こんにちは、モッチです!
『9 R.I.P.(ナインリップ)』をフルコンプしましたので、作品紹介 → 個人的レビュー → 各ルート感想 → 総評 → まとめの順に書いて行きたいと思います。
・ネタバレを含む部分は、「続きを読む」ボタンでワンクッション置かせて頂きます。
それでは、本日もよろしくお願い致します。
作品紹介
『9 R.I.P.(ナインリップ)』とは?
OPムービーなど
『9 R.I.P.』は、2023年6月29日にオトメイトから発売されたNintendoSwitch向け乙女ゲーム。
物語により主人公の立ち位置や攻略キャラクターが変わる、オムニバス形式のストーリーが特徴です。
①生者である主人公が死者の世界に迷い込む「学校の怪談編」
②死者となった主人公が現世をさまよう「都市伝説編」
③生者のまま地獄に堕とされてしまう「異世界編」
④妖が見えるようになってしまった主人公が賑やかな日常を過ごすことになる「妖編」
全部で4つの物語が存在し、ルートごとに新鮮な気持ちでお話を楽しめるのがポイント。
攻略キャラクター全員が人外であり、さまざまな怪異・妖がモチーフとなった、本作ならではのちょっぴり不思議な恋物語が楽しめます。
怖さ・ホラー要素はどのくらい?
「乙女ゲームのホラーだから大したことないだろう」とタカをくくっていたのですが(すみません)、想像の3倍くらい怖かったです。
本作における怖さのほとんどは学校の怪談編に集約していた気がしました。
具体的に何が怖かったか(一応伏せます・スクショなし)
主に紅華ルートに登場する幽霊(悪霊)の立ち絵が怖めです。
普通の幽霊は影みたいな立ち絵なので問題ありませんが、1体だけ力の強い怨霊みたいなのがおり、貞子みたいな長い髪とこちらを睨みつける目が人によっては怖いかなぁと思います。
どうしても無理な場合は画面上部を隠せばなんとか……(私は怖かったので隠してプレイしました
画面を隠してプレイする場合、セリフウィンドウギリギリまで隠したほうが良いです。
あとはバッドエンドで主人公が幽霊に殺されるエンドが多いので、苦手な方は回避したほうが無難かもしれません。
個人的レビュー
共通ルート終了まで大体4〜5時間ほど。
選択肢により分岐する4ルートそれぞれに共通パートがあるため、結構なボリュームです。
そのぶん個別は1人あたり2時間半ほどと、サクッと楽しめるちょうど良い長さでした。
どんどん進めたくなる作りが良いなぁ……オトメイトさん、こういうところうまくて流石だなぁと思います。
攻略キャラ達の主人公への執着は強めですが、ヤンデレめいた描写は少なめ。
個人的には幽霊と生者ゆえのドロドロした感情にも期待を寄せていたので、その辺りは少し残念でした。もっと強烈な生者への執着とか……あってもいいんですよ?
