こんにちは、モッチです!
いつも遊びに来て下さりありがとうございます。
今日は「幻奏喫茶アンシャンテ」のフルコンプ感想を、作品紹介 → 個別ルート感想 → 個人的レビュー → 総評 → まとめの順に書いていきたいと思います。
ネタバレを含む部分は、「続きを読む」ボタンでワンクッション置かせて頂きます。
それでは、本日もよろしくお願い致します。
目次
作品紹介
実はほのぼの系作品が苦手な私。
「楽しめるかなー?」と正直あまり期待せず購入したのですが、良い意味で期待を裏切ってくれまして、めちゃくちゃ面白かったです!
まず全然ほのぼのしていなかった。がっつりシリアスファンタジー路線ながら「喫茶店」部分もちゃんとお話の根底にあり、ハラハラドキドキ時々ホッとしながら楽しめました。
幻奏喫茶アンシャンテとは?
「幻奏喫茶アンシャンテ」は、オトメイトさんより2019年10月10日に発売された女性向け恋愛ゲームです。
お話としては、「不思議な喫茶店のマスターとなった主人公と、人外との交流や恋模様を描いた作品」です。
共通ルートが8章までと長め。
個別ルートは大体1人あたり4時間位のボリュームでした。
お話の長さはキャラクターによって若干差があり、 「短:カヌス>凜堂>イグニス>イル>ミシェル:長」 の順でした。
ストーリー概要
祖父が営んでいた、一軒の喫茶店。
そんな彼の突然の訃報、そして遺言により主人公はその喫茶店へ関わることに。
どこか不思議な雰囲気のその場所で、彼女は不思議な男たちとの出会いを果たす。
「どちらさまも何も――異世界からのお客さまだけど?」
朗らかに笑う彼は、自称【魔王】。
その出会いは偶然か、必然か。
人ならざるものたちとの出会いの先に待つ、物語とは――。
引用元: http://www.otomate.jp/enchante/
ヒロイン紹介
主人公:淡木 琴音
逝去した祖父から喫茶【アンシャンテ】の経営を引き継いだ19歳の新人マスター。
高校卒業後に一度就職して社会人を経験しているため、世の中の厳しさも理解している。
明るく前向きな性格で、順応能力も高い。家庭的で料理も得意。
引用元: http://www.otomate.jp/enchante/
攻略キャラクターとおすすめ攻略順
ミシェルのみ4人攻略後にルートが解放されます。
公式さんよりおすすめ攻略順がアナウンスされているので、ご紹介させて頂きますね。
私はこの順を参考に、カヌス→イグニス→凜堂→イル→ミシェルの順にプレイしましたが、ばっちりだったと思います。
ミシェル・アレックス | CV:赤羽根 健治 |
カヌス・エスパーダ | CV:梅原 裕一郎 |
イル・ファド・デ・リエ | CV:石川 界人 |
イグニス・カリブンクルス | CV:小野 友樹 |
凛堂 香 | CV:諏訪部 順一 |
共通ルート感想 (ネタバレON/OFFボタンあり)
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人外キャラ達とほのぼの喫茶店ライフを送りつつ、居場所を求める彼らの孤独に触れていく物語。
異世界へ通じるゲート狙いでGPMの人達がアンシャンテにちょこちょこ手を出してきますが、圧倒的人外パワーによって阻止されていました。
共通3章まではアンシャンテの開店準備。
食品を扱うために必要な資格を取ったり、少しだけ各キャラクターとの交友を深めたりしながら準備を進めます。
最後に前の職場(ブラック企業)とも決別し、新しいスタートを切れる流れが良かったなと思います。
しかし琴音がコーヒーを淹れられなかったのには驚きました(笑
4章は異界を見に行こう!という話になり、1番安全で観光向きな妖精界メディオを訪れることに。カヌスのお話。
5章は先祖返りして人間界に生まれてしまった妖精の少年狩也と凛堂さんのお話。
