こんにちは、モッチです!
『越えざるは紅い花~対の月~』をフルコンプしましたので、作品紹介 →感想 → 個人的レビュー → 総評 → まとめの順に書いて行きたいと思います。
・ネタバレを含む部分は、「続きを読む」ボタンでワンクッション置かせて頂きます。
・辛口感想を含むのでそれでも大丈夫!という方のみお付き合い頂ければ幸いです。
本日もよろしくお願い致します。
作品紹介
越えざるは紅い花~対の月~とは?
OPムービーなど
『越えざるは紅い花~対の月~』は、2023年にdramatic createさんから発売された乙女ゲームです。
対応機種は現在のところSwitchとSteam(PC)のみ。略称は紅花(べにばな・あかはな)、越え花など。
結論から申し上げるとまごうことなき神ゲーです!
ドラマチックという言葉がこれほど似合う乙女ゲームはないのでは?という位ストーリーが素晴らしく、長さもちょうどいい。
主人公含めたキャラクターも素晴らしく、クリア後のお楽しみ要素も充実しています。
これまでの移植と追加要素一覧
『越えざるは紅い花』は過去4回ほど移植されており、発売順や作品ごとの違いは以下の通りです。
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発売5周年記念作品。
2012年に発売されたPC版(成人向け)に大幅な追加要素を加え発売されたリパッケージ版。
また、リパッケージ版と同時期にファンディスク『越えざるは紅い花~綾なす未来~』も発売されました。
本編クリア後のエピソード1時間~1時間半ほど&PCゆえに大人向けシーンも楽しめます。
並べてみると本当にたくさん移植されてるんだねー!
移植ごとに追加要素が増えてってるのがすごいね!圧巻~
ストーリー概要
それは不治の病“腐死”により、女性が激減した大陸での一幕。
南方の国“ルス”で生きる少女ナァラは、北方の国“ナスラ”に母を奪われ、幼くして肉親を失ってしまう。
途方に暮れた彼女を支えたのは「兄」とも慕う、幼馴染の次期国王、オーリだった。
そんな悪夢のような夜から数年後。
ナァラは国王一家に養女として迎え入れられ、オーリの許嫁として過ごす日々に安寧を感じ始めていたが……
再び襲いくる悪夢――女を奪うナスラの大軍を前に、決断の時が迫る。
掴むのは従属の未来か、それとも……
レビューはこちら
ヒロイン紹介
主人公:ナァラ(CV:立石めぐみさん)
ルス王オーリの義妹という立場ながら、気位の高さを感じさせない純朴な少女。
引用元:https://dramaticcreate.com/benibana/
父は主人公が五つの頃に他界しており、残った母も北方の国“ナスラ”に奪われたため、幼くして肉親を失っている。
間もなくオーリと結婚するはずだったが、ナスラ軍によって攫われ……
攻略キャラクターとおすすめ攻略順
攻略キャラクターは9名。
ナラン・エスタ・ジギには攻略制限があり、以下のエンドを見た後にルートや一部エンドが解放されます。
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ナランルート → スレンルートのエンディング「壊れた鳥」クリア後に解放
エスタ・ジギルート → ノールルートから分岐するエスタのエンディング「永久の待ち人」クリア後に解放
ルート分岐はちょっと特殊で、まず共通ルートの途中でトーヤ・スレン・ノールの3ルートに分岐し、更に他キャラクターへ枝分かれしていく形式です。
上記の通り攻略制限はあるものの、基本的に好きなキャラクターから特攻してOKです。
参考までに私はスレン → ナラン → トーヤ → ウル → ルジ → ノール → セフ → エスタ → ジギの順に攻略しました。
攻略キャラクター&キャスト紹介
キャラクター | キャスト |
---|---|
トーヤ | CV:立花 慎之介さん |
スレン | CV:宮下 栄治さん |
ノール | CV:鈴木 千尋さん |
ルジ | CV:中澤 まさともさん |
ナラン | CV:杉山 紀彰さん |
セフ | CV:小田 敏充さん |
エスタ | CV:牧野 秀紀さん |
ウル | CV:雪代 綾乃さん |
ジギ | CV:柿原 徹也さん |
個別ルート感想 (ネタバレON/OFFボタンあり)
スレン CV:宮下 栄治さん