基本的にみんないい人(幽霊)だよね。
雰囲気は良いし、人外好きにはたまらない作品だと思う。
レビューはこちら
ストーリー概要
「この街は昔から神隠しが多い土地でね、
精神的に参っていたり、大きな悩みを抱えている人が神隠しにあいやすいの。
あなたは大丈夫?」
高校2年生、秋のはじまる頃。
親友にそう言われ、主人公・逸色珠沙は胸をどきりとさせた。
「神隠しなんて信じてないから大丈夫」
そう、信じてはいない。
ただ……大きな悩み――進路のことがあるから戸惑っただけ。
そんな彼女の耳に聞こえてくる気味の悪い声。
【探しましょう あなたの道を。僕は あなたを闇へ誘う者】
それから珠沙の周りで不思議なことが起こりはじめて……。
作品情報 | 制作スタッフなど(敬称略) |
---|---|
企画・監修: | 亜文 |
イラストレーター: | ユウヤ |
シナリオライター:学校の怪談編 | 喜多 南、ゆきみなべ、葉月ネリカ、長野和泉、亜文 |
シナリオライター:都市伝説編 | 小縞なお、亜文 |
シナリオライター:異世界編 | 鵜森はだし、Salala、亜文 |
シナリオライター:妖編 | 喜多 南、海野凛久、藤川ちより、亜文 |
CERO: | 「C」(15才以上対象) |
対応機種: | Nintendo Switch / Nintendo Switch Lite |
ヒロイン紹介
主人公:逸色 珠沙(いっしき みさ/名前のみ変更可能)
本作の主人公。
成海ヶ浜高校に通う2年生。明るくて優しい性格だが、気を遣いすぎるところがある。
子供のころから不幸体質で、ついていない出来事に見舞われてきた。母親が希望する大学へ進学したくないが、それを言い出せずにいる。
引用元:https://www.otomate.jp/9rip/
ある夜、奇妙な声を聞いてから日常が狂い始めていく――。
攻略キャラクターとおすすめ攻略順
攻略キャラクターは9名。
致命的なネタバレは無いため攻略順は好みでOKですが、主人公絡みの真相を少しずつ知りたいのであれば学校の怪談編 or 都市伝説編 → 異世界編 → 妖編の順がおすすめです。
もしくは、公式発表の怖さと糖度を参考に決めるのもアリかと思います。
参考までに私は響 → 紅華 → 星絆 → 香羊 → 聖ヤ → 魅ナミ → 幸麿 → 狐春 → 隠しの順に攻略しました。
学校の怪談編を1人攻略したら他の物語に……とか、色々な世界を行き来しながらプレイしてみるのも面白いかも。
ルートごとの怖さ・糖度
怖さ | 糖度 | |
---|---|---|
学校の怪談編 | ★★★ | ★☆☆ |
都市伝説編 | ★☆☆ | ★★☆ |
異世界編 | ★★☆ | ★★★ |
妖編 | ☆☆☆ | ★★☆ |
隠しキャラクターはいる?
公開されている攻略キャラクター以外にも隠しキャラが1人存在し、条件を満たすとルートが解放されます。
隠しキャラは誰?
桃嘉(CV:天﨑滉平さん)
隠しキャラルート解放条件
① 幸麿、狐春の神&天エンドクリア
② 魅ナミの神エンドクリア
攻略キャラクター&キャスト紹介
キャラクター | キャスト |
---|---|
紅華(くれは) | CV:増田 俊樹さん |
響(ひびき) | CV:土岐 隼一さん |
香羊(こうよう) | CV:鈴木 崚汰さん |
星絆(せな) | CV:柿原 徹也さん |
魅ナミ(みなみ) | CV:岡本 信彦さん |
聖ヤ(せいや) | CV:立花 慎之介さん |
幸麿(ゆきまろ) | CV:KENNさん |
狐春(こはる) | CV:阿座上 洋平さん |
個別ルート感想 (ネタバレON/OFFボタンあり)
学校の怪談編:共通ルート
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進路に思い悩む主人公・珠沙は、ある時自分を闇に誘う謎の声を聞き、気づいたときには赤く染まった校舎に1人取り残されていました。
そこに声をかけてくれた「からからさん」こと紅華の力を借り、学校を探索することに。
珠沙は無事、元の世界へ戻れるのでしょうか?
