こんにちは、モッチです!
『殺し屋とストロベリー Plus (殺スト)』をフルコンプしましたので、作品紹介 →感想 → 個人的レビュー → 総評 → まとめの順に書いて行きたいと思います。
・ネタバレを含む部分は、「続きを読む」ボタンでワンクッション置かせて頂きます。
それでは、本日もよろしくお願い致します。
作品紹介
『殺し屋とストロベリー Plus (殺スト)』とは?
OPムービーなど
『殺し屋とストロベリー Plus』は、2022年2月23日にブロッコリーから発売されたNintendoSwitch向け乙女ゲーム。
2018年にPSVita向けに発売された内容に、「各キャラクター個別エンド後のアフターストーリー」を追加したパワーアップ版です。
過去のトラウマから言葉を失った主人公「イチゴ」と、彼女を保護した「喫茶 月影」に身を寄せる、殺し屋たちとの交流を描いた作品です。
略称は「殺スト」。なんとなく「さつすと」と読んでいましたが、公式サイトのURL(korosuto.com)より、正しい読みは「ころすと」が正解の模様。
個人的レビュー
1ルートあたりのプレイ時間は2~3時間ほど。
個人的には「人にはおすすめしないけど、めっちゃ好き!」という評価が難しい作品です。
短めのプレイ時間で手軽に萌えを補給したい人には、すごく良い作品だと思うんですよね。反面、しっかりしたシナリオを求めてプレイするとガッカリするかも。
やや金太郎飴なところもあるし、ルートごとの話の流れも似ていて変化も少なめ。何より殺し屋成分が少ない。
あと皆が有能すぎて事件らしい事件が起きない。気づいたら物事が解決してるあたりも好みが分かれるかも。しかしその分、不安を感じることは少なく萌えに集中できる点が良いなと思いました。
こんなに好きと思えるなら、1周年のファンブック買っておけば良かったよー!ウワァァ
後からハマったオタクの後悔、あるあるだよね……
レビューはこちら
ストーリー概要
舞台は現代日本のどこかにある街。
薬で眠らされジュラルミンケースに詰め込まれた主人公「イチゴ」。
目覚めた先は、いわゆる「裏稼業」を営む人々が集まる喫茶店、『喫茶 月影』だった。
身構えるイチゴに店のマスターで本業は殺し屋だという「ツキミ」は自分達が引き受けた依頼内容を話し始めた。
『今回の依頼は殺しでなくあなたの護衛です。
だからここへ運ばれてきたんです。
一度依頼を受けた以上、私たちは必ずあなたを守ります』
過去のトラウマから言葉を失い、身寄りもないイチゴは、店でアルバイトのウェイトレスとして働きながら真実を追っていく。
作品情報 | 制作スタッフなど |
---|---|
発売元: | 株式会社ブロッコリー |
キャラクターデザイン: | カズキヨネ |
ジャンル: | 裏社会×恋愛ADV |
CERO: | C(15才以上対象) |
対応機種: | Nintendo Switch |
ヒロイン紹介
主人公:イチゴ
本作の主人公。
声を失った訳ありウェイトレス。
引用元:https://korosuto.com/plus/
攻略キャラクターとおすすめ攻略順
攻略キャラクターは6名。
ノインのみ攻略制限があり、必ず最後になります。
共通ルート終了時に相手を選ぶ方式なので攻略は簡単ですが、ルートによる真相バレの差が激しいため、攻略順はかなり重要です。
参考までに私は「ツキミ → アモン → 長谷川 → イズナ → クラマ → ノイン」の順に攻略しましたが、特に問題ありませんでしたので、究極的には好みでOKかなと思います。
ただネタバレ事情的に、ラストは「クラマ → ノイン」固定が良いかなと思います。
攻略キャラクター&キャスト紹介
キャラクター | キャスト |