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上昇気流のごとく好感度を上げてくる男
PSP版で最初にプレイしたのがスレンルートだったので、基本に忠実に今回もスレンルートから特攻を決めました。
なお、前回遊んだのが8年近く前なので、程よく内容を忘れていて初見プレイくらいの気持ちで楽しめました。
この神作を2度楽しめるなんて幸せすぎますね
スレンはナァラを大切に思ってるけど性格的に口にしない。ナァラはスレンが跡取り目的の道具として自分を娶ったと思ってる。(もっというと初対面の印象が悪すぎて「女を道具程度にしか思ってないクズ男」だと思ってる感)
ということで序盤はお互いものすごくすれ違ってるんですよね……
それが徐々に「もしかしてスレン悪いやつではないのでは……」となり、夫婦初めての共同作業(魔物討伐)に繋がる流れが最高に好きです。
ナァラが執拗なまでにスレンを「敵」だと思おうとするのは、ルスの女達に対する申し訳なさだとか責任感みたいなものがあって、ルスを裏切らないよう無意識に自分を律してるんですよね。
そんななかで親友のシャルが引き起こす事件とナランの死。辛くて号泣してしまったんですが、2人の死をきっかけに、ナァラとスレンが大陸が抱える根本的な問題解決に動く流れがあまりにも鮮やかでした。
エンドロールが「ここで入るんか!!」という絶妙なタイミングで流れるので、多分大丈夫だろうと信じられてもドキドキしますよね。
後日談も幸せ甘々……ではあるのですが、圧倒的不利な戦場で描かれる絆といった内容なので、また違ったドキドキがありました……
夫婦初めての共同作業のシーンでも思ったんですが、やはりナァラとスレンが共闘するシーン好きだなぁと。
ダメだった時は一緒に月に行こう(死んだ魂は月に行くと信じられているため)と、誓い合って戦場に出る2人が素敵すぎました。そしてもうダメかと思った時のオーリの援軍、からの義弟と兄貴がアツすぎます。
アフターストーリーまで読み切った後に、バッドエンドをまとめて回収したところ、落差に心が死にました(
しかし何度見ても壊れた鳥バッドは秀逸だなぁと……スレンがナランをどれだけ大切に思っていたかがよく分かるし、誰も悪くないのに全員不幸になるのがあまりにも辛い。読んでいて胸がギュッと締め付けられますね。
ナラン CV:杉山 紀彰さん
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スレンルートの壊れた鳥エンドクリア後に解放されるナランルート。
ナランに惹かれる気持ちを隠さず、正直にスレンに向き合った結果、壊れた鳥バッドは回避されるものの、悲劇を避けた先に待つ悲劇といった展開。
尊敬する兄貴の嫁に惹かれてしまうナランの揺れ動く心情が辛く、ナァラと同い年でありながら、まるで弟のように扱われているのを良いことに甘えるズルさと、スレンへの申し訳なさが混ざり合って苦い苦い……
ナランルートはスレンの死の上になりたつ関係上、幸せハッピーとはいかないのが好みが分かれそうなポイントですが、個人的にはスレンとナァラが「戦友」という新しい関係を築くのが、好きなところでもあります。
スレンがナァラとナランを想いながら最後まで戦うシーンでグッと来ました。
恋敵だけど何よりも大切な弟分と最愛の妻なんですよね……ナランルートは是非スレンルートを最後までプレイした後に選択して頂きたい…
ナァラはナランから同志として必要とされてると思ってるし、ナランは兄貴の存在があるしで、お互い想いあっているのになかなか伝わらないのがもどかしい。
もどかしく行き詰まった状況を酒の力で解決する力技、好きです(笑
「貴族じゃない人間の妻は子供を産んだら次の夫に嫁がなくてはならない」というクソすぎるナスラ法は迅速に滅ぶべき。そうせざるを得ないほど人口不足が深刻なんでしょうが、本当女が道具みたいで辛いですよね。
7年の遠回りを経て、軍事司令官となったナランがナァラに改めて求婚するハッピーエンドは素晴らしいのですが、18歳から25歳という華々しい時期をあのクソ法のせいで……という気持ちも付き纏ったのは内緒の話。
PSP版をプレイした記憶として「ナランの忍耐力はすごい」とだけ覚えていたのですが(オイ)本当にすごかった。忍耐だけでなく並々ならぬ努力が見えるから格好いいなぁと思ってしまいますね。
兄貴分の死から立ち直り、1人の男として成長していくナランの生き様が格好良すぎました。
