こんにちは、モッチです。
本記事では、PC版『贄の町』の感想を、作品紹介 → 個人的レビュー → 各ルート感想 → 総評 → まとめの順に書いて行きたいと思います。
・ネタバレを含む部分は、「続きを読む」ボタンでワンクッション置かせて頂きます。
・BLゲームなので、苦手な方は回れ右でお願いします。
・成人向け要素を含むため、未成年の方は閲覧にご注意下さい。
それでは、本日もよろしくお願い致します。
『贄の町』作品紹介
死者の世界に迷い込んだ青年の物語を描くR18 BLゲーム
『贄の町』は、2018年にゾンビリカから発売されたPC用BLゲーム。ジャンルは非日常の悦楽に浸るADV。
死者の世界は化け物だらけ。しかも生者である日天は「おいしそう」な存在のようで、頻繁に周りから狙われます。
日天は攻略キャラクターたちの助けを借りて元の世界へ戻る方法を探すことになりますが、彼らから見ても日天はおいしそうな存在なため、全く油断できません。
さらに死者たちは殴られても切られても再生するため、雑に殺し合いの喧嘩は日常茶飯事。本作の、常識をどこかに置いてきたかのようなぶっ飛んだ世界観も魅力の1つです。
また、本編発売後に新たなエンディングを追加した『贄の町 -完全版-』が発売されていますが、初期の『贄の町』を持っている方は、公式サイトで配布されている追加パッチをダウンロードすれば、完全版と同じ内容を遊ぶことができます。
2024年には本編のSwitch/Steam移植版の発売も決定しています。
グロ、ホラー要素について
グロもホラーも苦手なので心配していましたが、個人的にはそこまでではなく、怖さよりも得体の知れなさと不気味さの方が上回っていたように思います。(たとえば良く流れるピアノBGMの不安になるメロディとか
発売前に公式サイトで女の子姿の異形のイラストを見て「こ、怖い(;´д`)」と思ったのですが、彼女?は最初にちょろっとしか出てきませんし、あんな感じの怖さはほとんどありませんでした。
ただ、バッドエンドで異形に食べられたり、喧嘩になって色々飛び交ったり大怪我したりとかは割と良くあります。(スチルが付く時は一応モザイクがかかります)
一応地雷っぽいなと思ったポイントは、各ルート感想の最後に書いていきたいと思います。
個人的レビュー
面白かったぁぁあああああ!
クリアした後に思わず特典目当てでパッケージ版を買い足す位に面白かったです(笑
プレイ前に軽く情報収集したところ、どこを見ても「地雷」の2文字しか見えなかったため、ものすごく心配していたのですが、とても楽しくプレイすることができました。
まずグロが苦手と自負する私がこの作品の購入を決めたきっかけはOPでした。
作品の雰囲気は不気味なのに意外にもポップでキュートなデザインとどこか退廃的な感じのする歌にy=-( ゚д゚)・∵;; ターンと心を撃ち抜かれました。
極め付けは全員喪服で棺桶に座っているメインビジュアル。縁起悪さとカラフルさのギャップが趣味悪くて良いなぁ…!と思ってしまいました笑
ポップでカラフルな色使いが不気味な世界観に華を添えてるんだよね……!
そんなギャップも良いよね!
ストーリー概要
10代で家族を亡くし、今はガテン系のバイトを掛け持ちして暮らす主人公の日天。
ある日、暗い路地に入って行く喪服の青年が白い花束を落としたことに気づき、放っておけず花束を拾ってあとを追う。
しかし、暗く長い路地を抜けた先で青年を見失った日天は気がつくと異界の入り口「宿」に立っていた。
呆然とする中、宿の住人たちに迎え入れられ聞かされる。そこは、死が遠い世界だと。
頭を潰されても喋る男に、自分の生首をボールにして遊ぶ子供。そして恐ろしい異形たち。
そんな不気味なものたちがうごめく世界へただ一人の生身の人間として迷いこんだ日天は、元の世界へ帰ろうとするが、その道はどこにもない。
それでも日天は宿の住人の力を借りて、帰還する方法を探す。
生者の匂いに群がる死者たちが住むという「町」へ乗りこんで――。
命がけの捜索の果てに、日天が見つけたものは……?