---|---|
ツキミ | CV:田丸 篤志さん |
イズナ | CV:石川 界人さん |
クラマ | CV:野島 健児さん |
ノイン | CV:花江 夏樹さん |
アモン | CV:八代 拓さん |
長谷川 | CV:前野 智昭さん |
個別ルート感想 (ネタバレON/OFFボタンあり)
※ 各ルート内容のネタバレを含みますので、未プレイの方はご注意下さい。
ツキミ CV:田丸 篤志さん
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時々怪我人が運び込まれることはあるものの、基本的には平和な喫茶店接客ライフ。
喫茶月影で生活するうちに、食べ物を美味しいと感じ、人と一緒にごはんを食べられる生活が嬉しいと思えるようになった自分に、危機感を覚えるイチゴ。「いつか施設に戻されるかも……」と不安を常に感じていました。
イチゴにも、友達と笑い合って普通に暮らしていた頃があったんだなと驚き。同時に、なぜ施設に誘拐されたんだろうと気になって仕方ありません。
ツキミはめちゃくちゃ面倒見が良いスーパー店長で、イチゴが快適に暮らせるよう、あれこれ世話してくれます。
好みの食べ物を作ってくれるし、眠れないのを察知してすぐに部屋に駆けつけてくれるし(殺し屋スキル)、「これは惚れるなー……!」といった感じでした。
仕事内容的に弱点となりそうな恋はNGで、苦戦するのでは?と思っていたのですが、割と早い段階でツキミから好意を伝えられるのでoh!となりました。
仕事は完璧だけど、プライベートや料理に関することでは、ややポンコツ気味のツキミ。
18歳の女の子を保護すると聞いて、「女の子=カワイイ」のイメージから事前に準備しておいたものが、ゴテゴテのフリフリにメイド服など、ちょっとズレているのも面白いポイントです。
しかし「なんでツキミはイチゴに対してこんなに優しいのかな」、と疑問だったのですが、施設に入る前のイチゴのことを知っていたんですね。
というより実はイチゴは当時の暗殺対象で、ツキミが唯一暗殺に失敗した相手でもありました。
ツキミが暗殺に成功していれば、イチゴは施設で辛い経験をすることはなかった。ツキミにはそんな贖罪の思いもありました。
怒るべきなのか、ショックを受けるべきなのか、正解は分からないけれど、話を聞いてからも「ツキミと一緒にいたい」気持ちだけは確かなもの。
だからイチゴは「また施設に戻る時が来たら、自分を殺して欲しい」とツキミにお願いします。
ツキミもそんな気持ちを受け入れた上で、「自分から離れるときにはあなたを殺します」と愛情を向けるのでした。
奪い殺すことが仕事のツキミにとって、心から向けられた「殺してほしい」は、文字通り殺し文句だったんですね。
命をギュッと握られてる重い愛情……!どこか壊れた人間同士の恋、こういうの好きだなー!となりました。
色々殺伐としてはいましたが、グッドエンドでは新たな喫茶店を構え、なんだかんだ平和かつ幸せに生活していきそうな予感。
バッドエンドのツキミは、敵に囲まれ万事休すな状況で、約束通り命を貰い受けようとイチゴを撃つのですが、イチゴは一命をとりとめます。
この時は「なんだかんだ愛する人を殺せなかったのかな」なんてぼんやり考えていたのですが、後々色々分かってくると感想が変わります。
恐らくツキミさんは本気でイチゴを殺そうとしたんじゃないかな。でもできなかったのかな、なんて思うと……なんというかエモい。
目を覚ました病院で1人「嘘つき」と呟くイチゴにグッと来てしまいました。
ツキミさん、カッコよかったです。
なにより優しい喫茶店のお兄さん(殺し屋)という設定がおいしく感じられたのは私だけでしょうか……!