後日談のナランはだいぶ意地悪で笑っちゃいました。わんこのようだったのに、すっかり掌で転がす側に回っているぞ…恐ろしい子!これはPC版で見たいような……笑
トーヤ CV:立花 慎之介さん
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トーヤルートといえば初夜の偽装をするシーンが1番好きなんですが、棒読み演技してみたり、ベッドを軋ませようと跳ねてみたりのカオスに、やはり今回も笑ってしまいました。
最初の方ノールはどんな気持ちで聴いてたんだろう…。芝居しようとする2人が面白すぎて、思い出しては頬が緩んでしまいます。
メインヒーローだけあり、もはやこの2人はThe運命な関係性も併せ持ったカップルで、同じ目的のために突き進む格好良さが止まりません。
最初は同じ願いを持つ者同士の契約結婚から始まる関係ですが、その思いがやがて恋に変わるのも自然でした。
前半はトーヤの頼もしさ・格好良さに惚れ、中盤から見え隠れする不安定さにドキドキし、グッドとバッドとで大きく分かれる展開に「うわぁぁあっ」と戦慄したキャラクターでもありました。
前回プレイした時もバッドで「うわぁぁぁあっ」となった気がします(笑
中盤以降、なんとなく噛み合っているようで噛み合っていない会話に、ナァラが違和感を覚えるシーンがちょこちょこあるんですが、ジワジワ怖いんですよ……
理由がわかると色々納得ではあるんですが、正体不明の不安が這い寄ってくるようで「怖っ」となりながら進められるかと思います。
トーヤには双子の兄がおり、昔ナァラと花畑で会い、結婚の約束をしていたのは兄の方でした。
トーヤはナスラでは不吉な存在とされる双子の弟だったため、兄に何かあった時の身代わりとして地下でひっそり育てられてきましたが、謀反の計画が父親にバレた兄の自害を機に「トーヤ」として生きることに。
自分の存在が兄を殺してしまった贖罪にと「兄」として生きてきたトーヤ。そんな彼自身が唯一望んだのがナァラだったんですね……。ナァラが花畑の少女で、恩人の娘だったのは、もはや運命のいたずらとしか。
女たちの信頼を得てたどり着くエンドは、タイトルを回収したうえで大団円感あり最高の流れ。
逆に地雷を踏み抜いてたどり着くバッドエンドではトーヤが狂ってしまい、グッドとは正反対な地下軟禁+絶望の日々が待ち受けます。
ナァラの声は一切届かずとにかく悲惨なんですが、ありのままの自分を愛して欲しいトーヤの哀しみも感じられて辛いエンドでした。
ルジ CV:中澤 まさともさん
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羊の皮をかぶった狼
ルジのルートへはトーヤルートの途中から分岐。腐死の研究室が王城へ移設されたのに伴い、交流がスタートします。
ルジのルートで好きなところはお互いの親友2人が幸せそうなところで、ルジの親友2人+ナァラの親友2人で飲み会をするシーンに癒されます。
お互いの親友with親友でカップルが成立してるのがちょっと不思議な気持ちになりますが、シャルの最大限幸せな姿が見られるのはルジルートだけ。
逆にルジルートの苦手なところはトーヤルートからの派生なところ。
形だけとはいえ「トーヤの妻」という立場でルジに惹かれていくため、浮気感が半端ないんですよね……でもこれこそがルジルートにおける最大のポイントではと思ったりも。
ルート派生は他キャラクターでも同じなのに、何故かトーヤルートでは気になってしまって、「あの晩通りかかったのがルジだったら良かったのに」と思っちゃう。でもきっと本人たちが1番そう思ってますよね。
ルジは実はナァラの父の姉(叔母)の息子で、ナァラとはいとこにあたります。
何となく親しみを感じる(惹かれ始める)→いとこだと分かったらますます親しみを感じる(けど従兄弟だからという情ではなさそう)→想い爆発までの流れが実に鮮やかで。
ルジは一見優しく控えめですが、恋愛面では気持ちを隠さず積極的なところが素敵です。そういえば昔「ロールキャベツ男子」と呼ばれていたような記憶が蘇りました。セリフの中でも、
「ご……ごめん。わざとじゃないんだ」
「……でも」
「これは、わざと……」
が優勝すぎて頭の中がウェーイウェーイ!ドンドンパフパフ!ウェーイ!みたいな大変な状況になりました。草食系の顔をした肉食系万歳!