引用元:https://zombilica.com/games/nienomati/
作品情報 | 制作スタッフなど(敬称略) |
---|---|
企画/原案/ディレクター: | 犬電球 |
シナリオ: | 鳥谷しず |
原画・彩色: | 厘のミキ |
対象: | 18歳以上 |
対応OS: | 日本語版Windows 8.1/10/11(64bit版) |
主人公紹介
主人公:清澄 日天(CV:我武 テツさん)
ガテン系のバイトを掛け持ちしているこの物語の主人公。
一見クールな印象を受けるが、口数は多く感情豊かで男前な性格。
目の前で花束を落とした喪服の青年を追い、いつの間にか「宿」のある世界に迷い込んでしまう。
引用元:https://zombilica.com/games/nienomati/
攻略キャラクターとおすすめ攻略順
攻略キャラクターは4名。
エンディングは1人につき5種類(バッド3種とグッド滞在or帰還エンド)存在します。
攻略順は好みでOKですが、成臣は最後がおすすめです。
攻略キャラクター&キャスト紹介
キャラクター | キャスト |
---|---|
緑青あすく | CV:六条 太助さん |
蘇芳 笑男 | CV:刺草 ネトルさん |
ココ | CV:ワッショイ太郎さん |
朽葉 成臣 | CV:猿飛 総司さん |
個別ルート感想 (ネタバレON/OFFボタンあり)
朽葉 成臣 CV:猿飛 総司さん
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最初から日天君の事を慕っていてとにかく親切で優しい成臣。
なぜこんなに優しいのかな、とかなり疑問だったのですが、序盤の燈との会話からただ1つ分かるのは「成臣が日天に何か嘘をついている」ということだけでした。
嘘をついている?と思うとこの優しさにも裏があるのかな?とかなり警戒してしまいました。
そんな心配をよそにどこまでも親切な様子に、優しさでじわじわ囲い込んで成臣なしではいられないようにしているのかな、とこれまた勘ぐってしまいました。(あながち間違いではなかった…!
日天もすっかり成臣頼りきり。もはや成臣中毒に陥っています\(^o^)/こういう展開…良いものです(コラ
成臣は喪服の少年を探すために町に出る日天を甲斐甲斐しく守ります。
町で危険な住民に襲われるたびにバールで撃退してくれるのですが、実は「危ない目に遭えば日天が探索を諦めるだろう」とわざと危険な場所に立ち寄っていたという黒さ。
終盤は燈のカミングアウトから始まったものすごい急展開で、喪服の少年の正体・日天の過去・贄の町という言葉の意味・成臣との関係が一気になだれ込んで来て頭がパーン!!となりました(笑
色々と真相に近いので詳細は避けますが、成臣が日天にしていたことはすごいエゴだったんだなと、うわああああとなりました。
ただ成臣に裏表はなく、どこまでも日天のことが大好きなんだなと分かりもうそれだけで満足でした。
涼しい顔をしながら内面は我欲でドロドロとか最高じゃないですか……
帰還エンドもこれはグッドといって良いのか……!?と少し悩むレベルでした。
全てを知った上で事故も町もどうでもいい、ただ日天と恋人関係であったという事実だけに心躍らせる成臣君を見て歪んでるなぁ……と感じたと同時に「ああ、本当にどうしようもない人間なんだな」と若干遠い目になったのでした(失礼
先に滞在エンドの方を見ていたため、燈が何であんなにボロ屑みたいな扱いを受けているのか謎だったのですが、帰還エンドを見て納得。
あんなクズはバールでボコボコの刑に遭ったのち異形に喰われて魂レベルで消滅して頂きたい(酷い
度し難いレベルの変態モブ、成臣君が変態に無理矢(ry←しかも内容が胸糞、内臓が出てる状態で(略
燈関連は人によっては本当に特大級の地雷だと思います。私は地雷とは行かないまでも嫌だなぁ……位には思いました。
地雷ポイントは個人的にやばそうだなと思ったポイントを思い出しながら書いていますが、抜けが多々あると思います。
成臣のルートはシロが沢山登場する関係なのか、「この町は何なのか」といったエンドが見られるので最後にするのが良いかなと思います。
私はうっかり最初に見てしまいましたが、最後に見たあすく帰還エンドがとても晴れやかな気持ちで終われたので、これはこれで良かったなと思いました。
多分成臣帰還エンドを最後に見ていたら、いい意味で暗黒面に落ちていた気すらします。
どのルートも良かったですが、穏やかで品行方正なのにトチ狂ってる成臣(超肉食)→日天の図がとても良きでした(褒めてる
蘇芳 笑男 CV:刺草 ネトルさん
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笑男のルートはなかなかにしんどかったです……