・AfterStory
突然喫茶月影に現れ、「ここで結婚式をしたいんですが…」と相談し始めるツキミさん。
皆から「何をやらかすか分からない爆弾」みたいに思われていて笑ってしまいます。
実はツキミ・クラマ・ノインが幼馴染だったり、「ツキミ」という名前は月影の役職的なもので世襲制だったりとか、情報量が多くて「おおぅ」となりました。
実質月影を抜けたような状態でも、皆と関わりながら生きていくという「ちょうどいい関係」が築けそうな良い終わりでした。
仕事終わりからの結婚式に間に合わず、銃放り出しながらチャペルに飛び込んでくるツキミに爆笑。イチゴは本当にこの人でいいんか……
皆が月影でのサプライズ結婚式を用意してくれているのかな?と思っていたら、全然そんなことなくてちょっと残念でした(
アモンからの電話でノインが怪我したのは嘘で、月影に駆けつけたら「おめでとー!」が待ってると勘違いしたのは、私だけではないはず(お前だけだ
アモン CV:八代 拓さん
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普段はチャラチャラしているけれど、時おりスッと真顔になるような、ちょっぴり不穏な感じが気になって、2周目に攻略してみました。
やたらイチゴに構いたがるのは、純粋に女の子が好きで優しいからなのか。話していない事情まで知っている様子が怪しくて、気になります。
殺し屋たちの人付き合いは基本ドライで、お互い踏み込まないのが暗黙のルール。今はお客さんと店員の関係でも、明日には敵対する可能性があるからです。
アモンはフリーゆえの寂しさからイズナを友人として大切に思っており、彼の真面目すぎる性格にたびたびおせっかいを焼いてしまいます。(イズナは当然激怒。
その後、「イズナを怒らせたー……」と喫茶に入れず、ゲートの外でうじうじする姿にはちょっと笑ってしまいましたが、それだけ彼のことを大切に思ってるんだな、と微笑ましくもありました。
お店で顔を合わせるうちにアモンと仲良くなりつつあるイチゴは、ある日アモンが仕事で海外へ行くかもしれないと聞き、寂しさを覚えます。
洞察力の鋭いアモンはすぐにイチゴが落ち込んでいる様子に気付き、「どうしたの?」聞いてくれるんですね。
事情を知ったアモンは「毎日お店に来る、来れないときは連絡する」と約束してくれます。大切な約束に心が温まるイチゴに、こちらもほっこり優しい気持ちになりました。
アモンもアモンで、自分の行動でイチゴが喜ぶと本当に嬉しそうな表情を見せてくれるので、この2人可愛いなーと思いっぱなしでした。しかし、ほかほか展開の後には、突き落としてくるのが鉄板というもの(やめろ
実はアモン、イチゴを誘拐した「ある組織」側の人間だったんですね。元々はイチゴを連れ戻すよう指示され、組織に情報を流していたのですが、恋人関係になったことで組織を裏切り、イチゴと2人で脱走を図ります。
脱走計画はツキミとイズナによって阻止されてしまうのですが、撃たれたアモンがどうにか一命を取り留め、告白するところで物語は終了。
少なくともこのルートの中で、アモンが暗殺者の仕事をする描写は一切語られないため、欲を言えば12人の監視者を一網打尽にできるアモンのヤバさや、暗殺者的な面をもっと見たかったのが正直なところ。
甘さあふれる幸せな恋というよりは、いつまで続くかわからない刹那的な恋ですが、本人達が幸せなら……という終わりでした。
いつも奪う側のアモンにとって、被害者側のイチゴとの出会いは衝撃的で、なんとか救ってあげたい、ヒーローになりたいと考えたんですね。親切心が次第に愛に変わっていき……な流れがよかったです。
アモンがイチゴにプレゼントした塗り絵。真っ白な塗り絵にカラフルな色を乗せるのが、イチゴの心の動きを表しているようで、良い表現だなと思いました。
全編通してイズナが優しく、好感度が爆上がりしたルートでした。
・AfterStory
全てが終わった後、月影の監視下で実質軟禁生活を送るアモン。ある時、ノインからアモンとイチゴの生活の保障を条件に、月影内部の監視と粛清を依頼されます。