王の妻を奪うことになるので、結果的にかけおちエンドしか道はありませんし、ストーリーの方はそんなこと言ってられないくらい苦くて切ないんですが、雨が降るたび思い出される恋ってなんだか……切なさの中に艶っぽさがあっていいなと。
少しゾッとするところも含めて好きです、ルジルート。
バッドの続きはPCリパケ版のみ。怖いけどルジバッドその後のために買う価値はありかと。
ウル CV:雪代 綾乃さん
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かわいい(直球
ウルだけ公式アイコンが見当たらず、FDのアイコンで失礼します。
いつでも味方でありながら、王妃らしくないナァラの態度にちょいちょい苦言を呈してくれる良き従者
トーヤルートの幕間にウルとのエピソードが追加されている印象で、幼いウルがナァラを主君と定め、また1人の女性として慕いつつ、そばで支えていくというストーリーでした。
トーヤとナァラが夫婦なので、ウルの想いが実を結ぶことはありませんが、何があっても味方でいてくれる存在は心強いなぁと思います。
個人的に「そこは恋愛じゃなくても…」という思いはありますが、終始ナァラとウルのやりとりがかわいく、本作の屈指の癒し枠な印象でした。
しかし大人になってからプレイするとオーリの懐の広さにビックリします。
あれほど愛していた女を攫われたうえ奪われて、なぜ許せるのか。私だったらたぶん相手の話聞く前に鉛玉食らわせてますね(弓矢の世界に銃持ち込むな
ノール CV:鈴木 千尋さん
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本当にこの男でええんか。
乙女ゲーム×文鎮といえばこの方。
ナスラでは夫婦となったその晩、初夜の儀式をする必要があるのですが、女に興味のないノールは寝台に文鎮を放り投げ、妻となったナァラに向かって「それを使って純潔を散らせ」と言ってくるのです。あまりにも酷い……
以降文鎮を見るたびにノールの顔が頭に浮かぶのも仕方なしな、インパクトを残していったキャラでした。ちなみにナァラ役の立石めぐみさんが朗読イベントに文鎮を持って参加されたのはあまりにも有名な話。
ともあれ文鎮を手に覚悟を決めたナァラを見て、何か思うところのあったらしいノールは1つ賭けをすることに。
それはトーヤの政策に反対する大臣たちの筆頭「オルテ大臣」を説得すること。
賭けに勝てばルスの女達解放に向けて働きかけてもらう約束をし、ナァラは大臣説得に動くのでした。顔を合わせれば嫌味が飛んでくる始末、とんでもない奴と契ってしまった感が半端ありません。
このオルテ大臣がまあ手強い人物でして、そもそも会ってすらもらえない。
居留守を使われても毎日通い続け、門の前で待ち続けるナァラの心境を思うと可哀想で泣けてきます。
ただ大臣は決して悪ではなく、国や家族を大切に思う気持ちがあるからこそ、甘ったれた夢物語に耳を貸す余地などない的な感じなのですが……それでも諦めないのが我らが王弟殿下。
熱が出ても1ヶ月立ち続けた末に、大臣の妻のために「これで道が拓ける」と、ためらいなく女の美しさの象徴とも言える髪を切って差し出すシーンでは「気高いよぉ……」と謎の賛辞を送りながらいつも泣いてしまいます。
ノールはかつての自分と同じように、ナァラが失敗して絶望を味わえばいいと思ってるんですが、一生懸命さに心動かされてちょこちょこ助けてくれるんですよね。
変な仮面をつけて暴漢から助けてくれるシーンは申し訳ないですがちょっと笑ってしまいました。
しんどくて始める前はやだなと思ってしまうノールルートですが、読み始めると止まらない。魅力あふれるルートなのでした。
中盤のいい奴っぷりで忘れかけていますが、後半はねっとりHENTAIです。Switch版でもギリギリなのに、PC版ではどうなってしまうのか(
セフ CV:小田 敏充さん
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ノールルートに登場するオルテ大臣の放蕩息子。
女たちの未来のためオルテ大臣に会う必要のあるナァラは、偶然出会ったセフに取り次ぎを依頼しますが、のらりくらりとかわされてしまい……