メディアに戻さないと長く生きられないけれど家族と離れたくない狩也。
どう解決するのかな?と思っていたら、アンシャンテで働いてもらい時々メディアに戻ることで、一時的にではあるものの解決したのでした。
6章はイグニスに懐いた海魔コロロの両親を探しにベスティアへ。
イグニス良い人だな…とほっこりして終わるかと思いきや、最後にベスティアの残酷な部分を見せられて終わる、何とも後味の悪い終わり方でした。
7章はイルの成長物語。
コロロの両親の一件で落ち込む琴音を皆で励まそう!という話になり、イルの提案で各々がデートに誘います。
琴音と2人で出かけた乙女ゲームのイベントにて、これまで誰かに何かをしてもらってばかりだった彼が、初めて「人を守りたい」と思える貴重な体験をするのでした。
8章はミシェル中心に人間界に起こった異変が中心です。
度々謎の声に呼ばれる琴音、無人島に突如現れた謎の異形など続きが気になる章でした。
ラスボスズが力を遺憾なく発揮して無事解決。
普段のほほんとしている姿から想像できませんが、皆背負っているものは相当重い印象でした。
それぞれがチート級能力を持つ彼らには、個別ルートでも世界を揺るがすような問題が降りかかります。
個別ルート感想 (ネタバレON/OFFボタンあり)
カヌス・エスパーダ CV:梅原 裕一郎
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共通ルートでは見た目から怪しい人!といったネタ的扱いを受けていましたが、誠実な性格から街では人気者。
しかし妖精界で唯一死を司る存在で、他の妖精達からは不吉だと恐れられています。
カヌスには顔はなく、普段は色で感情を表現しているのですが、実は見えないだけで顔もちゃんと存在しているのだそう。
個別ルートではティターニア・ヴェンニーア姉弟との交流が増え、ヴェンニーアがアンシャンテへ来店するようになります。
反対に琴音も妖精界メディオへ行く機会が増えるのですが、ある時カヌスが妖精を殺す姿を目撃してしまいます。
そのことでカヌスとどう接したら良いか、聞くこともできず悩むことになりますが、凛堂や狩也に勇気をもらい、ある時本人に尋ねます。
妖精には死という概念が無いため、放っておくと際限なく増え続けてしまいます。
増え過ぎた妖精は世界に歪みをもたらすので、死を与える存在が必要とのこと。
辛そうなカヌスに寄り添いたい琴音ですが、カヌスが求めているのは理解ではなく、ただ癒してくれる場所のみ。
その場所を壊すな、踏み込むなと拒絶されるシーンは辛いものがありましたね。
しかし危険だからと突き放したのに、琴音ちゃんのことばかり考えてしまうカヌスさんにおおお・・となりました(笑
実は妖精界は世界樹に支配されており、時折カヌスが妖精を殺し、世界樹に必要な養分を与えることで成り立っていました。
ヴェンニーアは世界樹に縛られる妖精界が大嫌いで、姉を救うために現状を変えたいと考えていました。規格外の力を持つアンシャンテのメンバーなら、世界樹の破壊が可能だと考えて、アンシャンテに通い始めた節もあります。
ティターニアの「世界樹の花嫁」とは名ばかりで、実際には力を吸われ続ける生贄のようなものだったんですね。
ヴェンニーアはカヌスに協力させるため、強引に琴音とティターニアの場所を入れ替え、琴音を「世界樹の花嫁」にしてしまいます。
世界樹に魂や記憶を容赦なく奪われつつも、カヌスを信じ続けた琴音ちゃんの強さに惚れ、カヌスが駆けつけてくれたシーンではぐおお…となりました。本当に良く頑張ったなと…!
カヌスが命を奪うためではなく救うために剣を振り、世界樹に死をもたらすシーンは胸熱でした。格好良過ぎて私も燃え尽きましたよ…(何言ってる
最後に世界樹から救われた直後の、少し妖精の力が混ざった琴音にはカヌスの素顔が見えたんだろうなと思います。
最後まで騎士らしく高潔で格好良いプロポーズでした…!