後ろ盾なしでは生きられないアモンにとっては、願ってもない話。しかしイチゴと共に表の世界で暮らす望みも捨てきれないアモンは、思い悩みます。
悩んだイチゴはノインに相談しますが、ノインから「裏社会しか知らないアモンは人との付き合い方が分からず、イチゴを守るためなら、99%の信頼に1%の疑念があるだけで人を殺す」と説かれ、納得します。
アモンを表社会に出すことが不可能なら、2人一緒に生きる道は1つでした。
イチゴは裏社会でアモンと共に生きる覚悟を固めます。それは決して気持ちだけのものではなく、ノインに射撃を習い、文字通りアモンと同じ仕事をして生きていくという意味でした。
アモンが仕留め損ねたターゲットを狙撃し、ためらいなくトドメを刺したイチゴ。
イチゴを表の世界に戻すことを目的としていたアモンは「俺じゃダメだった…」と落ち込むのですが、同時に自分と同じところまで落ちてきてくれたことに嬉しさを感じている。なんとも背徳感を感じるエンドでした。
さ、最高……!この2人の関係性が好きすぎますし、イチゴの「何が幸せかは自分たちが決める」みたいなスタンスがカッコよくて「イチゴさん……(男前)」となります。
アモンのアフターストーリー、めちゃくちゃ良かったです。
長谷川 CV:前野 智昭さん
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3週目は前2ルートにあまり関わってこなかった長谷川さんをチョイス。
長谷川さんはアメリカ系マフィアのボスである「白川さん」に仕えるボディガードで、いかなる時も側に佇む寡黙な男性です。
そもそも接点がないし、会話がはずむ未来が見えないため、「どう関わっていくのかな……」とかなり気になりました。
長谷川さんは腕っぷしが強いだけでなく、料理から裁縫まで、大抵のことは1人でこなせるイケメンでした。
とれたけていたイチゴの制服の袖ボタンを、ササッと直してくれたことをきっかけに、多少打ち解けたように思います。
長谷川さんルートでは白川さんがイチゴに興味を持ち、あれこれ質問を投げかけてくるのですが、何かしら裏の意図があるんだろうな……と嫌な予感がひしひし。
どうしたらいいのか分からず対応に迷ったり、寝不足とパニックから倒れてしまったりと可哀想でしたね。新人ウェイトレスにマフィアボスの相手は荷が重すぎる……
そんなイチゴに対して長谷川さんは「何を聞かれても話さないで下さい」とアドバイスをくれたり、何かと気にかけてくれている様子。
彼には彼なりの事情と正義があり、大人に振り回されるイチゴを助けたいと考えていてくれたんですね。
かつて自衛隊員だった長谷川さんは、とある戦場で生き残った後、死に場所を求めて傭兵を続けていました。
しかしどんなに過酷な戦場でも、必ず1人生き残ってしまう。いつしか「死神」と呼ばれるようになった長谷川さんの噂を聞きつけ、雇ったのが白川さんでした。
長谷川さんの優しさに癒されて、少しずつイチゴの笑顔が戻る描写にほっこりしました。しかし長谷川さんからもらった絵本が「人魚姫」な辺り、とっても不穏……
最後の方は状況が目まぐるしく動くので、正直「何!何!?」って感じでしたが、ただ1つ言えるのはこの話は「アモンさん次第」だと言うこと。
本当に彼が裏切るか否かで大きく変わってきますよね。偶然にも1周目=裏切らない、2周目=本人ルート、3周目=裏切る、と連続で3パターンが楽しめたので面白かったなと思います。
そもそもFMRCという組織について、ぼんやりとしか語られないので想像しにくいんですよね…笑
逃亡生活が続くものと思われましたが、いつの間にか全て解決しており、幸せハッピーエンドでした。
何という蚊帳の外。まあ終わり良ければ全てよし!
・AfterStory
実はAfterStoryは「イチゴが話せるようになる+攻略キャラの本名が分かる」内容がセットになっている(1人を除く)のですが、長谷川さんルートでは最初から喋れるようになっていました。
「長谷川」さん、本名だとばかり思っていたのですが、違ったんですねー……!