ヘラヘラッとしていて喋り方が面白い一見ムードメーカーな笑男ですが、ときどき驚くほど鋭かったり、暗くて冷たい目で日天を見ていたりするのが本当に怖くて、そのギャップ何なの……!?とビクビクしながら進めていました。笑
面倒くさそうにしつつも喪服の少年の捜索を手伝ってくれたり、実はものすごく喧嘩に強かったりと謎だらけの笑男ですが、現世で熱狂的なストーカーに家族を殺され、自分自身も刺されて宿に来たという重い事情がありました。
その変態ストーカー(都々之江)が宿に来て以降復讐を目論みますが、一向に捕まえることができず酒に溺れていたある日、日天が宿に来ます。
日天が来てからは匂いに釣られた都々之江が宿の近くをうろつくようになり、笑男は日天を餌にして奴をおびき出そうと考えたのでした。
その事実を偶然知ってしまった日天は、自分は騙されていた、裏切られたのだと悲しみます。
しかし笑男は復讐を諦めきれないものの、いつしか大切な存在になっていた日天を酷い目に遭わせることもできず悩むのでした。
本来は面倒見の良い優しいお兄ちゃんだけに非情に徹するのは辛かったんだろうな…と切なくなりました。
そして笑男と施設の家族たちは元の世界で何も悪い事していないのに可哀想すぎました。
帰還エンドでは憎しみから異形に堕ちそうになりますが、日天の説得で復讐を辞め、きっぱりと都々之江を拒絶することで決着を付けます。
元の世界に帰った後、全てを忘れてしまった笑男を6年間も諦めきれずにいる日天が本当に可哀想でしたが、最後は希望のある終わり方で良かったなぁと思います。
終盤の成臣に嫉妬する笑男のイベントが大変良かったです…!トイレから殺気を放ちながら2人の様子を覗いてる笑男が怖すぎて、リアルにヒッと声が出ました……!(オイ
度し難いレベルの変態モブ、割と容赦なく物理的に食べられる(スチルあり
ココ CV:ワッショイ太郎さん
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宿の家事全般を担当するみんなのお母さん的存在。穏やかで面倒見が良いですが宿に来る前の記憶がなくココという名前も仮のものです。
おいしい料理を作ってくれる宿におけるヒエラルキーの頂点にして、怒らせると怖い一面も。
ココは雰囲気だけで色気が溢れているという描写が多かったのですが、もう既にお声がやばかったです。
最近どこかで聞いたお声だな、と思っていたらきんとうかの司さんと同じ声優さんだったのですね!(ワッショイ太郎さん)
町では大人気でアイドルのような扱いを受けて老若男女問わず沢山の人に囲まれるココですが、受け流し方が上手で日天が心の中で「ココ、すごっ」と連呼しているのが面白かったです。
ココの誘惑を天然パワーで回避しまくる日天ですが、やる必要のない家事を進んで担当したり、不特定多数の人と関係を持つのは必要とされたいからでは?と見抜きます。
誰にも指摘されたことのなかった本心を見抜いた日天に興味を持ったココは、日天が居てくれれば他の人との関係を辞めるから自分だけに頼ってほしいと提案してきます。
その理由が「必要とされたいけど女の子同士は争いになるので困る。その点危険な場所へ行く日天は命がけで自分を必要としてくれるし、女の子みたいに争いも起きないので理想的」と割と最低で笑ってしまいました。
しかしいざ本気で好きになったら照れてしまうココが可愛かったです。
終盤で語られる小町さんとココの関係には驚きました。 けれど小町さんは大切なココを見守るために残っていたんだなと思うと心が温かくなりました。
腕のことを考えると滞在エンドの方が幸せに思えてしまいましたが、帰還エンドも希望が持てる感じで良かったです。
個人的に好きなバッドエンドは終焉弍です。
日天を失わないためにはどうすればいい…?と考えたココが父親と同じ行動に出てしまった時は戦慄しました。
その後も記憶を失った日天を世話して暮らすココの幸せそうなこと…闇が深いです。
不特定多数の女性と関係、女装&虐待、触手、足切断
緑青あすく CV:六条 太助さん
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あすくは最初に笑男をボッコボコにするシーンのインパクトがありすぎて、もう怖い印象しかありません(爆
ゴゴゴッてなってる立ち絵が目だけ光っていてこれまた怖いんです…!\(^o^)/
そもそも日天のことが大嫌いなので「正直恋愛どころじゃないだろう…!」と思っていたし、実際後半までバイオレンスな展開が続き辛かったのですが、結論から言いますとあすくめちゃくちゃ可愛かったです。
ギャップにものすごくやられました…!