どうやら珠沙は謎の神様の力により、神隠しに遭った模様。七不思議を全て見つければもう一度神隠しを起こせるということで、幽霊達に協力してもらい学校中を巡ることに。
その過程で過去に学校のあった土地で起きた「神降し事件」にまつわる謎も少しずつ明らかになっていきます。
七不思議を全て集めた時点で共通ルートが終了。今度はこれまで協力してくれた彼の問題を解決するため、珠沙が力を貸す流れになります。
結末によっては攻略対象が悪霊化したり、主人公が新たな怪異になってしまったりと、なかなかにハードで怪談みたっぷりなルートでした。
響 CV:土岐 隼一さん
続きを読む
ちょっぴり気弱な合わせ鏡の幽霊。
うっかり転んで鏡に手をついた珠沙の手に触れた際、生者の魅力に魅せられてしまい、「もっと触れたい」と狂気的な顔を見せるように。
珠沙に対しては申し訳なさと、欲望が同居しているような状況で、不安定な態度をとります。まずいタイプの幽霊だと一目見てわかるヤバさに、思わずニヤニヤしてしまいました。
その後の彼視点で、珠沙への好意は「心から惹かれてのものなのか」、それとも「最初に生者としての魅力に惹かれたから」なのか、思い悩む繊細さがいじらしかったです。
物語が進むにつれ、彼女の役に立てるのが嬉しい!けど、終わったら彼女、帰っちゃうんだ……という仄暗さがじわじわと。
どこか危険な雰囲気と普段の優しさ。アンバランスな二面性に惹かれました。
個別ルートでは響くんを成仏させるため、まずはその生い立ちを聞くことに。
1949年の戦時中、両親から愛され暮らしていた響くん。両親亡き後は親戚の家で煙たがられながらも、懸命に過ごしてきたのですが、あるとき地元権力者の「月神家」に拉致されてしまいます。
月神家の当主は気が狂っており、神隠しに遭った1人娘を取り戻すため、生贄を集めていたのです。
響くんは同じく拉致されてきた周りの声に耳を澄ませながら過ごすうち、心を病んでしまい、殺されるくらいならと自ら死を選びます。「響くん何も悪くないのに……」と、とにかく可哀想で仕方ありませんでした。
途中不穏さはほとんどなく、ひたすら響くんの心残りを解消するべく動きます。
珠沙は「響くんが幸せになること」だと思っているのですが、どうやらそうではない様子。
生身に触れたときに感じられる激しい憎しみの感情から予想できる通り、響くんの心残りは、自分を死なせた月神功への「復讐」だったのです。
結論から言うと珠沙への愛が憎しみに勝った形になりますが、今度はその愛が心残りになってしまい成仏できない永遠ループ。
その流れから、渾身の「僕のために、死んで下さい」「あなたの人生、全部下さい」が聞けただけで、もう最高のルートであることが確定しました。
あんな穏やかな死んで下さいあります?主題歌ピアノBGMも合間って土下座級の最高を捧げましたよ……
この物語はどこに終着するのかな、響くんは死者だから、もはや鏡の中に引きずり込みハッピーエンドしかなくない……?なんて思っていたのですが(オイ)、どちらの立場も変わらず、良い決着だったのかななんて思います。というより、生者のままで死者と恋愛を続けるという結論が新鮮でした。
もう1つのエンドは成仏した響くんが珠沙を守護霊として見守りつつ、人生を終えたらまた恋をしようという終わりでした。
ヤンデレ味は控えめですが、確かな執着を感じる良きルート。信頼の代わりに自分の名前を教えるって良いですよね。
ちょくちょく登場する聖ヤさんが面白い人で本人ルートが楽しみになりました。
紅華 CV:増田 俊樹さん
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プロローグの「からからさん」の会談が怖くて、怖いけど格好いい!という謎の感情が入り混じりました。
コワカッコイイという新ジャンルが爆誕してしまった(何
話してみると普通に優しい人で一安心。生者でありながら隠世に迷い込んでしまった珠沙を、元の世界へ戻す手助けをしてくれる、なんとも心強い存在でした。
というのも実は紅華さん、現世の方で珠沙と友人が自分の噂話をしている姿を目撃しており、「死んでからもずっと記憶を探して彷徨うなんて可哀想」と、珠沙が自分に同情してくれたことを嬉しく思っていたのです。
お互いの存在でお互いの心が温まっている、なんとも微笑ましい2人でした。
ちょっぴり天然気質なところがあり、ズレてはいるものの、常に珠沙を案じてくれる優しさにキュンとします。珠沙の卒業式には泣いてくれるという話には「お父さんかな!?」と笑ってしまいました。