長谷川さんとイチゴが表で生きていけるよう、周りが協力を惜しまないので「愛されてるなー!」と感じたルートでした。
マツリさんの話では、長谷川さんの死ににくい体質はマツリさん由来のものではないそう。その辺りも気になっていたので、明らかになってスッキリでした。
マツリさんは2人に子供が生まれた場合、不死が遺伝しないか心配しているようで、今後も定期的に接触を図るとのこと。なんとなく見守ってくれる親戚のようで、面白いなと思います。
イズナ CV:石川 界人さん
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進めれば進めるほど好感度が上がっていくお兄さん。
ツキミを除けば喫茶月影唯一の店員さんで、調理とコーヒー担当。イチゴの先輩ポジションにあたります。
口調はやや厳し目ですが、なんというか「期待しない人にはそもそも注意しない」ような雰囲気が感じられまして、良かれと思って言ってくれてるのが伝わってきます。
イズナには兄がいましたが、昔イズナを庇って死んでしまったとのこと。人に情を寄せると、見捨てることも殺すこともできなくなって、やがては自分が死ぬことになる。
必要以上に人と関わらないのはイズナなりの処世術なんですね。心を動かさないことで自身を守っているイチゴとは、ある意味似たもの同士なのかもしれません。
その割には面倒見が良いなぁなんて思ってしまいますが、そのあたりは元々の性格なんだろうなぁと。
アモンが持って来たチェスで親交を深めるあたりの話が面白かったです。イチゴは初心者らしからぬ男前なプレイをするらしく、攻撃特化タイプと言われているのに笑いました(笑
恋愛面では、イチゴがイズナへの好意を直球で伝えるので、周りが固まったり、イズナが照れて「お前……ッ!」となるやりとりが可愛くて萌え転がりました。
たとえ殺人に加担することになっても、迷いで判断を鈍らせて大切な人を傷つけたくない。優先順位を決めて、いざという時迷わないよう行動する、イチゴの潔さと強メンタルに惹かれました。
そしてアモンがイチゴを攫いに来た時、めちゃくちゃテンション上がりました……!「イズナではイチゴを守れないから自分が貰う。組織のためとかではなく、イチゴちゃんにとってのヒーローになりたい」善意からの行動という辺りにグッと来ました。
当然イズナにより返り討ちに遭うのですが、このシーンで本作における私の推しはアモンになったと言っても過言ではありません。(何様だ
イズナ、常にボロボロで心配でしたが、最後はラブラブ新婚カップルで素敵でした。
・AfterStory
イズナ、本当に裏社会で育ってきた人間なのか?!と言いたくなるくらいまともで、安心感がありました。
マツリさんいわく、長谷川さんがイチゴを任せられるランキング1~2位とのことでしたが、もう1人はイズナさんだと思うんです。
残存勢力に喫茶月影が乗っ取られるハプニングはありますが、これからも殺しには関わらないまでも裏社会と繋がっていく。ちょうどいいエンドでした。
クラマ CV:野島 健児さん
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\初診料40万の闇医者/
クラマは基本的に喫茶店の方へは顔を出さないため、ちょこちょこ入るオーダーを、診察室まで届ける形でイチゴが関わっていくことに。
割と早い段階でイチゴが実験施設にさらわれた理由が判明するので驚きでした。
曰く、イチゴは普通の人より「致死率が低い」……極端に言えば「不死」の存在であるとのこと。
飛行機が落ちても、銃を向けられても、なぜか生きのこる人間が、この世界には一定数いるのだそうです。そういえばツキミルートのマツリさんもそんな感じでしたよね……
クラマはイチゴの体質に医学的な価値を感じ、「絶対に傷つけないから調べさせて欲しい」とお願いしてきます。選択権なんてない、と思考停止状態にあるイチゴは、お願いを受け入れるのでした。
そうして始まったクラマとの実験の日々。まずはイチゴの能力が、どの程度の危険で発動するか見極めるため、試行錯誤が始まります。
しかし実験を続けるうちにイチゴの様子がどんどんおかしく……他ルートでは人間らしさを取り戻せていたのに、クラマのルートでは実験体に逆戻りしているようで、見ていて心配になりました。
