでは5章で三貴島組と安土組に展開が分かれるのですが、カゲロウルートではミナトが海の上を走って安土組を連れ戻す力技に笑ってしまいました。
須佐之男様は海を司る神でもあるとのことでノリノリで力を貸して下さるし、鬼強メンタルで仲間を諦めないミナトも格好いい。
安土には八意一族により天岩戸から救い出されたカゲロウが身を隠しており、ミナト達と協力して信長討伐を目指す流れに。しかしカゲロウは天照と引き離され、力を発揮できずにいます。
ミナトはようやくカゲロウと再会できた嬉しさは強いものの、使命のためならどこまでも自分を犠牲にできる兄に不安を感じている様子。
カゲロウは恐ろしいほど純粋で、恐らく使命やミナトのためならば天照の加護がない状態でも、命を懸けて戦うことが分かっていたからこその不安なのかな、と思います。
天守で信長と対峙する2人ですが、「人間たちに守る価値はあるのか?」と人間の愚かさを説かれ、気持ちが揺らぎそうになってしまいます。
ミナトは仲間たちと過ごした温かい時間と絆があったから踏みとどまる。しかしカゲロウはずっと孤独だったから、ふらふらと信長の甘言に乗りそうになってしまうんですね。ここからハッピーエンドorバッドエンドに分岐します。
それにしても天照にはイラッとしましたね。
本当は弟(月読)以外どうでも良くて、人の世のためと言いながらカゲロウを利用していたような節にお前…となりました。須佐之男様だって兄弟なのに、月読のことしか見えてなくて須佐之男様可哀想…
カゲロウのエンディングは3種類。
ベストエンド
最後の戦いで仲間から借りた4体の神を体に降ろして戦ったカゲロウはその負担に耐えきれず、命を落としてしまいます。
黄泉へと向かったカゲロウの魂を救うため、ミナトは神々の力を借り単身死者の国へ。
余談ですが黄泉の国とかヨモツヘグイと聞くと同ライター様の『大正メビウスライン』を思い出してにっこりしてしまいますね(オイ
絶対に振り向いてはいけない黄泉ルールを守りつつ、カゲロウの手を引いて地上へ戻りエンディングへ。
須佐之男様と天照は天へと帰ってしまったので2人は加護を失ってしまいますが、生き残った皆で印岐島を復興させつつささやかに平和に暮らしていく大団円エンドでした。
ハッピーエンド
ベストエンド同様、カゲロウを天照と月読が救ってくれました……が魂までは戻らず。ミナトはカゲロウが目覚める日を待ちつつ、毎日語りかけています。
日光が戻り仲間たちはそれぞれの生活へ。
印岐3人組は一旦島へ戻ることに。診療所を継ぐというナギサがナチュラルに行き倒れたアルメイダを拾っていて笑いましたwこれまでの悪行的に色々心配ですが、大丈夫なのか…
カズヤとゲントは一族や島の人々の弔いを終えてから恐らく村上水軍へ。レイジは印岐島の神主に。
ミナトが見守る側でカゲロウが目覚めたところでお話は終わり。
使命から解放されたカゲロウが1人の少年として自由に生きられたら、と思わずにいられません。
バッドエンド
実は天照が天魔と「仏門に属する人間を殺しても咎めない」密約を交わしていたことを知ったカゲロウは絶望。
信長の甘言に乗り、魔王が支配する人の世を支持してしまいます。
そしてもうカゲロウを1人にできないミナトも…
こうして3人の魔王が爆誕するエンド。1枚絵が素敵でした。
天照だけでなく月読まで天魔と密約を交わしていたと知った須佐男様が激怒するシーンが可哀想でした。やってられるか!となりますよね。可哀想な弟たち……
***
欲を言えばもう少しミナトとカゲロウの語らいを見ていたかった…!
終始ミナトがカゲロウを救うために頑張っていたので、カゲロウ視点の話があって欲しかったな、なんて思います。
あとどうでもいい話ですが、須佐之男様がカゲロウに4体の神を降ろすシーンがセリフ&スチル効果で謎にBL感ありちょっと笑ってしまったのは内緒です。
個人的レビュー
滄海天記の好きなところ
徹底した和テイストが魅力的!
和を意識したBGMや効果音、メニューなどのインターフェースが素敵でした。
選択肢ジャンプが早く、システム面でも使いやすい点が好印象でした。
イラストと一部ストーリー
悌太さんのイラストが文句無しに美しい!ストーリーは特に1章とTRUE ENDが素晴らしかったです。
そういえば三貴神のイラストのみ、ムラシゲ氏が描かれているのですが、3人とも素敵なデザインでした。
滄海天記に物申したいところ
いまいち盛り上がらない個別ルート
個別ルートが実質最終決戦のみな話の構成上、仕方ないとはいえ全員行きつく先は同じで盛り上がりに欠けました。
あと中条ローザさんのシナリオも楽しみの1つだったのですが、エンドロールを確認したところ複数ライターさんのようで……正直ルートによって内容に差がある印象でした。複数ライターさんなら事前にその情報が欲しかったです。
一部声優さんの演技
一部キャラクターボイスを舞台俳優さんが担当されているということで、若干名「ん?」と思う方がいらっしゃいました。(個人的にはナギサ・カゲロウほか数名)
めちゃくちゃ気になる!という程ではないのですが、気になる方は気になるかも……
総評
ストーリー : (3 / 5)
グラフィック : (4 / 5)
音楽 : (3.5 / 5)
システム : (4 / 5)
ボリューム : (3 / 5)
総合評価 : B
フルコンプまでの時間は15〜20時間程度。
共通だけで10時間ほどかかりますが、個別ルートは1〜2時間で終わるため、1度共通を読んだ後は選択肢ジャンプでサクサク攻略が可能です。
恋愛要素のないアドベンチャーゲームに期待するのは「ストーリーの面白さ」「音楽」だったんですが、個人的にはどちらも「うーん……」といった感じで残念。
確かに男性同士の友情をテーマにした作品(いわゆるブロマンス的な)は昨今人気ですが、それだけに良作がスマホゲーム市場に溢れており、あえてお金を払ってまでSwitchでプレイしたい層がどれだけいるのかな?というのはちょっと疑問でした。
私のように「面白ければいいんだ!」という脳筋も一定数いるとは思いますが……やはりオトメイトに求めるのは乙女ゲームかな、と今作を遊んで思いました。
まとめ
人にはおすすめしがたいけど面白い部分もある!気になるキャラがいて安くなっていたら購入を検討してもいいかも。
内容としては共通ルートが8割、個別ルートが2割ほどで、いわゆる最終決戦が個別ルートにあたる内容。
キャラごとの悩みにスポットを当て、できる限り内容に区別をという頑張りは感じられるものの、「ラストダンジョンに入ってからラスボスを倒す」という流れは全員一緒なため、「何が待ち受けるんだろう」というワクワク感はほぼありませんでした。待ち受けるのは屍鬼や織田信長である。
そのためエンドの回収が作業になりがち。
半分以上のルートが中途半端な状態で終わるのも好みが分かれそうなポイントでした。
しかしながら最後に見られるエンディングはすっきり綺麗にまとまっており、爽やかな気持ちでゲームを終えることができました。
若干辛口な感想となってしまいましたが、本日もお付き合い下さりありがとうございました!
Switchやスマホアプリのおすすめ乙女ゲームはこちら!
コメント