しかし親しくなればなるほど、別れの時が辛くなるもの。お互い想いが通じ合っていることを察しつつも、未来はないと分かっているから口にしない空気感が切なくて尊いです……
そんな紅華さんルートでは8つ目の七不思議と、それを守る悪霊と相対することに。
白状すると悪霊の立ち絵が怖すぎて、途中から画面上部を隠してプレイしたので、恋愛どころではありませんでした(爆
めちゃくちゃ見てきますし、油断してるとバーン!と出てきますしね。怖いの苦手な方は要注意かも。
しかも驚くべきことに、ラストの方は画面の上半分じゃダメだったんですよ……あのヌーッと画面下から覗いてくる演出!思わずギャー!!となりました。本当にスタッフは殺しに来ているなと思いました(私のことを
エンディングは珠沙が力尽き、2人幽霊として生きるエンドと、生者と死者として生きていくエンドの2パターン。
終始甘々な恋愛が楽しめますが、月神家にまつわる事件が響くんルートより詳しく語られるのことで、月神功への絶許度がMAXになります。
あと少年の幽霊は結構重要人物だったので「顔グラ欲しかったな」、なんて思いました。
都市伝説編:共通ルート
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突然の交通事故により、自覚がないまま幽霊となってしまった珠沙。
訳も分からず彷徨っていたところを「幸せのメリーさん」・香羊に拾われ、自身に起きた不思議な出来事の謎に迫っていくことに。
思いつめた様子の友人・咲耶果。事故前日に彼女が行ったおまじないには、どういった効果があったのか。
謎めいた始まりに引き込まれます。
珠沙と咲耶果、香羊と星絆。2組の親友の切なくも心温まるお話。
星絆 CV:柿原 徹也さん
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星絆さんの正体は、若くして亡くなった人気アイドルSENA。
珠沙とは幽霊仲間として親交を深めていくことになります。
話すほどに違和感が感じられるのですが、実は星絆さんは自分が幽霊であることに気付いていません。
彼の時間は生きていた頃の同じ1日を繰り返しており、今でも世界に飛び出すアイドルになることを夢見ていました。
そんなわけで、彼と会うたびに「はじめまして」を繰り返すことになるのですが、珠沙との会話は星絆さんの心を動かしており、わずかながら記憶に残るようになっていくんですね。
星絆さんの成仏を願う香羊さんからの頼みもあり、現実を直視させるため、星絆さんと積極的に関わっていくことになる珠沙。
その過程で、実は珠沙は死んでおらず、一時的に幽体離脱しているような状態だと判明します。
星絆さんの「ちゃんと成仏するから」という言葉を信じて元の体に戻るものの、「本当に成仏したのか」姿が見えない彼のことが心配で、珠沙は気が気でありません。
近くて遠いを繰り返しつつ、天エンドでは珠沙が星絆さんの側へ。
響くんの鏡の世界の中ならお話できるよ→生者パワーに魅せられた響くん襲来の流れが怖くて、ついテンションが上がってしまいましたが、1度奇跡の生還を見ているぶん、遺された家族を思うとちょっと可哀想なエンドでした。
神エンドは生者と死者に分たれて生きることになるものの、縁結び神社の勾玉の力で1年に1回、織姫と彦星のように会えるという終わりでした。ちょっと切ないですが、死亡エンドよりしっくり来る終わりかも。しかし中盤あたりから勾玉便利すぎん?
あとアイドル活動への未練は断ち切れたのかなと。これから長い時間をかけて消化していくのかなぁ……。
ファンに見つからないようコソコソしているかと思えば、人に見つかりたくて駅前の目立つところにババーンと立っているなど、なかなかにファンキーで面白いお兄さんでした。幽霊なので人からは見えないんですけどね……笑
結論:愛が重いといいつつ、そこまでの重さを感じさせない星絆さんはキュートな男でした。
香羊 CV:鈴木 崚汰さん
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自身に起きた事実が受け入れられず、半ばヤケクソになっていた珠沙に声をかけ、仕事を与えてくれる「幸せのメリーさん」。
普段はスマホを片手に、死者の言葉を遺族に届ける仕事をしています。
香羊さん、めちゃくちゃいい人なんですよ……!