そんなイチゴの状態に気付いて、誰よりも早く手を差し伸べてくれるのがマツリさん。
マツリさんは、イチゴが施設から生き残れたことと、人間らしさを取り戻しつつあったことを本当に喜んでくれていて、同時に現在の状況に怒りを感じていました。どう見ても良くない状況だったので、救いの神のように思えてしまいましたよ……
マツリさんから「1週間以内に何とかできなかったらイチゴを連れていく」と言われたクラマ。
ストレス軽減のために診察室をスイーツで埋め尽くす不器用さに笑ってしまいました。相談相手がツキミな時点でダメな予感しかしませんが、2人で相談して出来上がったのがコレという辺り、微笑ましすぎます……
クラマ先生、実は女慣れしている冷たい感じかな、と勝手に予想していたので、良い意味で予想を裏切ってくれました。
不器用ながら真摯にイチゴと向き合っていて、一生懸命なところに惹かれました。2人の間のどこか手探りで静かな空気感が好きです。
ラストでノイさんの正体についてポツッと一言、とんでもない爆弾発言がありましたが、それは本人のルートまでとっておいた方が良かったんじゃ……笑
クラマ先生のバッドエンドは実質マツリさんエンドと言っていい内容で、色々衝撃でした。
マツリさんとイチゴ、同じ体質だなと思っていましたが、まさかマツリさんのコピーだったとは……
マツリさんの優しさや、イチゴを大切に思う、または責任を感じる理由がよく分かるエンドでした。これは確実に見ておいた方が良い……
・AfterStory
本編の後、地中海にある国で小さな診療所を営んでいる2人。本編中にも関わってきた通り、やはりこの2人には海が似合うなぁと思います。
実は日本にいるノインから、月影がピンチ&医者が足りないので戻ってきて欲しいと打診が来ていたのですが、クラマはイチゴのために、戻るつもりはありませんでした。
しかし高校に通う環境を整えること、ゆくゆくは看護師を目指すこと、労働条件の調整を条件に帰国を決めます。
労働環境が改善された医務室で、先生と看護師として生きていく、綺麗にまとまった終わりでした。
ノイン CV:花江 夏樹さん
続きを読む
真相ルート担当は武器商人のノイン。
依頼されたものはなんでも用意してくれる便利屋で、大体は常に客として月影にいます。周りの人からの愛称は「ノイさん」。
本当にいつもいるので常連さんだなぁと思ってはいましたが、実は月影のボスということで色々納得でした。
このルートではちょくちょく話に出ていたノインの偽物に焦点が当たり、イチゴはノインの愚痴聞き役として親しくなっていきます。
しかしノイン、イチゴに対して謎に冷たい態度をとってくるのが正直ちょっと嫌でした。
理由はノインが過去に1度だけ手を貸した人身売買にあり、商品だった女性の無機質な目とイチゴの目が重なり、罪悪感に苛まれるから。しかし、事情があるとはいえ、「視界に入れたくない」は酷いなと思ってしまいます。
冷たくされてもノインを慕うイチゴは、雛鳥みたいで可愛かったのですが、内心「そんな奴やめとけ」と思ってしまいました(酷い
中盤あたりからは超展開で、実はノインもイチゴと同じく、不死……に加えて「不老」の体質を持っているらしいことが判明します。
施設からすれば喉から手が出るほど欲しい存在。アモンはイチゴが施設に戻ればノインには手を出さないと囁きます。
大好きなノインを自分と同じ目に遭わせないため、アモンの提案に乗るイチゴ。
ノインはイチゴにとっての希望。今は無法地帯になっている裏社会を、いつかノインが変えてくれる日を施設で待ち続ける、と心に決めるイチゴに泣けました。イチゴの思い切りの良さは諦めもあると思うのですが、うだうだ悩んだりせず、即決即断する姿勢が好きです。
アモンもアモンで、イチゴを連れ出すことに乗り気ではなく、失敗するならそれでいいと思っていた節があるのがこれまたしんどい。
ツキミ&ノインの方が上手で、誘拐はサクッと失敗に終わるのですが、連れ去られた施設で感動の再会……の方がドラマチックだったような気がしなくもない。
最後に攻略可能なルートということで真相もギュギュッと詰め込まれており、もはや怒涛の展開でした。