イグニス・カリブンクルス CV:小野 友樹
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殺戮と暴力が支配するベスティアにおいて、不殺の精神を掲げる最強の魔獣。
最初は怖いなーと思っていましたが、優しいし常識人なのですぐに良い人だなぁという印象に変わりました。
どちらかというと琴音→イグニスというよりは、イグニス→琴音感があり可愛かったです。
個別ルートでは、なぜか度々豪鬼が人間界に出没するという危険な状況に。
どうやらイグニスを狙っているよう…ということで、イグニスがベスティアへ調査に行くことになります。
魔獣には闘争本能というものがあり、戦い中に精神が昂ると暴走状態になり、見境なしに周りを攻撃してしまうという習性がありました。
イグニスがかつて暴走しかけて魔獣のいない場所を探していた時、偶然アンシャンテの扉を見つけ、おじいちゃんのご飯を食べたことで「美味しい」を覚え、闘争本能を鎮めることができたのでした。
戦いの後の食事量がやたらと多いのはそういうことなんですね。
しかし何者かによって琴音がベスティアに放り出された先で「闘争本能」は魔獣の習性ではなく、イグニスだけの特性であると豪鬼から聞かされてしまいます。
加えてかつて暴走したイグニスが同族を殺したという事実も。
自分が今まで守って来た「不殺」は何だったのかと茫然自失。危険な自分はもうアンシャンテに来ない方がいいと考えるイグニスですが、仲間達は当たり前のように否定します。
そしてまずイグニスの暴走してしまう闘争本能、名付けて「暴走本能」の原因を探ることになります。
結論から言うと焔狼はかつてベスティアを崩壊に追いやった「界喰狼(ヴァナル)」の血を継ぐ一族で、イグニスはその血を色濃く受け継いだ後継者とも言える存在でした。
餌を食べると化物と化して破壊活動を始める彼らを監視するのが近くに住む人虎の役目で、舎弟のドローミには全て分かっていたんですね。
ドローミの策略で焔狼の仲間達を失ったイグニスが暴走し、イルや琴音に襲いかかるシーンは容赦なくてヒィィとなりました。
イルは瀕死だし琴音も腕を食いちぎられるし、悲惨すぎて目も耳も痛かったです。でもイグニスが正気に戻った時のことを考えるのが1番しんどかったですね。
ドローミの望みは「イグニスを界喰狼として目覚めさせ、ベスティアを喰らう姿を見てみたい」でした。
魔獣達の弱者をいたぶる争いに嫌悪感を抱いていた彼は、昔イグニスが焔狼達を喰らう姿に惚れ込み、界喰狼の狂信者になったのでした。
そのため彼を平和な方に誘うアンシャンテのメンバーは邪魔で仕方ない存在でした。
途中までもドローミが怪しいかな?と思える節はありますが、逆に言えば怪しいキャラがドローミ位しか登場しませんでしたね。小物と見せかけてめちゃくちゃ狡猾でした。
さてこれまでイグニスの殺しを、「見てないから大丈夫!」で何とか通してきた琴音は、自分の身に降りかかった現実と向き合うことになります。
イグニスの名前を聞くだけで喰われる恐怖を思い出して震えが止まらない位なのに、それでもイグニスを諦めない選択をするには、どれほどの勇気が必要だったんだろう…と思います。
1度は完全な界喰狼になったイグニスですが、琴音ちゃんを愛する本能が、破壊の本能に打ち勝ち、元に戻ることができたのでした。
イグニスの強さ、琴音ちゃんの芯の強さと優しさが本当に格好良かったです。
小さな魔獣達も頑張りましたよね。
大変な思いをした分、最後は直球かつ素直になったイグニスの熱烈な愛情を一身に受けつつ、幸せになって欲しいなと思いました。
凛堂 香 CV:諏訪部 順一
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3人目は唯一の人間凛堂さんのルートへ。
乙女ゲームには珍しいオジサマ攻略対象(42歳)ということで、密かに楽しみにしておりました。
開幕はギャグと見せかけてなかなか衝撃的な展開が待っていました。
御門さんが恋人と呼ぶくーちゃんは実は凛堂さんの妹で、過去に実験に失敗し人外になってしまった存在でした。
くーちゃんは普通に人形かと思っていたので、そんな設定が…!?とかなり驚きました。
妹さんの事件があってから、無意識に自分の幸せを後回しにしていた凛堂さんですが、琴音と接する内にそれに気付かされます。
大人な凛堂さんに振り回される琴音の様子が微笑ましかったです。