珠沙のことを色々気遣ってくれるのは、事故を目撃しており、助けられなかったことを悔いているからなのですが、そっけなく見える中に優しさがギュッと詰まっていて最高でした。
香羊さん、優しすぎるから色々な人に手を差し伸べて心残りを作りまくって、一生成仏できないんじゃないかって心配になってしまいますね。
そんな優しい香羊さんのルートに台風のごとく関わってくるのが「レイカ」という少女。
この子がまぁヤバい人物で。生前ホラーゲーム実況者だった香羊さんに、一方的に惚れ込んで殺害したうえ、死後も勝手な妄想を振り撒きながら付き纏っているとんでもない女でした。
香羊さんはそんなレイカを魂ごと滅するべく動いているのですが、正直レイカのしたことを思えばやむなしといった感じでした。
けれど香羊さんが手を下したら、「レイカを殺した」という事実が一生つきまとう。(実際、手を下すと責任を感じて地獄の看守になるエンド行き)
そんな訳で、香羊さんから引き離されて、ずっと地獄で苦しむのがレイカにとって1番辛い罰かなと思っていたのですが、最終的にはレイカにも救いがあって、まあ良かったのかなと。
レイカが見ていたのは「香羊」ではなく、自分が育てた配信者の「ヨゾラ」だったんですね。
それはレイカにとっての理想の存在でしかなく、毒親であった両親と同じことをしていると気付いた彼女は最後、香羊に一言謝るのでした。
実は香羊さんも珠沙と同じく生霊であったため、エンドは2つとも現世に戻って幸せになるというもの。
幽霊である星絆さんとはお別れになりますが、寂しさは感じられず、最後まで幼馴染の絆が感じられる終わりで良かったです。
「子供が生まれたら星絆と名付けてね!」には笑っちゃいましたが、FDが出そうな終わりだなと。
個人的に攻略キャラに惚れる女性キャラや、主人公を害してくるキャラが苦手なので身構えましたが、香羊さんが100%珠沙の味方なのと、割とマイルドなので大丈夫でした。
「またヤベェ女か!」と思わずバスタフェ2が頭をよぎったのは、多分私だけじゃないはず。
異世界編:共通ルート
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進路に悩むあまり疲れ切っていた珠沙は、ふと気付くと赤い光が差し込む不気味な電車に揺られていました。
たどり着いた先はなんと地獄。現世に戻る方法を探るため、珠沙は元エクソシストで地獄の大看守・聖ヤ、自分を狙う悪魔・魅ナミの2人と関わっていくことに……
聖ヤ CV:立花 慎之介さん
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聖ヤさん、仕事がバリバリできてクールな雰囲気なのに恋愛体質なのが面白すぎて、恐らく本作一エキセントリックな人物なのではと思います。
すぐに「はうっ!!」(惚れた)みたいになる聖ヤさんを見ながら、珠沙が冷静なツッコミを入れるやりとりが面白くて、大変な状況でもつい笑顔になりました。
肝心なお話の方は、レイカ→魅ナミの2本立てで、困難に打ち勝つたびに絆が深まる感じでしたね。
聖ヤさんの恋愛体質はさておき、献身的に珠沙の支えとなってくれるので心強さMAXでした。
香羊さんルートでも関わってきたレイカに身体を奪われて、やりたい放題されたので、正直「またお前か!!」と思ってしまったのは内緒の話。
都市伝説編が終わったので安心してたのに、まさか異世界編でも奴が関わってくるとは思いませんでしたよ……
聖ヤさんの愛情表現は直球かつ重めで、全編通してずっと愛を囁いて下さっていた気すらします。
それでいて「いつか彼女は現世に帰るのだから、この想いは断ち切らないと」と、割り切っているので「正気か!?」とすら思いました。もはや崇拝レベルで好きなのに、彼女の幸せを願って身を引けますか?そんな聖人いるのかな?と。でも聖ヤさんならできそうなんですよね……
魅ナミくんとの対決で珠沙の抱える問題と聖ヤさんの抱える問題が同時に解決する流れは実に鮮やかでした。
神エンドでは生者と死者とに分かれることになりますが、聖ヤさんから妻認定されたのち、「結婚せず独身で寂しい生涯を送ってください」発言には笑いました。聖ヤさんの思ったことを包み隠さず言ってくれるところ好きです。全然大人しく待つ気ないし……笑
天エンドは地獄で死を迎えた後、聖ヤさんの同僚としてHO職員となるエンド。職員服でお揃い感あるスチルが素敵でした。
魅ナミくんにはバッドエンドでちょくちょく精神崩壊させられて泣きました。
めっちゃ苦しめてきますけど本当に恋愛できるのかな……!?
