こんにちは、モッチです。
今日は『東京24区 -祈-』をフルコンプ感想を作品紹介 → 個別ルート感想 → 個人的レビュー → 総評 → まとめの順に書いて行きます。
・ネタバレを含む部分は、「続きを読む」ボタンでワンクッション置かせて頂きます。
本日もよろしくお願い致します。
目次
作品紹介
東京24区 -祈-とは?
OPムービーなど
『東京24区 -祈-』は「大正メビウスライン」等で知られるHolicWorksさんのBLゲーム。
「-祈-」は「いのり」ではなく「いのる」と読みます。
なんといっても政界BLという異色すぎるテーマが特徴です。
モッチ
若手政治家の主人公が色んな立場・角度から国家を揺るがすテロ事件に立ち向かう物語だよ!
政治がテーマということで難しい話が多々登場します。
漢字も多いし疲れている時には正直重い内容!ですが話が面白くてどんどん進めたくなりました。
元が成人向けPC作品なので、Switch移植に伴い一部シーンが削除されています。
PC → Switch版の追加要素
・新規後日談&CGの追加
・エンドリスト追加
ストーリー概要
──この国の、理想と現実。
主人公・其扇晟尋は京都区選出の中道民自党二期目の衆議院議員である。
そのルックスと若さで票を集め、与党が参議院の過半数を取るのに貢献した。
そんな中、ゴールデンウイークが間近に迫ったある日、
渋谷スクランブル交差点で大規模な自動車爆発事故が起こる。
爆発状況からテロと判断した三条総理以下日本政府はテロ対策本部を立ち上げた。
2020年8月にはIAF(インターナショナルアスリートフェスティバル)の開催を控え、
犯人も目的もわからない中、さらなるテロへの対策などに急遽追われることとなる。
そして、今回の事件で其扇も動くこととなった――。
引用元:https://dramaticcreate.com/24ku/
主人公紹介
主人公:其扇 晟尋(CV:宮尾章さん)
2期目の若手衆議院議員。
晴嵐会派閥トップの法務大臣・晴山太一郎に可愛がられている。
京都の中高一貫男子校から京都帝国大学法学部に進学。
1年間の銀行勤務の後、少しして衆議院に立候補。
ルックスも経歴も華やかで、リーダーシップもあるため、若いが人気政治家となる。
親の冷めた夫婦仲を見て育ったために結婚に希望がない。
引用元:https://dramaticcreate.com/24ku/
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主人公の其扇さんは新進気鋭の政治家。
当選してまだ2年と経験は浅いものの、人を惹きつける魅力があり「若手のイケメン」として国民人気も高いです。
本人はそんな評価を仕方ないと理解しつつ歯がゆく思っていますが、同時に実力をつけて覆そうと前向きに考えてもいます。
ちょくちょく登場する髪おろしverの其扇さん、一気に幼く見えるのがかわいらしくて好きです。
意識せず周りを行動させちゃう其扇さんが個人的に1番のモンスターだと思うし、リアル日本にもこんなモンスターがいて欲しい。
攻略キャラクターとおすすめ攻略順
攻略キャラクターは全4名。
蓼丸のみ攻略制限があり、他3名をクリア後にルートが解放されます。
公式のおすすめの攻略順は「東郷 遊馬 → 我妻 タイガ → 白洲 武彌 →蓼丸 一貴」です。
私はまったく知らずに白洲 → 遊馬 → タイガ → 蓼丸の順に攻略してしまいましたが、ネタバレ的に確かに推奨順が良いなと感じました(笑
攻略キャラクター&キャスト紹介
蓼丸 一貴 | CV:天河 雄成さん |
東郷 遊馬 | CV:河村 眞人さん |
白洲 武彌 | CV:茶介さん |
我妻 タイガ | CV:柊 三太さん |
個別ルート感想 (ネタバレON/OFFボタンあり)
白洲 武彌 CV:茶介さん
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東京都知事の白洲さん。
お互い若手の注目株として世間から人気を集めています。
其扇さんは与党、白洲さんは野党なので面識はありませんが、両者とも良い印象は持っていないようです。
ルートは途中で2パターンに分岐。
最初に白洲さんと直接話す方に行きました。
テロ事件の主導権を握ろうとする白洲さんとの交渉役として首相から指名される其扇さん。
交渉といえば聞こえはいいですが、要は白洲さんがでしゃばらないよう押さえ込めという無理ゲーミッションです。
気に入らない存在ながら実力は認め合っている2人。
絶対負けたくない嫌いな奴から、気になる存在に変わっていく様子が丁寧に描かれていました。
問題を解決する力が足りない時に「こんな時あいつならどうするかな」と2人共ごく自然に考えているのが良かったですね…
白洲さんを消耗させるために其扇さんが打った策は、会議に参加させて仕事を増やすことでした。
現状ただでさえ忙しい彼の負担を増やしてミスを狙おうという作戦ですね。この小賢しさが政治家っぽい…
策自体は悪く無かったのですが、問題は味方であるはずの民事党議員たちでした。