しかし凛堂さんと琴音が距離を縮めていたある日、突如凛堂さんが雫さんに襲われ呪詛をかけられてしまいます。
救うためには御門さんから渡された、「人外になる薬」を飲むほかありませんでした。
ずっと琴音に「人としての幸せ」を教えようとしてくれた凛堂さんを、人外にしてしまうことは裏切りではないか?と悩む一同ですが、命あってこそだと薬を飲ませることを選択します。
人外になっても凛堂さんは一見飄々としていますが、人として生きられなくなったことを実はものすごく苦しんでいて「人外になんてなりたくなかった」と漏らすシーンはすごく辛かったですね…
ようやく自分の幸せを考えられるようになって、掴みかけていた時だったから尚更、そしてそれを聞いてしまった琴音のことを思うとぐああ…となりました。
琴音も凛堂さんが望まないのは覚悟の上だったとはいえ、いざ突き付けられると辛いですよね・・
御門さんがなぜそんなことをしたかについては、かなり後半に語られるので気になりながら先を進めました。
表向きは変人極まりない御門さんですが、その裏では雫さんを元に戻すため、自分の身を削って研究を続けていました。
そこに舞い込んだ昇進の話。
権限を手にしてより研究が進められるならと話を受けたその先は、人間に人外の長所を取り込むための研究をする部署でした。
要するに人間を使って人体実験するような所ですね。
そこで御門さんはある真実を知ってしまいます。
「功を焦って実験に失敗し、人外化した」と聞かされていた雫さんが、実は「研究サンプルとして故意に人外にされていた」ことが分かったのです。
御門さんは絶望し、人を喰らうことで感覚を取り戻す雫さんのために、GPM本社の人間達を次々餌にしてしまいます。
他人を犠牲にしても雫さんに生きていて欲しい御門さんのエゴは、琴音が凛堂さんに向けたものと同じじゃないか?と辛くなりました。
同じ立場だからこそ凜堂さんと琴音は自分たちに協力してくれる、と考えたようですが、2人は今のままで幸せになる道を選びます。
この辺りでは同じ立場に立った2組でどうしてここまで結末が分かれたのか?みたいな描写を感じましたが、琴音と御門さんとでは全然立場が違うので若干モヤモヤしてしまいました。
半分だけの凛堂さんと違い、雫さんは完全に人外と化していて意思疎通すらできなかったので、尚更幸せな未来の想像がし難しかったのでは?と思ってしまうんですよね。
御門さんと雫さんは不幸だったな、としか思えませんでした。
とはいえ、凜堂さんと琴音は今後が1番気になる2人でした。
イル・ファド・デ・リエ CV:石川 界人
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何となく放っておけない雰囲気を醸し出す浮世離れした天使。乙女ゲーム大好き。
とにかく純真無垢で人の気持ちが理解できず、ズバッと厳しいことを言ってしまうことも。
共通ルートでの出来事をきっかけに、イルと外出するようになる琴音。
とにかくイルは常識と加減を知らないので一歩間違うと大惨事になる、とイグニスから警告されます。
杞憂かなと思っていた琴音ですが、子守唄を歌ってくれたイルが周囲にいた人間を次々昏睡させてしまう事件が起き、認識を改めるのでした。
それでもイルは「みんな眠っているだけだし大丈夫」みたいな感じなのがまた怖い。
皆が適当に済ませようとするなか、琴音はそんなイルに何が悪かったのか説明し、凛堂にGPMに迷惑をかけたことを謝罪します。
自分のことで琴音に謝らせてしまったことに罪悪感を抱くイル。
そもそも人間界の常識が分からないけれど、どうやって学んだら良いのかも分からない。
自分だけが取り残されている現状に焦りを感じたイルは、イグニスに常識を教えてもらうことに。
琴音の役に立ちたいと奮闘する、懐いた雛鳥状態のイルが微笑ましかったです。
中盤位まではほのぼのしていますが、御門さんの助手として人間界潜伏していた天使ソリトゥスの手により、イルが「断罪の天使」であると発覚してからは一気に物々しい展開になります。
謎に包まれた天界は「現状維持至上主義」。
感情を持った天使は異分子と見なされ、堕天使として処分されてきました。
イルの役目は「断罪の天使」として、そういった堕天使達を殺すことでした。
しかしとある出来事から役目を拒否するようになり、アンシャンテで保護されていたのですね。
元のイルは兵器のように空っぽで、普段の穏やかな性格・口調・名前でさえも、とある乙女ゲームのキャラクターを模倣したものでした。