魅ナミ CV:岡本 信彦さん
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珠沙の魂を狙う夢魔。
珠沙のことを昔から知っている様子ですが、獲物を痛ぶって遊ぶ子供のような、残酷な性格で振り回してきます。
どうしようもない気分屋だし、最初のうちは正直怖かったです。しかし実は珠沙と話をして、色々な表情を見るうちに、魂を奪うことにためらいを感じていたのだと分かります。
魂目当てとはいえ、珠沙が地獄で死なないよう守ってくれるので、頼もしさもありました。
実は魅ナミくん、昔取り込んだ青年の魂があまりにも美しく純粋すぎたため、消化しきれず良心が芽生えてしまっていたのです。
その魂を相殺するためには、全く同じ性質を持つ魂が必要。ということで何年も待って、ようやく見つけ出したのが珠沙の魂でした。
しかし魂を奪ったら珠沙はいなくなってしまうし、奪わなければ悪魔としての自分が失われていく。
相反する2つの願いを持った魅ナミくんは悩み続けますが、珠沙の「諦めず2人で生きられる道を探す姿」に感化され、魂を諦める決意をするのでした。
エンドは地獄or現世でずっと一緒エンドの2種類。魅ナミくんが実体を持って現世に現れる神エンドの方は、一体何をどうしたのか(人間の魂を喰いまくった?)非常に気になります……
あと出会ったばかりの時の少年の声・普段の声・夢の中の低めの声など、色々なパターンがあって声優さんスゴイとなりました。
優しい攻略キャラたちの中では、攻撃的でやや異質な魅ナミくん。険悪ながら徐々に良い関係を築いていく、ちょっと不思議な関係の2人でした。
妖編:共通ルート
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地元神社の神主から「憑いてますぞ」発言を頂いてしまった珠沙。お祓いを受けたところ、なぜかますます妖が見えるようになってしまい……!?
天然な座敷童子(見習い)から主認定され、強面こっくりさんに取り憑かれ、謎の神も現れとカオスな始まりを見せるルート。
他ルートとあまりに空気が違いすぎてビックリでした。ギャグ色強めでホッとできます。
幸麿 CV:KENNさん
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自分の姿が見える珠沙を主と定め、幸せにしようとつきまとうテンション高めの座敷童子(見習い)。
座敷童子協会って何!?と思わずツッコんでしまいましたが、昨今では面接に合格すれば誰でも座敷童子になれるようです。
言われてみれば幸麿さんも、どことなく高貴な出立ち。昔お供え物を貰っていたという話から、どこぞの神様だったんじゃないかなぁと予想していました。
自由奔放に見えて珠沙のことをよく見ており、気遣ってくれたり、問題に気づかせるために助言をくれたりと、懐の広さが素敵です。彼みたいな人が近くにいたら心が穏やかになれそうだなーと思える、素敵な座敷童子でした。
恋愛の方も終始ハートフルで、「珠沙どのー!」と直球な幸麿さんが可愛かったです。
終始面白お兄さんでクスッと笑えますし、自然に逸色家に溶け込んでいて、家族友人公認みたいになっているのが微笑ましかったです。
どちらのエンドでも珠沙が幸麿さんと婚姻を結び、死した後は妖として生まれ変わるのは確定。ずっと一緒にいるか、珠沙が人としての生を終えるまでお別れかの違いでした。
これまでのルートを思うと同じゲームとは思えないほのぼのっぷり。間違いなく妖ルートは癒しだと確信しました。
バッドエンドも1つだけで、バッド感がほとんどない可愛らしい内容にほっこりします。他ルートは9章まであったのに比べ、妖ルートは8章までと、若干短めに感じました。
狐春 CV:阿座上 洋平さん