「白洲さんの相手したくない・支持率下げたくない・地元の挨拶回りで時間がない」等々、何かと理由をつけて其扇さんに丸投げ。
何がクソかって色々世話してくれた晴山先生も、結局は関わりたくないから手助けしてくれないんです。
もう周りが無能すぎて其扇さんが本当に可哀想でした。
カッとなって先輩議員先生に反論したらバッドEND行きになって理不尽な気持ちになりました(笑
中盤までに其扇さんと白洲さんがまともに話したシーンが1回しかなくて不思議な気持ちでいたのですが、だからこそ2人が話すあのエレベーターのシーンが光るというか、きたぁぁみたいな気持ちになりました。
まさか白洲さんに勧誘される展開になるとは…
まあ其扇さんが其扇さんらしくあり続けるならあの腐敗しきった党内にいちゃダメですよね。一緒に腐っちゃう。
甘い展開になってからはマッハで話が進み、一気にエンディングまで駆け抜ける流れに驚きましたが、2人で新党を立ち上げる爽やかな終わり、良かったです。
途中2人とも裸で政治の話をしだすのでちょっと笑ってしまいましたよ!
次に防衛省から話を聞こうルートに進みました。
こちらは甘さ控えめですが、防衛省いじめ事件の解決までの流れが描かれます。
終わった後、まるで一本の映画を見終えた後のような満足感がありました。
ただ一つ言えるのはバッドエンドでの蓼丸さんの存在感がすごい。
先生命だなとは思ってましたがここまでとは…
むしろ攻略キャラとの恋愛がよく成立してるなと不思議に思うレベルでした。
東郷 遊馬 CV:河村 眞人さん
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遊馬さんは後援会会長として其扇さんを支援する東郷氏の3男。
最初の頃きつく当たってくるので、白州都知事に続いてバチバチ行く話なのかなと思いきや、早い段階で親しくなり驚きでした。
テロ事件で自分を庇ったお父さんが重体となり、元々父親大好きっ子だった彼は心に深い傷を負います。
そしてテロ事件の犯人は日本人とフラーシア人のハーフという情報が明らかにされて以降、外国人差別の流れが激しくなります。
東郷グループの経営するホテルは積極的に外国人スタッフを雇っており、中にはフラーシア人もいたためマスコミが殺到。
バッドエンドに向かうルートでは、誰にも相談できなかった遊馬さんがじわじわ精神を病んでいき、最後は其扇さんを刺してしまうか心を壊して一線を退くかの結末しかありません。
少し遡って犯人がフラーシア人だとすぐに公表せず、事前に遊馬さんに相談できればグッドエンドのルートに入れます。
弱音を話せる相手ができたことで遊馬さんは心を病むことなく、2人は親しい間柄に。
居酒屋飲みから遊馬さんの部屋で寝落ちお泊まりしてしまった翌日の「俺昨日なんかやっちゃった…?」「忘れましょう!」的な、遊馬さんが完全に誤解している感じの2人のやりとりに笑いました。
そして蓼丸さんの声のトーンが激恐でした。バレてるバレてる…
中盤からは東郷グループの今後の話に。
父親が動けない今、会社の今後をどうするか…という辺りを悩む兄弟たち。
実はお父さんは遊馬さんに後を継がせることを決めていたんですね。
しかし真ん中のお兄さんは甘やかされて育った遊馬さんが後継ぎになることを反対しています。
厳しく育てられた自分と兄を差し置いて何であいつが…的に、実力は認めつつも感情が許さない印象ですね。
今後経営に関わる条件として、遊馬さんの結婚を挙げます。
「社会的信用度を上げるため結婚が必要」という話は納得すぎて、まだ始まってもいない2人の恋を応援したい気持ちはあれど複雑な気持ちになりましたね。
遊馬さんの「にげたい」という本音が詰まったとメールを受け取った其扇さんが、多少強引にでも話を聞きにいくシーンが好きでした。
遊馬さんが同性愛者だと分かっていながら、会社やもろもろのために結婚を勧めるとバッドエンドへ行くんですが、其扇さんを信じて弱みを見せてくれた彼に「演じきれ」と言うのが残酷すぎて辛かったです…
支えるという言葉が呪いのようでしたよ。
反対に素の遊馬さんを全肯定すると、家族へのカミングアウトを決めるんですね。
同時に其扇さんを全力で落とすことを決めた遊馬さんの色気といいますか何か…それまで子供のように甘やかしてきたのが一気に反転するギャップにドキッとしましたね。
返事を決めかねているから最後振り返らない其扇さんを見て、改めて賢い男…良いなと思いました(頭の悪い感想
終盤、其扇さんはテロ対策委員会として被害者をサポートする法案を通そうとしますが、利権を求める各省庁のお偉いさんが賛成しません。
賛成せざるを得ない世間の流れ作るため、遊馬さんを被害者代表として全面的に打ち出すことを思い付くのですが、散々傷ついてきた遊馬さんを更に利用することを躊躇するんですね。
そんな其扇さんの意図を汲み取った上で、罪悪感を感じない形で許してくれた遊馬さんの優しさに乾杯。
2人の関係に名前が付いたかで変わるラストの演出(恋人のところ)が素敵です。
あれだけ肩書きバリバリな人の恋人なんて最高じゃないですか?