自称・頼れない男というだけあり、なかなか力になってくれないのですが、ナァラのことは放っておけず、何かと構ってくれます。
とはいえ大臣に働きかけてくれる訳でもなく、「さっさと諦めなよ」なスタンスですが、諦めの文字はないナァラを時おり眩しそうに見るのが印象的でした。
ノールの妻という立場上、1度離縁されてセフと再婚する流れになるのですが、ノールルートを終えた後だと、彼がナァラの言うように「ひたすら冷たい夫」に見えないですね。
無感動に離縁を告げるシーンでも僅かに「自分のもの」的な執着がチラついて見えて、突き放すような言葉の裏に色々な思いがあったのかなぁと考えてしまいます。
まだナァラより国の優先順位が上だっただけのこと。手放せなくなる前に手放したパターンなのかはと。
オルテ大臣がナァラのことをどう思っていたのか、チラッと窺えるのも良いです。
政敵だから議論する余地はないし、厄介な存在以外の何者でもないけれど、根性は認めていたという。そんな女性が息子の嫁になるんだからまったく数奇な運命ですよね。
セフは自分のことを頼りにならない男と言っていましたが、ナァラの味方になる覚悟を決めてからは、全力で支えてくれて格好良かったです。
文章で書くとサラッとしてしまいますが、「生き方を変える」って想像もつかない覚悟が必要だろうと思います。
実際、立場を変えたことでセフは政治と関わることになり、反対派議員たちから心無い言葉を投げられながら、根気強く1人1人を説得して回ることになるのです。それに文句ひとつ言わないんだから、ナァラじゃなくても惚れるなぁと。
後日談のナァラは正直どうした?とモヤってしまいましたが、セフがモテるのはとても分かります。
たまに飛び出すおちゃらけた言動が面白いし、確かな賢さが感じられて、ダメなおじさん風の格好悪さすら格好いい男セフ。
いい感じに肩の力が抜けた格好良さが素敵でした!
エスタ CV:牧野 秀紀さん
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エスタルートはノールバッドエンドからの分岐と、エスタに娶られる2パターンが存在する豪華仕様。
というのも元々エスタは攻略対象ではなく、PSP版でジギと共にルートが追加されたからなんですね。
ノールバッドでは、洗脳され何もかも「ノール」としてしか認識できなくなってしまったナァラを連れて逃げ、献身的にお世話する優しさにグッと来ます。「永久の待ち人」は作品通して最も印象に残っているエンドの1つです。
エスタルートの方では、シャルの代わりに娶られることになったナァラをエスタが救い、彼の妻となるのですが、人間味のなさに驚きつつ、友人として交流を深めていく様子が描かれます。
生まれて初めてできた友人兼妻という存在にどう接していいか分からず、本人の前で部下に相談する不器用さに笑ってしまいますが、2人でまじめに協議する姿を想像すると微笑ましい限りです。
ナァラを喜ばせようと毎日お土産を買ってきてくれたり、いつでも関係を無効にできるよう婚姻の誓約書を書かずにいたりと、静かな優しさが温かく、ナァラはもう毎回エスタを選んだらいいんじゃないかな、と思ってしまうくらい素敵な旦那様でした。
エスタをノールから解放する条件が、オルテ大臣の説得だったのには、正直「またか!」と思ってしまいましたが、刺客から守ってくれたことをきっかけにエスタとナァラの距離が縮まり、全ては円満に解決。
もちろん2人を助けてくれたオルテ大臣……好き……となるまでがセット。
屋敷通いの日々が辛いけど大臣は嫌いじゃない、むしろ好きという謎の感情。
ノールにも気に入られ、最後の方はやたらと絡んでくるのに笑ってしまいました。
毎日お見舞いに来る上司とか嫌すぎますね…w
ジギ CV:柿原 徹也さん
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最後はPSP版からの追加キャラであるジギ。
エスタから好き(告白ではありませんが)と言われた直後からルートが分岐するとは、なかなかに残酷ですね。