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世界一取り憑かれたいこっくりさん。
幸麿から主認定され、困った珠沙が友人から勧められたのはなんと「こっくりさん」。
打開策を求めて呼び出すも、突然現れた幸麿に驚いた拍子に10円玉から手を離してしまい、狐春さんに取り憑かれてしまいます。
以降、狐春さんが満足するまで「犬」として彼の仕事を手伝うはめになってしまうのでした。
珠沙のことを祟るとはいうものの、狐春さんは基本的に面倒見が良く、取り憑いた人間のことを放っておけない性格。
相談に乗ってくれるし、ごはん作ってくれるしで、優しさしかありませんでした。時々珠沙のことを犬扱いしますが、めちゃくちゃ優しい飼い主さんだなと(笑
そんな彼に珠沙が惚れるのも無理はない話。狐春さんも恐らく珠沙よりも先に、惹かれていたので早々に両想いだったのかなと思います。
しかしある時、珠沙は狐春さんと雑談中に行った「きつねの嫁入りのおまじない」により、狐春さんのことで不安を感じると体調を崩してしまう体質に。
いわば事故のようなものなのですが、かけられた側はかけた方に惚れてしまうということで、狐春さんから「その気持ちはおまじないによるもの」だと言われてしまいます。
しかしおまじないが解けてからも狐春さんへの思いは変わらず。周りからハッパをかけられた狐春さんが覚悟を決めたところでエンドが分岐します。
個人に関わりすぎた狐春さんが一族から追放されてしまう天エンドはちょっと後味が悪い終わり。
神エンドは狐春さんから「1日9分、必ず散歩に付き合う」祟りを下されるというもので、1日9分はあまりにも短い時間ですが、わずかな時間をどう伸ばすか2人で考えようという、前向きな終わりでした。
言葉はそっけないけれど優しさにあふれた狐春さん。素敵さしかないルートでした。
隠しキャラクター
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桃嘉:人々に凶事(試練)を与える天狗の神様。
幼い頃から不幸な目に遭いまくる体質の珠沙に惚れ込み、見守り続けていたとのこと。
そこまで大切な珠沙を神隠しに遭わせていた理由は、「悪い未来を回避するため」。
亡き父を思うあまり珠沙母の中に生まれた狂いは珠沙へと連鎖し、その人生を狂わせようとしていました。
桃嘉は珠沙を正しい道へと導くため「人生を終えた者たちから、人生の大切さを知る機会」を与えようとしていたのが、これまでのルートの裏事情でした。
「命を落とすこともあるのに過酷すぎない?」と思っていたのですが、狂った人生を歩むのは生き地獄に近いらしく、それならいっそ可能性のある方に……ということらしいのです。
もしも珠沙が破滅を迎えたら、自身も運命を共にする覚悟だと知った時は、愛の深さを感じました。
幼い頃から珠沙を見守り続ける理由は、主人公に救われたから。
凶事を与える神である天狗は、人々から疎まれることはあれど、感謝されることはありません。そんな日々に嫌気がさしていた頃、桃嘉さんは4歳の珠沙と出会います。
まだ幼いのに不幸を引き寄せまくりの珠沙は、どんな凶事も乗り越えて見せました。それどころか「神様のおかげで強くなれた」と感謝する姿に、桃嘉さんは元気をもらっていたんですね。
神エンドは桃嘉さんが神としての全てを投げうち、人間として共に生きるというもの。髪を切った桃嘉さんが半端なくイケメンでした。
天エンドの桃嘉さんは小さい姿のまま。幸麿・狐春と3人で友人関係を築いていく微笑ましい終わりです。
妖ルートの3人は優しさに溢れていて、おまけに頼りになるので実家のような安心感がありました。
好きなところと物申したいところ
『9 R.I.P.』の好きなところ
題材にただただ感謝
実はホラー題材にした恋愛モノが大好きなんですが、あまり見かけないので乙女ゲームで出して下さったことに、ただただ感謝しかありません。