攻略キャラの中で唯一、イチゴの声も戻る文句なしのハッピーエンドでしたが、黒幕の「あの方」やイチゴのお兄さんの問題がマッハで解決したのは物足りなかったかなと思います。殺スト、割と重要なことが知らないところでサクッと解決してること、多いですよね(笑
それにしてもノインは不老不死体質ではなく、実年齢が50歳を超えてるらしいという話が、嘘情報だったのには笑いました。
ノインのバッドエンドは、イチゴがお兄さんと暮らす道を選ぶのかなかな?と思いきや、バッド感はほぼなく2人とも表社会で生きていくというもの。イチゴ&ノインの本名が判明するので特別感がありました。
月影を抜ける代償として、これまで裏社会で得たものは全て捨てることになる=かつての知り合いと接触できなくなってしまいますが、これはこれで幸せそうな終わり方でした。
・AfterStory
本編ではふわっとしていた、ノインの長としての仕事に切り込んだ話でした。月影は悪に手を下す必要悪ですが、人を殺すことに葛藤が全くない訳ではなく……ノインにこそ務まる仕事かなと思うのですが、繊細な分ダメージも大きそう。
イチゴはノインが殺しを判断した分だけ、救われた存在がいるのだと語ります。
自身の罪を赦してくれるイチゴの存在が、ノインの力になっている。支え合いが素敵なお話でした。
個人的レビュー
『殺し屋とストロベリー Plus (殺スト)』の好きなところ
難しいことを考えず気軽に楽しめる
最初から主人公に好意的なキャラクターが多く、辛い描写は少なめなので、純粋に萌えだけを摂取できます。
心が疲れている時などにおすすめです。
アフターストーリーまでたっぷり楽しめる!
アフターストーリーは全4話構成で、要素以上のボリュームがあり良かったです。
ただしラストまでクリアしている前提のネタバレが盛り込まれているため、全員の個別ルートクリア後の閲覧推奨です。
『殺し屋とストロベリー Plus (殺スト)』に物申したいところ
ストーリーはややアッサリ
事件らしき事件は起こらず、解決も超早い辺りは好みが分かれそうです。
やや金太郎飴感あり
全ルート基本的な話の流れが同じなので、後半はやや飽きが来ました。
完全な金太郎飴とまではいかないものの、金太郎飴感はあります。なんというか、ずっと同じ味の好きなお菓子を食べ続けるような感覚(わかりづらい
総評
ストーリー : (3.5 / 5)
グラフィック : (4 / 5)
音楽 : (4 / 5)
システム : (4.5 / 5)
ボリューム : (4 / 5)
総合評価 : A
個別ルートのプレイ時間は1人あたり2~3時間ほど。
攻略対象が全員裏社会のヤバい男たちというのが面白い。しかし肝心のヤバい描写が控えめなので、その裏の顔がいまいち伝わってこないのが残念なところ。
ヒロインに見せるのは「表の顔8割&裏の顔2割」位の印象だったので、「もっと見せてくれていいんやで」と思ってしまいました。
まとめ
・サクサク遊べる作品が好きな人
・裏社会をテーマにした作品が好きな人
・深い設定や物語を重視しない人
ものすごく勝手なイメージで大変申し訳ないのですが、本作はVita版が発売された頃にあまり良い評判を聞かなかったため、プレイせずにいた作品でした。(本当にすみません……)
購入のきっかけは、Switch版発売日に開催されていた『神々の悪戯』との連動購入キャンペーン。両ソフトを購入して応募すれば豪華賞品が当たるというもので、参加賞の小冊子目当てで購入を決めました。オタクは小冊子に弱い……
結論から言えば、もっと早くプレイすれば良かった!と思うくらいハマりました。心に傷を負い独自の人生観を持つヒロインと、どこか頭のネジが飛んだ登場人物たちとの恋愛、適度に裏社会に踏み込む非日常は、ぶっ飛んだ作品が好きな自分にとって、グッサリと刺さるものでした。
ヤンデレが登場するとかではないのですが、「倫理観?なにそれ?」という方や、様子のおかしい男(言い方)が好きな方は刺さるのではないかな……と思います。
もし私と作品の好みが近くて、同じように様子見している方がいらっしゃるなら、是非チェックして頂きたいです。
長くなりましたが、素敵な作品をありがとうございました!
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