最初の内は当然、しつこくつきまとったら最後、問答無用の金属バッドが飛んで来そうな雰囲気ですが、日天が一緒にケーキを食べようと誘ったら部屋に入れてくれたりと、天然パワーに少しずつ絆されているような様子も見受けられます。
朝食にプリンを作ってあげたり、ちょっとずつあすくへの接し方のコツが分かってきて喜ぶ日天が可愛かったです。
例のごとく燈がペラペラとあすくの過去を語ってくれるのですが、有名な医者の息子であったために誘拐され身代金を払ってもらえず、1週間暗い山小屋に放置され瀕死の状態で保護されたというお話に辛い……となりました。みんな過去が辛すぎるよ……
日天に冷たく当たるのは元の世界に帰りたくないが故で、彼が来てから宿の雰囲気や周りの様子が変わったことでこの世界が壊れるんじゃないかと怖かったんですね。
あすくの優しさの表現はかなり特殊で理不尽だなーと思うこともあったのですが、確か12日目くらいでついにデレてくれて以降は可愛すぎてうおおお…となりました。
あと笑男がかなりグッジョブな活躍をしてくれました。
笑男のちょっかいのせいで酔いつぶれて日天にギューッとしてしまうシーンでは、思わず心の中でガッツポーズしました…!(やめろ
あすく君は帰還エンドがすごく良かったです。後味も良いしやはりお互いに覚えているというのがとても良いですね。
主人公への暴力
好きなところと物申したいところ
『贄の町』の好きなところ
ぶっ飛んだ世界観
爽やかなイラストから繰り出されるえげつない世界観とのギャップが良い!
しかし感動するところはバッチリ感動できるストーリー構成で、いろいろと隙のない作品です。
執着強めなキャラが多い
攻略キャラクターたちは何かしら心の闇を抱えています。
そこに切り込む過程で執着したりされたり……なんてことが多々あります。闇深い展開や執着される展開が好きなあなたに。
『贄の町』に物申したいところ
選択肢ジャンプがほしい&ボイス音量が小さめ
スキップは早めですが選択肢ジャンプが欲しかったです。
初期設定でボイスの音量が小さいのが気になりました。設定で大分大きめにして丁度良いくらいでした。
誤字が多すぎる
もしかすると今はパッチ等で修正されているかもしれませんが、発売当初は誤字が多すぎました。
本当にちょっとやそっとじゃないレベルの誤字率だったので逆に少し面白かったです。
他にもボイスが流れない時があったり、台詞と違うボイスが流れたりと不具合が多かったので修正して頂けたらなと思います。
あと全体的に擬音が独特でアレなシーンとかではちょっと笑ってしまいました\(^o^)/
総評
ストーリー : (4 / 5)
グラフィック : (4 / 5)
音楽 : (3.5 / 5)
システム : (4 / 5)
ボリューム : (4 / 5)
総合評価 : A
細かなところではエンディングの演出が少し気になりました。
エンドロールは無しでいきなりブチッと終わるのでせめて「The END」的な文字が出てフェードアウト位してくれたら余韻に浸れたのになぁと思います。
あとは全体的に本当最低限でサクッと纏まっていたので「もっと見ていたかった…!」という気持ちになりました。
物足りないことは無いのですが、愛ゆえに高望みしてしまいます(笑
R18的な恋愛シーンも1人を除いて割と控えめな印象でした。
まとめ
・病み要素に惹かれる人
・糖度高めな描写が好きな人
・人外が好きな人
ぶっ飛んだ内容と地雷の多さからちょっと人にはおすすめしづらいですが、私的には久々にクリティカルヒットした作品でした。
何でも来い精神の方は是非プレイして頂きたい作品です。そして私と語りましょう!
はあああ楽しかった…!Switch移植版はどのような表現になるのか、今からとても楽しみです。
だらだらした感想ですが、お付き合い下さりありがとうございました!
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