それにしても次男との確執がいつの間にか解決しており、農業の分野に転向していたときは驚きました。
欲を言えばその辺りもう少し詳しく見たかったし、次男とお父さんとの和解も見たかったなぁなんて思います。
我妻 タイガ CV:柊 三太さん
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テロ対策委員会に所属するところまでは遊馬さんルートと同じ。
タイガさんのルートでは総理大臣の指示で、其扇さんが臨時のテロ対策大臣に任命されます。
任期はIAF終了までの3ヶ月。
最年少29歳での任命ということで世間の注目を集めますが、よほど有能で将来を期待されてるんだなぁと感じます。同時に試されているんだなとも。
ともあれ、大臣になったことでSPがつくことになりタイガさんが派遣されてきます。
26歳の若さでほとんど感情を表に出さず、完璧な仕事をする彼に其扇さんは興味を持ちます。
印象に残っているのは酔っ払いに絡まれた女性を助けるシーン。
大臣としては軽率な行動だなと思ってしまいますが、ほぼ無意識にタイガさんを呼び従わせた其扇さんは人を統べる立場の人だなぁと。直前の演説シーンからも強くそう思いました。
タイガさんは祖母がフラーシア人でクォーターにあたります。
その生い立ちが丁度良いと判断され、中盤で半ば無理矢理SPの任を解かれて犯人グループへの潜入調査を命じられます。
其扇さんは理由を知らされていませんでしたが、有能秘書のおかげでばっちり把握。
一度懐に入れた人に対する甘さと、我妻君は俺のもの的な独占欲から、タイガさんルートの其扇さんは強い印象を受けました。
2人で潜入操作するくだりは大臣なのに大丈夫!?と不安になってしまいましたが、偽装カップルなシチュエーションは大いに萌えました。
2人の以心伝心っぷりが最高なんですよ…
自然と愛情が育つんですよ…
タイガさんのルートではテロ事件をフラーシア人サイドから描いています。
差別の強い地で寄り添って暮らすフラーシア人達の境遇の辛さに心がギュッとなりました。(終わり方は若干そこで終わるの!?となってしまいましたが
もう一つの方はタイガさんがSPを解任されないルート。
始まって早々蓼丸さんのタイガさんに対する静かなマウントに引く。こう其扇さんの肩越しに、見えないところでバチバチやり合うの大好きですよ…(笑
こちらのルートの其扇さんはより支配者的な一面が目立っていました。
身体的には受けいれる方だけれど、精神的には支配する関係。
ご褒美的なシーンでの関係性に其扇さんは何でもできる人だ…と新たな一面を見たのでした。猫ちゃんパンツとか履いてるんですよこの人…ほのぼの感とのギャップが良い。
魅力的すぎてやばい奴を引き寄せがちで少々心配ですが。
主従か対等に生きるかといった感じでした。
強く印象に残ったのは前者ですが、どちらも好きです。
蓼丸 一貴 CV:天河 雄成さん
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正直テロ事件は其扇さんの出世のために蓼丸さんが起こしたのではと思っていました。
ルート開始時点で黒幕は蓼丸さんか阿嘉金さんだろうと考えていて、色々明らかになった後も実はあのサイト作ったの蓼丸さんなのでは?とかなり終盤まで疑っていました(すみません
これまでのルートで不思議だったのが蓼丸さんの目的です。
なぜ其扇さんをトップに昇らせたいのか、優秀なのになぜ自分ではダメなのか。
愛情から来るものだけではないな、と謎のアンバランスさを感じていたんですね。
割と早い段階で衝撃的な話が続き、まずテロ事件の犯人の素性が明らかになるのですが、そこに繋がってくるのかあーー!!となりましたね…悲しい。
続いて其扇さんの当選は蓼丸さんが晴山議員に裏金を流していたから成り立ったものなのだと、つまり金で席を買ったのだという事実が辛かったですね…
正直ショックでこれからどうするんだろう・・という気持ちだったんですが、たとえカネで買った席でも利用してそんなシステム変えてやるよ的に語る其扇さんを見て「そういうところだよー!」となりました。
裏金とかこれまでの所業とか色々物申したいことはありますが、其扇さんへの恋心を忠誠心で無理矢理上書きしていたからあんなに不安定だったんだね…?と思うと、もう不器用すぎて可愛い奴にしか思えなくて辛い。
元々爆発寸前だったから時々タガが外れてしまったんだなぁと…色々納得でした。
THE真相ルートといった盛り上がりがすごくてテンション上がりました…!