そのきっかけとなったのは、イルの世話を焼き、偶然目にした乙女ゲームを送ったミシェルでした。ミシェルは最初から全て知っていたから、イルに対して過保護だったんですね。
ソリトゥスは神の命令で、たった1人の同僚であるイルを連れ戻すために暗躍していました。
奪われたイルの感情を取り戻すため、一行は天界カエルムへ向かうことになります。
カエルムを統治する神の正体は、かつて人間が持ち込んだ技術で作られた人工知能でした。
神は人間をモデルに天使を作り、現存する生物を排除して無駄のない天使だけの世界を作った、というのがカエルムの生い立ちでしたが、この世界も大体人間が厄災を持ち込んでいますね…
途中イルが敵に回って皆がピンチに陥ったりと大変な目に遭いますが、隠れ住んでいた堕天使達に助けられつつ進む中で、イルに意思が芽生えます。
せっかく芽生えた自我を犠牲にすることで神を破壊しますが、イルが悲しくないのに流れる涙の理由を理解するラストに目頭が暑くなりました。
何度消されても、その度必ず感情を取り戻すと宣言していた通り、最後は戻ってきてくれました。
若干ご都合主義感ありましたが、イルを変えたのは2人の天使達の愛と琴音の愛。愛は奇跡を起こすということで!ハッピーエンドでよかったなと思います(お前がまとめると陳腐だな
ミシェル・アレックス CV:赤羽根 健治
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謎多きチート級魔王様。
琴音と昔出会っていて、何かありそうな感じがひしひし伝わってきますが、多くは語られません。
毎ルートクリア毎に追加されるプロローグの寂しげな内容から、ミシェルルートがものすごく気になっていましたよ…!笑
琴音のことが大切そうなのに、どこか一歩引いたような態度が目立つミシェル。
その矛盾がずっと謎だったのですが、事情を知ってしまうと納得でした。
個別ルートに入ると、魔界アスモディアからの侵略者が到来。
ちょっとお馬鹿な感じの自称魔王アスモデウスとスライム達なのですが、まさかの琴音に一目惚れしてしまいます。
しかし魔王とは?ミシェルは?と謎ですよね。
薄々分かってはいたものの、ミシェルは魔王ではありませんでした。
アスモディアの魔王というのは嘘で、本当は「終わりの世界」に住む、近寄る者全てを灰に変える恐ろしい存在だったのです。
そんな彼が元人間だったという事実には驚きました。
ミシェルは気の遠くなるくらい昔、新天地を探して箱舟に乗り旅立った人類の1人でしたが、「終わりの世界」に不時着してしまいます。
しかし人間に有毒な「終わりの世界」の大気の中で生き残ったのはミシェルだけ。環境に適応するため進化する体の苦痛に耐え、ただ1人生き残ったのでした。
嘘をついていた心苦しさや、本当の姿を知られたからにはもう皆に会えないなぁ・・と思いつつも、アンシャンテに行きたいと夢見るミシェル。
そんな彼は琴音にとっても大切なお客さんで、2人共会いたいけど会えない…という状況がひたすら不憫でしたね。
でも「終わりの世界」にはもう1人、琴音に会いたいと願う存在がいました。
それはミシェルと共にあった存在。プロローグの語り手であり、終わりの世界の化身でもある「ノア」でした。
終わりの世界=ノアも元はミシェルと同じ時代に生きていた人間で、辿り着いた「何もない場所」で体が環境に適応した結果、世界そのものに成り果てたのでした。
しかし誰もいない孤独の中、帰りたいというノアの願いが人間界に引き起こしたのが「ノアの大災害」。
災害から逃れるために人間達が数台の箱舟に乗り、新天地を求めて辿り着いた先が各異世界だったんですね。色んな異世界で人間達が迷惑をかけてきた理由がここに繋がるのかぁと納得でした。
それからは災害を引き起こしてはいけない、と1人で生きてきたノアの世界に、ある日ミシェルがやってきます。
ノアは孤独を分かち合ってくれる者が現れたことを大層喜びますが、ミシェルは幼い琴音と出会いコーヒーを差し出されたことで救われ、更にアンシャンテへのゲートを見つけて孤独から解放され、裏切られたような気持ちを抱いてしまいます。
どうして君だけが救われるの…と嫉妬と憎悪を抱き、自分も救われたいと思ったのが琴音に執着するようになったきっかけでした。
ノアが琴音に手を伸ばし続けた結果、終わりの世界の侵食が他の世界へも及び、全ての世界が滅びの危機に面していました。
結果として、ノアが消えることは仕方なかったと思いますが、孤独を味わった分人間に戻って幸せに暮らして欲しかったなと思います。