あと細かい部分までデザインが凝っていて「すごいなー!」と圧倒されました。会話ウィンドウ端にもカラフルな花があしらわれていて、とても素敵です。
攻略キャラクター視点が豊富
好感度が上がる選択肢を選んでいくと、そのキャラ視点の話が追加され、主人公との会話で思ったことや好意が見られる演出がとても良かったです。
少しずつ想いが積み重なってるんだなーと感じられました。
『9 R.I.P.』に物申したいところ
みんなすぐ主人公のことを好きになる
合間合間に彼視点の物語が多く挿入されるため、「なぜ好きになった?」的な違和感は控えめですが、気になる人は気になるかも。
一部ルートの恐怖演出
立ち絵OFF機能とかあると親切かな、と思いました。
総評
ストーリー : (4 / 5)
グラフィック : (4 / 5)
音楽 : (3.5 / 5)
システム : (4 / 5)
ボリューム : (4 / 5)
総合評価 : A
プロローグ開始時点でアレ?となりましたが、割と怖い描写に力が入っており、怖い話の語り口やBGMがちょいちょいプレイヤーを驚かせてきます。
あとは章が変わる時の効果音(ボォォーンみたいなやつ)が微妙に怖くて、良いシーンの後に流れるとテンション下がりました。もっと、鈴の音とかでいいのよ……(と思っていたら、妖編が鈴の音だった
幽霊相手に名前を名乗ってはダメだとか、細かい設定に「それらしさ」が散りばめられており、ドキドキが止まりませんでした。
恋のドキドキと怖いドキドキ、両方が楽しめるなんてお得な作品ですね(違
是非FDで続きを見たいエンドが多かったのですが、各自 天・神エンド×9キャラで18エンドもあるので、ものすごいボリュームになりそうですよね。
エンディングについて
幽霊とのエンドは主人公が命を落としてこれからもずっと一緒エンドか、人生を全うするまで彼に待っててもらうエンドの2パターン。
人間と幽霊の立場で恋愛を続けるエンドは、主人公が寿命を全うするまで2人の想いは冷めないのかな……とか、生涯独身を貫くことを周りから言われそうとか、ついどうでもいいことを考えてしまいました。
むしろその「エンディングを迎えてから、カレと再会するまでの時間をどう生きたか」が気になります。絶対2、3人悪霊化しかけてそう(失礼
どのルートの登場人物も良い関係性だったので、ほのぼのしつつちょっと恋愛みを感じる「主人公と3人友情エンド」みたいなものもあったら良かったな、なんて思います。(妖編にだけあります)
限定版の特典小冊子に、一部エンドのその後的な小話が載っていて、大変興味深く拝見させて頂きました。
まとめ
・さまざまなシチュエーションで物語を楽しみたい人
・攻略キャラの多い作品が好きな人
・人外が好きな人
仄暗さが足りんのよ。というのが正直な感想でした。
設定こそ斬新ですが、内容はいつも通り安定感のあるオトメイトさん作品。尺の関係か割とサクサク流れるように解決していくため、盛り上がりは控えめですが、萌えはしっかりアリ。
面白くないことはないんですが、もっとぶっ飛んでくれてもいいんだよ!と感じた作品でした。闇300%増しエンドを希望したい(そういう作品じゃないから
それでも、ホラーを題材にした乙女ゲームというだけで私にとってはどストライクでした。怪異との恋愛ってなんだかすごく禁忌感があって良くないですか……?(同意を求めるな
是非これからもニッチな需要に応えてくれる乙女ゲーム制作をお願いしたいところであります。
あと4つのルートごとに主題歌が用意されていたり、キャラごとのテーマBGMが存在したりと、細かい部分の丁寧な作りが好きです。
長くなりましたが、お付き合い下さりありがとうございました!
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