白州都知事と遊馬さんとタイガさん含め、皆で協力して事件を終わらせる流れがとにかくアツいんですよ。
最後エンディングで5人並んだ1枚絵が表示された時、彼らが次の時代を担っていくんだなぁとしみじみしました。
その後どんな人生を歩んだのかをまとめた文章がエンドロールで流れます。
享年まで書かれていて辛い気持ちになりましたが、彼らの生き様を見届けて欲しいんだというメッセージを感じましたよ。
其扇さん、内閣総理大臣になれたんだなと思うと何だか感極まってしまいました。
作中で『東京24区』という裏サイトの名前が出てきてテンションが上がったのも束の間、潜入できないままうやむやに終わってしまい何となく物足りない気持ちでいたのですが、『東京24区』という言葉はきっと社会の闇と同義で、タイトルに掲げた意味を考えると悲しいような何ともいえない気持ちになりました。
社会が抱える歪みをどう解決していくのかこそ見たかった気持ちもありますが、簡単にはいきませんよね。
彼らの思いも次代に引き継がれ、少しずつでも良い社会になることを祈るばかりです。
個人的レビュー
東京24区の好きなところ
ボリュームたっぷりのストーリー
攻略キャラが4人なのでボリューム控えめかな?と思いきや、個別ルート中盤の選択肢で大きく分岐し、実質1人につき2ルートあるような状態でした。
ボリュームたっぷりで1人あたり5-6時間ほどかかりました。
サブに至るまでキャラクターの魅力がすごい
主要キャラもサブキャラも魅力的でした。
特に三条総理の底知れなさに惚れました・・!最初の頃地味だと思っていてごめんなさい(オイ
東京24区に物申したいところ
内容が小難しく漢字が多い
テーマ的に仕方ありませんが小難しい話が続くので、激しく頭が疲れている時はおすすめできません。
腹の探り合いや足の引っ張り合いが多く精神的に疲れる
腐った政治家が多く、嫌がらせ・保身・隠蔽など嫌な展開になることもしばしば。精神が疲弊します。
総評
ストーリー : (4.5 / 5)
グラフィック : (4 / 5)
音楽 : (4 / 5)
システム : (4 / 5)
ボリューム : (4.5 / 5)
総合評価 : A+
共通ルート含めると1周目は9時間ほど、個別ルートは5~6時間ほどのボリュームでした。
シナリオに集中するあまり恋愛部分が薄味というか、萌えはあるけどガッツリではないと言いますか…
事件が一区切りした後に恋愛要素が勢いよく駆け込んでくるので、正直「邪魔!」と思ってしまう時もありました。
すっきりした読了感のまま終わらせてくれ!みたいな。
恋愛ゲームなのに恋愛を邪魔に思うとか失礼な話ですよね(笑
内容難しそうだけど大丈夫かな・・と不安な方にも是非プレイして頂きたい面白さでした。
いきなりニュース番組が始まる冒頭10分くらいを乗り越えられればきっと大丈夫。
気になっている方はまずは体験版からプレイしてみることをおすすめします。
まとめ
モッチ
シナリオが本当に良かった・・!
どのルートもピックアップされている問題が現実に存在するような内容で、深く考えさせられました。
事件を通して日本の現実を知り、成長した彼らがこれからの国をどう変えていくかを描いたお話でした。
ただ繊細な話なので実在の国の名前が出てくると少しドキッとしてしまいました。
多分今プレイされた方は同じ感想を抱くのではと思います。
ちょっとだけ政治に詳しくなって、賢くなった気分になれるという意味でも良い作品でありました(クソすぎる感想
長くなりましたが本日もお付き合い下さりありがとうございました。
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