ジギはエスタに心酔しており、エスタを変えたナァラを嫌っているため出会いの印象は散々です。
トゲトゲしい以前に「雌」呼ばわりで、まず人間としてすら見られてない感。そこには過酷な奴隷時代を過ごしたジギの生い立ちが関係しているのですが……
しかし泣いているところを見られて八つ当たりして以降、気持ちを包み隠さず言い合えるジギに、ナァラは少しずつ心を開いていきます。まあ、罵倒し合うとスカッとしそうですよね……w
ナァラのことが嫌いだったジギは、ナァラ抹殺を目論む一味の存在を知りながら、見て見ぬふりしようとするのですが、交流を続けるうちに心変わりし、秘密裏に敵を全員始末してくれます。
そのせいで大怪我を負ってしまうのですが…
…エスタとナァラの関係を見抜いて以降は好意を隠さず、やがて両思いになる流れでした。
大嫌いが好きに変わる恋って良いですよね。猫のように自由なジギは、なかなかの策士でした。
個人的レビュー
越えざるは紅い花~対の月~の好きなところ
カッコ良すぎる主人公
美人なうえスタイル良し、賢い、王妹(王女)、料理できる、男並みのバトルスキル、仲間第一、苦境にあっても誰かのために動ける気高さ 等々、これでもかと設定が盛られており文句なしの格好良さ。
そんな彼女がモテないはずがなく……むしろ男女問わずモテモテなあたり、好みが分かれるかも。
山盛りの追加コンテンツ
後日談・後日談の後日談・小説(ショートストーリー)・ボイスドラマなど、お楽しみコンテンツがこれでもかと詰まっており、長く遊べます。
後日談の後日談の後日談くらいありそうなボリューム感
実際あると思う
越えざるは紅い花~対の月~に物申したいところ
一部キャラルートがメインキャラルートからの派生
一応違和感ない形で分岐しますが、浮気または寝取りっぽくてやだ…と言われたら実際その通りなので何も言えません。
不快な表現がある
物語の舞台であるナスラは男尊女卑の風潮があり、女を道具としてしか見ていない人物が多々登場する等、不快になる表現があります。
もちろん優しい人も多いですが、差別的な表現・発言が苦手な方にはキツイかもしれません。
総評
ストーリー : (4 / 5)
グラフィック : (3.5 / 5)
音楽 : (4 / 5)
システム : (4.5 / 5)
ボリューム : (5 / 5)
総合評価 : S
大体1人2~4時間ほど(ルートによって幅あり)。フルコンプまでにかかった時間は25時間ほどでした。
これだけ攻略キャラが多いと、失礼ながらどうでもいいキャラがいそうなものですが、そんなことは全くなく。
どのルートでもブレずに、その立場から問題に向き合っていて素敵でした。
あえて気になる点を挙げるならスチル(1枚絵)の絵柄にバラツキがあるような気がしましたが、移植の度に追加されたゆえかも。
Switch版追加要素のアフターストーリーはボイス付きなうえ、なかなかボリュームもあり良かったです。
特にノールの話が面白くてお気に入り。
とにかく追加要素全部盛りなのでボリュームが凄まじく、クリア後もたっぷり遊べます。
まとめ
・格好いい&戦う主人公が好きな人
・ストーリーがしっかりした作品を遊びたい人
・執着愛が好きな人
私が最初に本作をプレイしたのはPSP版で、おそらく7~8年ぶりくらいに最初から最後までプレイしましたが、まごうことなき神ゲーでした。
実は昔プレイした際、ハマりにハマって「今後紅花関連のものが発売されたら毎回必ず買う!」と強く心に誓ったことだけはハッキリ覚えています(笑
当時そんなに好きな作品だっただけに、再プレイして「もし楽しめなかったらどうしよう……」とちょっと怖い気持ちもありました。
しかしそんな心配は全くの杞憂で!面白い作品はいつ遊んでも面白いんだなと再認識できた次第です。
むしろ程よく記憶が飛んでいるおかげで、新鮮な気持ちで1からプレイできて本当に良かったなぁと。
遊ぼうか迷っている方には背中を押しますので、是非プレイしてみて下さい!
長くなりましたが、本日もお付き合い下さりありがとうございました。
ヤンデレ好きさんはこちらもどうぞ!
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