途中ノアに攫われて終わりの世界と同化してしまった琴音は、人間としての死を迎えますが人外として生きることになります。
ノアが消える時に本当は一緒に消える運命でしたが、ノアの助言で自分の世界を構築することで生き延びました。ノアと同じように1つの世界になってしまったんですね。
エンディングでは人間になったミシェルと人外になった琴音。
お互いの足りない部分を補いつつ、2人でアンシャンテを続けていくことになります。
ミシェルが死んだ後も琴音はアンシャンテのマスターとして永遠にお客さんを迎え続けるんだな、と思うと寂しいものがありますが、ミシェルは何度生まれ変わっても必ずアンシャンテを訪れると言います。
正直賛否両論ありそうな終わり方ですが、人外になっても「温かくお客さんを迎えるマスター」な琴音の立場は変わらないので、その時間が果てしなく永くなっただけかなと感じます。
人間だろうと人外だろうと琴音は琴音。
これまでのルートで攻略キャラ達がどんな立場であろうと「お客さん」だと言い続けてきた琴音だからこそ、こういう終わり方になるのは何だか私的には感慨深いものがありました。どんな立場でも琴音はマスターなんじゃないかと。
お客さんがいる限り誰かのために美味しいコーヒーを淹れ続けるのではと思います。
どちらかというとアンシャンテエンドなので、魔王様スタイルなミシェルと人間の琴音の2人の恋愛が見たかったなという気持ちもありますが、THE大団円といった内容でした。(他の世界の描写は雑でしたが
個人的レビュー
アンシャンテの良いところ
BGMが心地良い
少しジャズ風味の喫茶店の緩やかな曲が耳に心地よかったです。
感動的な場面で流れる勢いのある曲も好きだったな!サントラが欲しくなりました。
あと入り口を開けた時のチリンチリーンという効果音が素敵でした。
アンシャンテの悪いところ
選択肢ジャンプがない
8章までという長い共通ルートにも関わらず、選択肢ジャンプがありません。
2周目以降は正直、個別ルートに入るまでがかなり苦痛でした。
既読スキップは速めですが、ただ待つ時間って苦痛ですよね。
回想シーンの文字が読みにくい
メッセージウィンドウが普段は白背景に黒文字ですが、回想シーンは黒背景に白文字なので大変読みづらかったです。回想が頻繁に入るので尚更気になりました。
モッチ
あとは各ルートエンディング後のザザッとなる演出(追加プロローグ)は好みが分かれそうだなーと…
ねこくん
総評
ストーリー : (4.5 / 5)
グラフィック : (4 / 5)
音楽 : (4.5 / 5)
システム : (3.5 / 5)
ボリューム : (4 / 5)
総合評価 : (4.1 / 5)
純粋にストーリーが面白かったです!
喫茶店背景は美しくメニュー画面やExtra画面など、細かい部分まで凝っているなーと感じました。
本当に選択肢ジャンプさえあれば・・!
まとめ
最後に
コロロに頭突きされたいとか馬鹿なことを書きながら感想を締めくくろうと考えていましたが、1つ書かせて頂きたいのです。
色々書いてしまいましたが、アンシャンテ面白かったよー!と叫びたい気持ちでいっぱいです。
しかし売り上げの方はKADOKAWAさん調べで初週3,000本程と、かなり苦戦しているようです。Twitterでも一ジョーさんを始め、切実な現状が見られ切なくなりました。
苦しいのは乙女ゲームに限らずゲーム業界全体に言える話ですが・・
まだまだ乙女ゲーマーさん達にSwitchは普及しているとは言い難く、乙女ゲーム市場はこれからも厳しい状況が続くだろうなと予想します。(しかしVitaの後続機としてはSwitchが最善だったのではないかな、と考えています)
ここから業界が持ち直せるのか沈むのか、正直私には分かりませんが、悪い方に行かないために少しでも自分にできることをしようと思っています。
自分に1番貢献できそうなのは、新作を予約購入することでしょうか。
以前にも書きましたが、今後の展開のための数字作りとしても予約はすごく大事だそうです。
他にはこうしてブログに感想を書いて作品の良さ、悪いところも含めた面白さを伝えることしかできませんが、きっと何もしないよりは良いはず!の精神でやっていきたいと思います。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
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